2011年01月14日

ぬるむさんが商業誌デビュー!

 既に掲載誌をお読みになった方も多いと思いますが、
 ぬるむさんがついに商業誌デビュー
 
先日発売された『COMIC 天魔』2月号で「痴女派デジタル 前編」を描かれています。

 いやー、商業の仕事に取り掛かられているであろうことは察していましたけれど、沈黙も長かったのでちょっと心配しておりました。無事デビューされて良かったです!
 ぬるむさん自身もサイトで説明されているようにTSモノではありませんが、続きもまだ2編あるようですし、買って応援しましょう! 来月号には載らないみたいですので、再来月以降かな……?



 忙しくなった時期等を考えると、『Teiresias vol.02』に描いていただけたのはホント良いタイミングだったなあ……。あの時はお世話になりました。わりと余裕のないスケジュールにハイクオリティな作品で応じていただけましたし。
posted by nekome at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | TS雑談

2011年01月12日

『コミックアンリアル』vol.29はTS祭状態!

 本日発売の『コミックアンリアル』vol.29はTS率高かったですな!

 一番の見所は狼亮輔さんの「習志野△」でしょうか。
 憑依TSはTSキャラがエロに対して能動的なのが主流なんですが、これは受動的でも面白いタイプの憑依モノ。
 惚れた女の子がことごとくイケメン・習志野晃一と付き合ってしまうため振られてばかりの主人公。この日も憧れの女の子・睦月に同じ理由で振られてイライラしていたところ、転んで重体になり、幽体離脱してしまう。
 「幽体離脱してるんなら、習志野に憑依して睦月ちゃんを好きにできるのでは?」と考えた主人公はだが、誤って睦月の方に憑依してしまう。
 何も知らない習志野はいつものように睦月とセックスしようとして……。
 
 「女の子を犯すために憑依を使おうとした男」が「女の子として犯される側になってしまう」という意図と結果の逆転が起こっているので、受け身の憑依TSでも楽しめるんですよね。
 男らしいキャラが女に変身したうえで性的に屈服させられるのが面白いのと同じで、ギャップが大きいと。
 強く抵抗するところから堕ちてしまうところまで丁寧に描かれているのも素晴らしいと思います!

 オオハシタカユキさんの「パラふり」も相変わらずの特シチュシリーズ。
 今回は教室内が「男が超能力を使い女を虐げている世界」に変わってしまったうえで司が女になってしまい、超能力で操られて公開オナニー→乱交へ。
 被支配被虐シチュが好きな人はたいへん楽しめるんじゃないかと。
 本心はちゃんと嫌がってるのに、無理矢理エロい台詞言わされちゃうのは興奮しますね!

 素晴らしい単行本が出たばかりの砕骨子さんも「ありすinわんだーらんど」で誌面に復活!
 「もっとイカレた世界になればなあ」と現実逃避していた受験生の少年・有栖が妙な薬を飲んで女の子に変身。妙な連中に犯されてしまいます。
 アリスと聞くと、以前サイトの方で公開されていた作品を思い出しますねー。

 巻末のインタビューコーナーにも砕骨子さんが登場されているので必読ですよ。
「エロスの神様は非常に懐が深いと感じましたので、「俺以外誰が得をするんだ」と思ってもとにかく発表してみるのが良いと思います!」
 に全力で同意!
 そうです。喜んでくれる誰かがきっといます!
 あと「男女両方のダブルTSモノ」は是非読みたいです。その際、前後編に収まらないようならば前中後編使ってでもじっくり描いていただきたいのでよろしくお願いします編集さん!


 おっと、既に見せ場が別のフェイズに移っているので書き忘れるところでしたが、エレクトさわるさんの『PANDRA―白き欲望 黒の希望―』も憑依状態が続いてるんですよね。女の快感を味わう展開にこそならなかったものの、レイリィのギャップが大きくて非常に楽しませてもらっております。人工的に作ったとはいえ娘のような立場の少女を乗っ取っているわけで……興奮せずにはいられません。
 そうでなくともこのシリーズは洗脳や触手など好みの要素が多く、かつ作画も素晴らしく作劇的にも過去作品の数段上を行くものになっているので、どんな結末になるのか楽しみですよ。2巻も絶対買います!

