2009年05月09日

王道TSラノベ、襲来『とぅ うぃっち せる!』

 変化球な作品というのは面白いのですけれど、それはあくまで直球な作品がそれなりの数出ている前提で光るもの。
 王道というものを示してくれる作品は、絶対に欲しいものなのです。

 しかしまさか、この方向からそんな直球が放たれるとは――
 やってくれたな一色銀河!!

 一色銀河『とぅ うぃっち せる!』(電撃文庫)

 正直に言ってしまいますと、強い期待はしていなかったのです。一色銀河さんのことを知ったのは『若草野球部狂想曲』。これはもう大変好きな作品でして、魅力的なスポ根書きの作家さんとして貴重な方だと思っているわけですが――スポ根モノ以外が、どうにも苦手そうに感じられまして。
 しかも不振続きの後のTSモノとなると、「最後の手段」っぽさを感じずにはいられなかったわけですよ。
 そういう状況で書かれたTSモノが、果たしてこちらの評価に耐える出来なのか。そういう不安があったのです。
 が、蓋を開けてみると……。

 TS好きでライトノベルを読む人間なら、買わないことは許さない。
 そんなことを言いたくなる作品でしたよ! ええい降参だ!

 TSに至るまでの日常・各キャラクターの描写。バッチリ。
 TS後の「気付き」の描写。バッチリ。
 女の子の体を得た少年(主人公)の「年齢相応な健全度」。バッチリ。
 TSに起因するドタバタやサービスシーン。バッチリ。

 オチ――おおっと、これは言えない!

 まさか。
 まさかここまで、こちらの望むものを押さえてくるとは……!
 ス、スパイだ。スパイがいる(笑)

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posted by nekome at 18:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 感想・小説・TS

2009年01月03日

『創立!? 三ツ星生徒会@ その時恋3がはじまった』

 佐々原史緒『創立!? 三ツ星生徒会@ その時恋3がはじまった』(ファミ通文庫)

 まさか……
 まさか佐々原史緒さんの作品が「八重洲メディアリサーチ」の情報版に載る日が来るとは……!

 以前「このラノ」絡みの記事で書いたように、わたしは大の佐々原ファンでして、『サウザント・メイジ』から先の全作品を持っています。
 『暴風ガールズファイト』だって1位投票するってもんです。
 (続き……出ないんでしょうねえ……orz)
 だからもう、佐々原さんの新作と知って、あらすじも何も確認せずに速攻で買っていたのですが、TS界で該当情報が流れていてびっくり。
 すぐバッグに押し込んで東京に持っていき、向こうで読んできましたよ。

 さて、そろそろあらすじを。
 主人公の向坂恵(さきさか・めぐむ)は高校に入学早々、校内に蔓延る黒い「モノ」によって身体の自由を奪われ、池に落ちて溺死寸前に。
 そこを外見金魚な土地神、星ヶ谷主水穂明神(以降、水穂さま)に助けられ、見返りにこき使われる羽目になります。
 水穂さまの要求は、「この土地に若者を集め、平和に暮らすこと」。
 なんでも、工事によってご神体が削られるわ、少子化で学校の生徒は少なくなるわで、力が落ちているのだとか。
 そして、恵の提案に基き、水穂さまが力を振るった結果、ありえないハイスピードでの3校合併が実現。三ツ星学園が誕生します。
 水穂さまの神通力によるものか、何故か生徒会に入れられてしまった恵は、3校生徒の軋轢の中、苦労の日々を送ることに……。

 この生徒会というのが厄介でして、「合併したてでは選挙のしようがない」という理由による、暫定的な3校合同生徒会。トップである生徒会長すら3人います。内ゲバで潰れろといわんばかりの組織です。
 恵もなんとかしようとは思うのですが、会議が空転する日々。肩身の狭い思いをする生徒たちも現れます。
 みかねた水穂さまが恵の中に入り込むと――身体が女の子に!(主導権は基本、水穂さま)
 「三ツ星学園の生徒、向坂水穂」として、3校の生徒を結びつけるための行動を開始するのです。

 経過の説明は省くとして――
 ラストの引きでやってくれましたね!
 なんちゅーややこしい恋愛模様に!(笑) 恋3乗ってそういうことか!
 TSファン的には、次巻が楽しみでしょうがないところです。よおし4巻ぐらいまでは行ってもらうぞお。


 ……ちなみに、個人的には、生嶋香葉子さまが崇拝対象です
 あんな凄絶な美貌と武力でもって迫られたら、もう、もうっ!
 ああ殺されたい。<せめて「踏まれたい」と言おうよ
posted by nekome at 22:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 感想・小説・TS

2008年10月20日

『鏡原れぼりゅーしょん』

 林直孝『鏡原れぼりゅーしょん』(一迅社文庫)