2011年01月01日

謹賀新年&冬コミお疲れ様でした

 あけましておめでとうございます!
 今年もよろしくお願いします。

 昨年はたくさんの応援、ありがとうございました!
 今はちょっとブログも創作活動も停滞気味ですが、いずれ何とかしたいとは思っております。その時はまた、お付き合いいただければと。

11nenga-A.jpg

 年賀イラストはHIROさんにいただきました。いつもありがとうございます!
 くう〜っ、バニーガールにもレースクイーンにもなってみたいっ!
 うちの同人誌に毎回挿絵をつけてくださったHIROさんは、普段DIDというジャンルで精力的に同人作品を発表されています。興味がある方はDLsiteの方にもお立ち寄りくださいませ。



 さて、宣言していたとおり昨年の年末は30日の夜中まで地元に拘束されていたため、冬コミへのサークル参加を断念いたしました。なんとか31日は空いていたので、初めての日帰り参加ということに。完全一般参加だけってのも久しぶりです。
 寝不足気味ということもあって体調が万全とはいえず、東の混雑に絡め取られたことで時間と体力をごっそり消耗。色々と諦めねばなりませんでした……。

 それでもTS関連など自分にとっての重要どころはなんとか回れたかな?

 最初に立ち寄ったサークル「発条式眼鏡」、フカミオトハさん(pixiv)のオリジナル憑依TS漫画は表情のギャップが素晴らしいですね!
 そして何より、まえがきで語られている憑依へのこだわりが熱い! 全力で同意しますともさ!
 しかも経口憑依ですよ奥さん、じゃなくてkさん!

 サークル「yappyfire」、姫宮怜理さん(pixiv)の『紅白黒色−モノクロカラーズ−』はオリジナル変身TS漫画。
 いやーあんな風にそそる格好して親友からかってみたいですねそりゃニヤケずにはいられないでしょうね。
 挑発しすぎて押し倒されちゃったりとか経験してみたいですね!

 幾夜大黒堂さんの『境目のない世界8.52』は再選択クラスの授業風景中盤戦。
 やっぱり女→男の方が元異性の快感を楽にすぐ感じられるようになるんでしょうね。
 ところで、連載ではあまり描かれてなかったと思いますけど、魚住くんの体って……僅かながら変化してますよね? 時期的にホルモンは使ってるはずですし。
 連載のエンドはああいう形でしたけど、単行本化の暁には魚住くんがどういう思いを持ってあのクラスに進んだのかも読みたいところです。
 というわけで単行本の話進めちゃってくださいよ辰巳出版さん!

 キョン♀はほとんど寝てるしサイトで読んでるけど、俊さんの『-涼宮ハルヒ漫画- 涼宮ハルヒ キョンのTea of Sagittarius BREAKFAST』は読み返しても面白かった。
 まさか原作のあの台詞が伏線だったとは……!(違)
 辻褄合わせでこんだけ描けりゃすげーですって。シリアスパートで「鳥肌立ちました」とか言うと変なプレッシャーかけちゃうかもしれませんが(^^;
 あとオマケ漫画のブラに関する遣り取りに噴いた。


 買ったTSモノは他にもありますが、ひとまずここまで。
 時間以上に体力的な余裕がなくてお話できなかった方も多いのですが、今まで知らなかったTS作家さんとお会いできたのは良い収穫でした。
 ただ、サークル参加してないだけならまだしも、人に会った時に渡す本がないってのは落ち着かんもんですね(汗)
 個人コピー誌含めればここんとこ5連続で作って渡してたわけですし……。
 
 さあーて今年は結構忙しくなるんですけど……その隙間で何かできるかなあ。
posted by nekome at 20:55| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記

2010年12月25日

基本に忠実! TSの旨み教えます『めぐ・みるく』

 最近はTSモノもごそっと増えましたからね。連載開始時には「また変身TSモノ始まっちゃったけど、ブームに乗った急造品じゃなきゃいいなあ。ちゃんと持ち味あるかなあ」という不安もあったわけですよ。
 だから第1話読んだ時点では「悪い点は見当たらないけど、まだまだ評価保留! あ、でも髪が伸びてしっかり印象変わるのは良いね!」程度の印象でした。その後の連載は確認していません。
 が、単行本になったのを通して読んでみて――

 おお、これは基本に忠実で良いではないか!

 日下皓『めぐ・みるく』1巻(角川コミックス・エース)

 高校入学を控えたメグルと章は女っ気のない生活への不満をぶつけ合っていた。
 二人は幼馴染で、章はメグルの家に居候中。これで片方が女じゃないのはおかしい!と騒いでいたところ、それを本気の願いと受け取った天使の手によって、メグルが女の子に変えられてしまう。
 章と母親には本人だと認めてもらえたメグルだが、高校には女子として通うことに――

 TSモノが溢れている昨今だと「どれだけツボを押さえているか?」だけでなく「どこで捻ってくるか? 独特のウリはあるか?」が気になってしまうところですが、この作品はお約束の押さえぷりっこそが楽しめるポイント
 それではいくつか、TSモノのお約束要素に注目して書き出してみましょうか。

 ・TSの王道、親友萌え!
 気心の知れあった親友である章は、つき合い長いうえに同居人。接触系ハプニングの機会もそりゃあ頻繁に転がってるってもんです!
 メグルの方は完全に男同士の感覚なので、距離が近い近い。
 他の知り合いからかうために、わざと腕に抱きついて胸おしつけてきたりするんですから、やられる方はたまらないでしょうな。まあ自分はやる方が良いんですけど!
 しかし「リアルおっぱいマウスパッド」には噴いた(^^;

 ・理解のありすぎる母親
 やっぱり一番最初に順応したのはこの人だった。
 いつの間にやら学校側を誤魔化し、ちゃんと入学前に女子制服も調達してます。
 ウサギの髪飾りまでつけて、息子を可愛く着飾ってくれます。ムスッとしたメグルの照れ顔が素晴らしいですな!

 ・Hしちゃったら性別固定です!
 ここはちょっと予想外の要素もあったんですが、この作品、さりげに可逆モノです。
 女の時に女とキスをすると男に、男の時に男とキスをすると女になっちゃうんですね。
 「キスをできるような相手にとっての異性になる」ってことでしょうか。なんとなく、昔ぬ〜べ〜に登場した淫魔の子を思い出しました。男を好きになったから女で性別固定されちゃうやつ。
 「可逆ってことは、簡単に男に戻れるってこと? それはちょっと……」と不安になる人もいるでしょうけど、安心してください。ハプニングでもない限り、自分からキスできるような子じゃありませんからほとんど女の子のままです。
 そして、Hしちゃったら、その時の性別で固定!
 これは基本だよね! そこまで描かれることはまず無いんじゃないかと思いつつも、それを主人公たちに意識させるだけでニヤニヤしちゃうね!

 ・女子の友達が増えました
 男の時はまったく女っ気がなかったのに、可愛い女の子になった途端に、周囲に女の子が寄ってくる法則。
 まあ最近は「女子に嫌われるTSっ娘」というのもちょこちょこ出てきたんですが……やっぱりこっちがお約束かな。
 2人は女の子同士のつもりで友達になるんですが、残り1人・奏子は幼馴染なんで事情も知ってて、「異性として」興味持ってます。
 メグルが女の子になったことで毎日のようにどぎまぎさせられてる章と、急速に距離が縮まった奏子。どちらもそれなりに分量割いて描かれてるので、「どっちとくっつくの? 男に戻るの? 女のままなの?」とこの先揺れ動いていくであろうメグルを想像して楽しめますね。
 