 「なんで俺がお嬢様の身体に人格転移してるわけ?!」と、帯の文句も実に的確。
 貧乳好きの主人公、来摩久司。おっとりとした巨乳なお嬢様、鏡原奈結。クールだが空気の読めない貧乳ボクっ娘、津吹あいら。この3人が、鏡原家に代々降りかかる「八津当輪の呪い」によって人格を入れ替えられてしまいます。入れ替わりによる変化は
  来摩久司→鏡原奈結
  鏡原奈結→津吹あいら
  津吹あいら→来摩久司

 「お互い、元自分の体相手にどぎまぎするのが良いのにぃー!」という人もいるでしょうけれど、こういう多人数の入れ替わりも捨てたもんじゃありません。
 主人公がヒロインの体になっていても、ヒロインもまた、別の女の子の体になっているというのが強み。外から見れば女の子同士となるため、入れ替わり発生後も、自然と一緒にいられるのです。
 そう! 例えば!
 「お風呂に入らないといけないのだけれど、裸を見るわけにはいかないから、体の持ち主に体を洗ってもらう」というシチュエーションも、容易に実現させられるというものっ!
 というか、実際にそのシーンがあります。
 しかも挿絵つきで。
 いや実に美味しいシーンでしたね。
 それにしても……組んだ腕に乗るほどの巨乳……いいなあ。

 お風呂の場面に限らず、百合風なシチュが好きな人間なら心躍る入れ替わりでしたね。ヴィジュアルによる補強も嬉しい。

 それにしても、これだけチャンスに恵まれていながら、久司はまったくもって純真な善人すぎですな! いや、大半のラノベ主人公なら、こうせざるを得ないでしょうけど……けどさあ。
 健全すぎるよ君達ぃ! 健全な青少年は、もっと不健全になるべきだよ!
 と、どっかのガチホモマッドサイエンティストみたく叫びたくなってしまうんですよお。 

 まあ、恵まれてる一方で、時と場所を選ばないあいらの言動のせいで、すっかりヘンタイ扱いされてしまったりもするんですけどね、久司。
 入れ替わりはこれが怖いですねえ(汗)
 純真な主人公は不幸です。最低ご先祖様な市松人形の煽りに乗って、もっと汚れてしまえばいいんですよ。わたしみたいに<マテ

 全体としては、ごく普通のTSラブコメディといったところでしょうか。突出したものはないけれど、悪くもない。ちょっと細かいネタを入れすぎかもしれませんが。
 ああでも、ラストには満面の笑みを浮かべざるを得ない!

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2008年09月16日

『ぷりんせす・そーど!A 戦うサツキとヴァルキリー』

 神野オキナ『ぷりんせす・そーど!A 戦うサツキとヴァルキリー』(GA文庫)

 えー、最初に断ってしまいますと、今巻にTS&女装関連の描写はほとんどありません。
 残念でしたーっ!

 一応チャイナドレスも着てるし、女体化もするんですけどね。
 文中でも指摘されてますが、腰部のスリットはあまりにも深く、何故下着が見えないのかわかりません(笑)
 あと胸元も結構開いてるっぽいんですが……くうっ、この描き方だとよく見えんっ!
 ……とまあ、悩ましい格好をしてはくれるのですが、その辺に言及されてるシーンはほとんどないのです。設定がおいしいだけにちょっとがっかり。

 とはいえ、元よりラノベ読みですので、TSモノを「TSモノとしてしか読まない」なんて勿体無いことはいたしません。
 ていうか、かなり面白いですからーっ。
 2巻目とは思えないぐらいに事態が大きく動くのです。
 冒頭の出来事は裏表紙や帯にも書かれていますが、それは大動乱の兆しに過ぎませんでした。
 1巻で綺麗に整った舞台を用意してくれたので、「さあこれから暫くはシリーズ物らしく順調に物語が進んでいくんだろうなあ」と思っていたら、いきなりまったく新しい要素が、舞台への乱入をかましてくれました。
 いや、存在自体は明かされてたんですけどね……このタイミングで来るのかとびっくりです(^^;
 早々に盤面が変わってしまったので、まったく先が見えなくなりましたよ。
 もうちょっとパターンに則ったお話を続けても良かった気がしますが……色々と狙いもあるのでしょう。不安を抱えつつも期待しています。

 あと、わたしのツボに嵌った細かい箇所。

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2008年08月07日

『AKUMAで少女〜悪魔の国のお姫様〜』

 わかつきひかるさんの『AKUMAで少女』シリーズもこれにて完結。
 今回の僚は、デビルベアの力でゆり絵の姿に変身。
 入れ替わり(百合展開)→入れ替わり(男友達に迫られる)→女体化(女の幽霊に乗り移られたから)→特定個人への変身、とコメディでやれるTSはだいたい押さえた感じですかね。よくぞこれだけやってくれました。
 (憑依というのはどうしても死が絡んでくるからコメディには向かないんですよねー。真っ先に浮かぶラノベは『キリサキ』ですし)
 