 ・初めてのブラ!
 かつて、乱馬世代の同士は言いました。
 「恥じらいもなく女物の下着つけるようになったらダメなんだよ……!」
 メグルは女子制服着てても下着は男物。これはずぼらなわけではなく、はっきりした抵抗なんですね。当然ブラも嫌がります。
 女友達できたから、無理矢理ランジェリーショップに連れてかれちゃうんですけどね!
 恥ずかしいをしつつも、男として美味しい思いもしてるあたりはバランス良いと思いますね。うん、ここ以外でもラッキースケベなシーンがあったりするんですよ。間口が広がるので歓迎ですな。


 「TSモノってどんなもの?」と訊かれたら「これを読むと良いよ!」と迷わず差し出せる良作ですね。
 疑似百合ルート一直線でもなく、親友ルート一直線でもなく、どっちに転がるかわからない状態が安定して続きそうで今後も楽しめそうです。

 〜関連リンク〜
 「女の子になったら、のドキドキを詰め込んで!TS漫画「めぐみるく」がワクワクわーい!」(たまごまごごはん)

2010年12月22日

上質のTSエロ漫画がたっぷり!『トランスガール−変質系少女−』

 『コミックアンリアル』を中心にTS系エロ漫画で活躍されていた砕骨子さんの作品群が、待望の、た・い・ぼ・う・の単行本化――――っ!!
 こんな日が来てくれるとは……! 望外の喜びってやつですよこれは!

 砕骨子『トランスガール−変質系少女−』(アンリアルコミックス)

 なにしろ、TSが好きでなければまず描けない作品群を商業誌で描かれ、サイトや同人誌でもオリジナルのTSエロ漫画を発表されていたのです。まさに理想的なTSエロ漫画家!と砕骨子さんに期待せずにはいられませんでした。
 しかし、『コミックアンリアル』の方では2008年6月のvol.13以降作品が載ることはなく、コミケへの参加もなくなり、サイトも消えてしまいました。
 最早単行本収録分の作品が集まるかどうか以前の問題。今後の創作活動自体、絶望的なのでは……と不安にもなろうというものです。
 単行本が出ないのなら切り抜きを見せるしか!とオフ会に「Long Way Home」(前・後編)や「トランスガール」を持って行って、こんな作品があるよと教えてましたよ。
 ここに来て突然の単行本化の報には心底驚きましたとも。
 いやあ……この日が来て本当に良かった。


 さて内容ですが、収録1作目の「Long Way Home」(前・後編)は憑依モノ。
 意識下のタイムリープにより過去の人間に憑依できる主人公は、幼いころの自分が憧れていた近所のお姉さんに憑依。過去の自分自身を誘惑して犯してしまいます
 この時点でもう、TSに興味のない人からは出てこない発想でしょう!
 憑依好きな人の中には、「かつての憧れの女性に憑依」というシチュエーションを妄想した人、そこそこいると思いますけどねっ。ええ自分もそうですとも。
 しかも違う時代に移動することによって、入れ替わりHとも違う正真正銘の自分自身とのセックス、という倒錯的な状況を作り出しています。ゆすらさん大喜び!
 主人公はその後も、女性に乗り移ってはあどけない少年を犯すという憑依セックス塗れの生活を送ります。なんて羨ましい……!
 しかし、いつものように女性に憑依した主人公が少年たちを物色していると……。
 この後の倒錯度はさらにもの凄いことになっています。結構ダークですのでご注意を(^^;

 次に収録されている「トランスガール 変質系少女」は王道的な変身エロ。
 女嫌いの少年が夢魔の力で女の子に変えられてしまい、女性専用車両を避けて乗った電車で集団痴漢に遭ってしまいます。
 最初っから受け気質の少年じゃなくて、強気で女嫌い(=自分が女になったことも否定したい)ってのがポイント高いですね!
 そう、こういう子が堕ちていくから面白いのです。元男って設定の娘が犯されてりゃ良いってもんじゃないんです。
 理想的な変身系TSエロと言えますね。

 単行本描き下ろしの「バーチャルファイターマキ」もTSモノ。
 こちらは格闘ゲームの世界に取り込まれ、女性キャラになって犯されてしまうものです。
 内面の男らしさの描写に加えて、体の自由がきかない状態で女の快楽に溺れさせてしまうというのが素敵ですね。

 
 3作ともTSのツボを押さえた素晴らしい作品。
 エロ漫画におけるTSモノを語るうえでは絶対外せないと言えるでしょう。
 中でも女に憑依する主人公がセックスに積極的な「Long Way Home」は希少さ、倒錯っぷりと二重の点でイチオシです。

2010年12月20日

さめだ小判「ボクがあの娘であの娘がボクで」が単行本収録!

 本日20日発売の『さめだ小判の華麗なる生活』に、入れ替わりTSモノ「ボクがあの娘であの娘がボクで」が収録されていました!
 いやー、だいぶ前に『チャンピオンREDいちご』に掲載されたものの、読み切りなもんだからいつどの単行本に収録されるか、そもそも収録される保証があるのかもわかりませんでしたからね。切り抜き保存して、人に見せたりしてたもんですよ。
 再び人の目に触れる状態になって良かった良かった。

 内容はハイテンション気味でエロめな、幼馴染同士の入れ替わり。
 少年・まことの方は「幼馴染のセオリー」を言い訳に着替え中の少女・ちはるの部屋へ乱入するようなやつなので、入れ替わり直後から欲望に忠実です。
「しょっ…しょうがないな
 こうなったらお互いなにくわぬふりして生活するしかないだろ!!
 ああ…困った! まったく冗談じゃねーぜ
 なんで俺がこんな目に…!?」

 と言いながらニヤケ顔で胸を揉んでいる
シーンに、この作品のノリがよく表れていますね!

 常々「入れ替わり・憑依後の元男キャラはもっと性欲に素直であるべきだ!」と思っている自分としては、実に年頃の少年らしいまことの言動は「よく描いてくれた!」といったところ。まーここまで露骨なキャラは読み切りじゃなきゃ難しい気もしますが(^^;

 その後は、まことが男からエロい目で見られることに怯えたり、ちはるが膨らむ股間の対処に困ったり、結構エロいシーンがあったりと慌ただしいながらも楽しめます。
 希少な欲望忠実系商業TS作品としてオススメ。

2010年11月23日

同じ世界を見つめて『フダンシズム−腐男子主義−』7巻

 終わるの? 本当にこの1冊で綺麗に終われるの?と不安だったものですから、裏表紙に「中学生編ここに完結!」の文字を見て心の底から安心しましたよ!
 あえて連載追ってなかったんで、高校生編のことは知らなかったんですよね(twitterでちらっと目にした気はする)。
 これで晴れやかな気分で読むことができます。

 もりしげ『フダンシズム−腐男子主義−』7巻(ヤングガンガンコミックス)
 
 意外にも初めてだという、小西さんの宮野家訪問。数の姉である環依とは同人活動で繋がりがあるのでごく自然な訪問ではあるのですが、その輪に入るためには、数はアマネにならなければいけません。
 女装を済ませ、怪しまれないよう一旦外に出ようとする数――アマネですが、自室を出たところでばったり母親に遭遇してしまいます。
 アマネはその瞬間こそなんとかやり過ごして外に出ましたが、息子の不在を知り、アマネの正体に勘付いてしまった母親は数の部屋を捜索。アマネの服を見つけてしまい――

 試しに自分で着てみます(爆)

 何やってるんですか奥さん!
 まだまだ現役でいけますね奥さん!
 