 今回の変身は、生と死の狭間の世界に囚われてしまったゆり絵を助けるため。女の子たちとのスキンシップで生体エネルギーを集めるのに都合の良い姿になったのですね。相変わらず、羨ましいくらいにもみくちゃにされてます(^^
 そのうえ、終盤には……うん、期待はしてましたけど、まさか本当に期待どおりの絡みが読めるとはっ。
 いやもう、どこの18禁TSサイトの小説かと(^^;
 これで4巻目だというのに、毎回のごとく「ここまで書いちゃって良いんだっ?」と思ってしまいます。えっちぃですねえ。
posted by nekome at 22:54| Comment(0) | TrackBack(1) | 感想・小説・TS

2008年06月18日

『ぷりんせす・そーど!@ 戦うサツキとプリンセス』

『うらにわのかみさま』の例もあるし、神野オキナさんはやはり我々の味方なのかもしれない(笑)
『ぷりんせす・そーど!@ 戦うサツキとプリンセス』(GA文庫)はTSと女装の両方がありました。

異世界から現れた姫様と女騎士の勘違いから「戦神騎士」に選ばれてしまった、主人公の南天五月。
女騎士――武騎人(スウォーダーズ)であるジリオラと契約させられた彼の肉体は女の子に変化。ジリオラの身体は剣と鎧に変化して装着され、一心同体の状態で「敵」と戦うことになります。

女体化の理由は簡潔に言うと「最適化されたから」。
ここまで読んだ時は、序盤の『けんぷファー』同様に「そういうものだから」女にされたのかと思ったんですよね。ところが、実は「女であること」が「最適」である理由があったのですよ。
理不尽に変化させられてしまうのも、それはそれで好きなんですけど、この作品のようにきちんと必然性があって、しかもそれが物語の展開に深く組み込まれているというのも面白いですねえ。
そうそう、最初に五月が女と間違われたのにしても、「学祭で女装させられていたから」なんですよね。なんと用意のいい(笑)
(実際には、それプラスαの理由があるんですけど)
しかも、五月を女体化させた「性転換魔法」にはペナルティがあって、「被術者の同性他者による認識が十人を超えた場合、性別は転換された状態で固定されてしまう」というのです。簡単に言うと「男10人にバレたら女のままに!」というわけです。ハラハラする展開を期待してしまう設定ですね(^^
タイトルやあとがきからすると、シリーズ化確定っぽい雰囲気がありますし、戦闘時用に色んな女物の衣装が出てきそう。ということで、なかなか楽しみなものがあります。

ただし、今のところ、女体化はあくまで「戦闘のため」という位置付けになっています。
そのため、「女の状態で他人と接してドキドキ」な展開にはなりにくそうなんですよね。おそらく、今巻を読んでもTS要素は薄く感じられると思います。むしろ女装の方が目立ってるかも。
今後どうなるかはわかりませんけどね〜。

まあわたし自身は、戦闘もなかなか熱いし、異世界人との交流の描写も面白い、ということで、TS要素が薄くても買い続けていくだろうと思っています。
皮袋入りの金貨を渡されても動じない爺さんは大物だ……(笑)

一番印象に残った台詞は、五月を女装美少年に仕立て上げようと企むクラスメイト、笈也雅の
「本物じゃない女装だからこそ意味があるの! 本物になっちゃったらジャンルが違うほうへ……もがががむぐごごご」
というやつでしょうか(爆)
いやあなんというか……これはどちらの立場で考えたとしても、うん、わかってらっしゃる(^^
posted by nekome at 22:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想・小説・TS

2008年04月08日

『AKUMAで少女〜憑かれてぽよん〜』

もう表紙の時点で素敵すぎですよね(^^
この界隈の人間ならイラストを見れば一発で状況がわかるでしょう。
そうでなくとも、タイトルと豊富な帯情報で即座に傾向が掴め、期待しつつ購入に走れるというものです。
タイトルは編集者の方がつけたんだそうで。売り方わかってるなあHJ文庫編集部……
(的外れな売り方をしてシリーズを早期に死なせる、某レーベルにも見習ってほしいものです)

言うまでもないと思いますが、女の幽霊に憑依されての女体化というのは、かなり前からTS界で見られるパターンのひとつですよね。こういうものを持ってこれるあたり、流石TS好きを自認するわかつきひかるさんだなあ、と思います。
で、内容ですが……
エロっ! えろーいっ!!
カラー口絵に使われてる文章から、既にエロエロです。
いやわかってます。わかってますよちゃんと必ず寸止めになってるって。
でも、他のライトノベルではなかなかここまで書かれませんからねえ……(^^;

読んでいると「このブログも18禁じゃなくていんじゃね?」という気分になってきます<落ち着け

まあ、えろいえろいと言うのはここまでにしておいて。
物語の方は、2巻より綺麗にまとまっていたんじゃないでしょうか。手間をかけた効果はしっかり出ていると思います。
あと細かいところで、そういえばデビルベアって最初から人の心の機微がわかってなかったんだなあ、と納得したり。

もう4巻の発売まで決定しているそうで、今度はどんなシチュエーションで来るのか気になりますね。
肉をしっかり食べて、引き続き頑張っていただきたいところです(^^
posted by nekome at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想・小説・TS
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