 ――って、そうじゃなくて。
 ちょっと悪ふざけもありましたが、母君は先ほど会った「少女」が息子であると確信していました。これまでで最も深刻な周囲バレの危機となってしまいます。
 環依を問い詰める母。しかし環依はアマネが築いてきたものを守るために、一歩も譲りません。
 娘の必死さと、友達の輪の中で笑顔を浮かべる息子を見た母は――
 
 姉といい母といい、数、良い家族に恵まれましたね。


 中三の一学期最後の日には、上京してきた方向音痴娘、十河まさきが数とばったり再会。
 数の女装を知っていて、押しも強いまさきは一気に距離を詰めてきます。
 ていうか目の前で女装させるって、押しが強いとかいうレベルじゃないぞ。
 そんな身勝手さに振り回せれてるせいか、まさきと話してる時のアマネって普段より感情露わにしてて可愛いんですよねえ。

 しっかし、冬コマでは迷惑極まりない「お客様」として登場したこの娘が、まさかの恋愛参戦宣言とは……。
 高校生編の存在を知らなければ「こんなタイミングで!?」と驚くところですね。


 ism.54「集え! みんなの夏コマで!!」とism55.「叶え! みんなの“のぞみ”」は中学生編最後のヤマ場。
 夏コマ当日、家の用事やらトラブルやらで出発の遅れていた数=アマネ、小西さん、東峰さん、六徳さんらが閉会の迫る会場へと向かう。
 徐々に合流を果たしていく中、彼らの脳裏に浮かび、語られていくのが『おまかせ☆てんてる』第一期の最終回。
 これが本当に泣ける内容で! 絶妙な挿入で!
 課題を抱えたまま、それでもお互い良い方向へ向かいたい数=アマネと小西さんとの関係。
 「おま☆てん」をきっかけに結び付いた仲間たち。
 「おま☆てん」最終回のメッセージ。
 それらが見事に融合していて、胸がいっぱいになりました。
 ああ、自分本当にこの作品好きだったんだなあ。

 
 卒業式の後に掲載されていたのは、春休み特別編。
 エスカレーター式のため、また同じ学校で過ごすことになるみんなの、高校生活を意識しつつも平穏な日々が描かれます。
 アマネと小西さんも二人で、これまでとこれからに思いを馳せています。

 この二人の関係で不安だったのが、偽りを抱えた関係だということ。
 「数くんと小西さん」の関係も、「アマネとのぞみん」の関係も、両方とも良好に推移しているのですが、「アマネとのぞみん」の関係は数の嘘の上に成り立っている。
 楽しい時間を守るための嘘が、致命的な亀裂を生むかもしれないという不安。

 しかし、この時匂わされた事実は――――っっ?

 そ、そう来た、かっ。あの場面で……なるほど……。

 高校生編『フダンシフル』、たいへん楽しみになってまいりましたっ!! って、もう連載始まってるから読めるんですよねっ。
 

〜過去記事リンク〜

 『フダンシズム−腐男子主義−』2巻
 『フダンシズム−腐男子主義−』3巻
 まつもとぶちょうのなかでなにかがふっきれた!『フダンシズム−腐男子主義−』4巻
 二重生活の真骨頂! 充実の文化祭『フダンシズム−腐男子主義−』5巻
 腐女子として振舞うのは「好きだから」『フダンシズム−腐男子主義−』6巻

posted by nekome at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 女装関連

2010年11月22日

身近な少女の肉体で甦るということ『少年式少女』2巻

 近隣の中規模書店には売ってなくて入手に手間かかりました。同じように苦戦する方もいると思いますが、諦めず取り寄せてもらうなりネット通販使うなりして買っておくべきものです。今回で完結巻。

 和田依子『少年式少女』2巻(アフタヌーンKC)

「彼女の中で目覚めた“おれ”の魂。
 シキの肉体に宿ったタケルの魂。「シキを絶対に助ける」と誓うタケルだが、その魂は徐々に崩壊していく。
 14歳、少年の無垢な魂が格闘する!!」


 帯に書かれている↑の文章は的確で、非常に重く、シリアスな物語です。
 1巻だけを読んだ人は、「少年の魂が少女の身体に入ったことによるドキドキとか、色っぽい場面がほとんどなくて、あんまり美味しくない」と思ったかもしれません。
 けどね、TS的な美味しさっていうのは、そういうライトなお約束ばかりじゃないんですよ。本領発揮は2巻収録分からです……!

 第9話のタイトルはそのものズバリ、「産むからだ」。
 第8話のヒキですぐぴんと来た人もいると思いますが、その通り、生理の話です。
 いずれ赤ちゃんを産む準備である生理、それを初めて経験し、痛む腹を抱えて横たわりながら、改めて「自分が女であること」を考えるようになるのです。
 単なるTSモノのイベントとしてではなく、ここまで突っ込んだ形で生理を使う作品はそう無いのではないでしょうか。

 第10話「つきあうってことは」では、唯一事情を知っている担任男性教師(前セン)の家を訪れた際、彼女のものとおぼしき服とコンドームを発見。先生はここで女の人とセックスをしてるんだな、と考えたタケルは奇妙な感覚に襲われます。
 腰のあたりから感じる熱、上気する頬。
 性的なことを「女の身で」初めて考えたことによって。
 今の自分が男を受け入れる体であるという自覚のうえでセックスを意識したことによって。
 タケルは自分でもよくわからないままにオンナの表情を見せてしまうのです。

 ここがもう……ゾクッとするほど色っぽい!!

 並大抵の作品ではこの顔は描かれない。女の肉体に宿った少年の魂というものを、その意識の変化を真摯に想像しなければ、この表情は描けない。

 「女である自分」を意識するようになったタケルですが、その自覚はまだまだ足りず、無邪気な行動が周囲との軋轢を大きくしてしまいます。
 男友達の感覚で特定の男子と仲良くしていたため、つき合い始めたと勘違いされてしまうのです。
 厄介なのは、「シキがタケルのことを好き」ということを、当のタケル以外多くの人間が知っていた、それどころか完全につき合っていると思われていたこと。
 つまり周囲からは「シキ(本当はタケルだけど)は前の彼氏が死んで間もないのに、もう次の彼氏を捕まえた」ように見えてしまうのです。
 この噂が一気に広まった時の、女子たちの言葉が怖い。

「すごいよね あの女」

 ……最近は「女子に嫌われるTSキャラ」というのも増えてきた気がしますが、事情を知られていないとはいえ、ここまで言われたキャラは他にいないでしょう。
 「あの女」呼ばわりですよ。
 この作品に登場する女子たちの言動やコミュニティのあり方は実に生々しく、無垢な少年であるタケルがまともに会話できた女子はほんの数人だけ。
 女性作家だからこそ描ける内容かもしれませんね。

 
 
 シキの中にいるタケルには、前セン以外誰も気づかない。
 誰もがタケルを死んだものとして扱う。
 前センですら、シキの中にタケルを見出したわけではなく、特殊な事情があって「見えて」いたに過ぎない。
 シキらしく生きようとしてみても、周囲との人間関係もろくに構築できない。

 自分を犠牲にしてでもシキを復活させようとしていたタケルですが、「自分が死んだ世界」で孤独に苛まれながら生きていくのは想像以上に辛く、徐々に精神をすり減らしてゆきます。
 さらに、ある疑念に囚われて追い詰められたタケルは、自分の中に潜むエゴにも気付かされ――

 物語は終局へ。
 語るのはここまでにしておきましょう。
 
 不可逆な憑依モノでは、死を扱うのは不可避。
 けれども、主人公が周囲の人間にとって死者であり認識不能だということを、他人として生きていかなければならないということを、ここまで徹底して真剣に描き切った作品というのは稀有であり貴重。
 女として生きることになった少年というものも、生々しく、真摯に描かれている。
 TSを扱った創作物の幅広さを知るためにも、是非読んでおいてほしい物語です。

 〜過去記事リンク〜

 3年間、大事な少女の体で生きろ「少年式少女」第1話
 向き合うのは、誰の不在か『少年式少女』第4話
 キャッチフレーズに恵まれた『少年式少女』1巻発売!

2010年11月20日

確かな進歩の憑依AV『ボディジャック パート3』

  待望の憑依モノAV第3弾! 『ボディジャック パート3』がやってまいりました。
 まだまだツッコミどころはあるんですが、頑張りの伝わってくる内容でしたね。


 今回の主人公は無職引きこもりの30代男。ダメダメな自分の人生に嫌気がさした彼は、通販で買った謎の錠剤を飲んで幽体離脱します。
 最初に憑依する相手は義理の妹(パッケージには「義理の姉」と書かれちゃってますが……)。
 今まではすぐ近くにいる人間に憑依してたんですが、今回は幽体になったあと、自分の部屋から義妹の部屋まで移動して憑依してますね。
 細かいところですが、「折角誰にも見咎められず自由に移動できるんだし、少しは幽体のままで移動して標的探そうぜ!」と思っていたので、今回のこれはちょっと嬉しかったです。

 でも幽体で移動していたのはここぐらいで、あとは今までどおりにキスで乗り移るだけなんですよね。
 何故だ……。絡んでる相手にしか憑依しちゃいけないなんてこだわりは持ってないんだぞユーザーは。
 あと、憑依の瞬間の演出がやっぱり間抜けなのも残念。

 とはいえ、不満なのはそれらの「前作から変わらなかった点」や細かな粗ぐらいであり、他の部分では各所で工夫が見られました。
 わりと細かいところまで書いちゃいますんで、ネタバレ避けたい方はご注意を。


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posted by nekome at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想・AV・TS

2010年11月10日

凶悪犯の霊に憑依されるいずな!『霊媒師いずな』第48話

 なかなか落ち着くことができず、もう何度も読み返している自分がいます(^^)
 いずなが、いずながついにやってくれました。
 
 『スーパージャンプ』No.23に掲載された『霊媒師いずな』第48話のタイトルは「殺人鬼いずな(前編)」。
 狂気の連続殺人犯が死亡してしまい、捜査への協力を求められたいずなは、彼の霊を呼び出すことで取り調べを成功させる。しかし、帰宅したいずなのもとへ殺人鬼の霊が現れ、消耗し切っていた彼女にとり憑いてしまう。
 完全に乗っ取られたいずなは、欲望のまま、身近な女性たちを刃にかけようと……。

 何これわたしの好みドンピシャじゃないですか! いずなには期待してたけど、まさかここまで理想的なものを見られるとは……。

 前にも言いましたけど、わたしは悪堕ち属性が強いんで、「憑依されてエロいことをする」よりも「憑依されて悪行に走る」方が興奮するんですよ!
 美少女が男の悪霊に憑依されて殺人鬼と化すなんて、最高に美味しいシチュエーションですね!
 可愛い顔に凶悪な笑みを浮かべているいずながたまりません。

 あ、エロい絵面のシーンもあるので、そっちにしか興奮できない方もご安心を。

 ふう、なかなか興奮が醒めません。
 いずなは思い入れ強いですからね……。
 『地獄先生ぬ〜べ〜』で登場間もない頃、降霊を試みてエロい女性の霊に憑依された時から、もう何度妄想のネタにしたことか。なにしろイタコ娘として登場したんです。憑依展開を求めるのは当然というもの。
 けど男性に憑依されたのは、悪霊を撃退するために、幽体離脱したぬ〜べ〜に体を貸した時ぐらいですかね?
 『霊媒師いずな』になってからは青年誌ということで「男に憑依されてエロい展開を!」という期待も一層高まったのですが、惜しいところを掠め続けるばかりで、もうストライクな展開はないんだろうなあと思っていたんですが……。
 この「殺人鬼いずな(前編)」は言うことなしです!
 単行本買い続けてたかいもあったというもの。報われたあ。
 まあ、普通にエロい展開が良かった、という人の方が多いかもしれませんが、わたしはもう満足してしまいました(^^;
 
 満足したと言いながら、後編でもうひとヤマあると嬉しいなとは思っちゃいますがね!
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