2009年08月24日

鏡の中に、新たな身体を待つ者が「零時の鏡」

 名香智子「零時の鏡」

 『Lady's Comic ミステリーJour Special』に掲載されているのを、みのむーさんに教えていただきました。過去作の再掲載だそうですが、実に素晴らしかったのでここで書いておこうかと(^^)

 裕福な家庭で育った少女・葵は、17歳の誕生日に骨董品の大きな鏡をプレゼントされる。
 自室に大きな鏡を置けて喜ぶ葵だったが、何故か午前零時に鏡を覗く度に、鏡の中は奇妙な変化をきたしてゆく。
 そしてある晩、葵は鏡の中に閉じ込められ、それまで鏡に閉じ込められていた何者かが、現実世界の葵の身体を手に入れてしまう。
 
 鏡を使った連鎖的な入れ替わりですね。
 ただしスパンは何十年と非常に長く、元の身体に戻ることもできません。

 さて、面白いのはここからです。
 葵の身体を手に入れたのは、49年前に鏡に閉じ込められた当時89歳だった男性。女になったのを妙な気分と言いつつも、積極的に女としての人生を楽しもうとするのです。
 やってくれますね爺さん!
 ちなみに、その肉体の記憶は残っているらしく、日常生活に支障はないそうです。
 (入れ替わり、或いは憑依相手の記憶が読めるという設定は、商業作品では非常に珍しいはず)

 短編なものですから、終盤の展開まで書いてしまいますね。

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2009年07月10日

「にょたいか!」作者は「隣静」の人ですと……!

 みのむーさんに教えられて、慌てて『電撃大王』8月号を買いに行きましたよ。

 いや、TSモノの「にょたいか!」が掲載されているのは知っていたんですけど、普段『電撃大王』を買っていないうえに当該作品はページ数が少ないと聞いていたものですから、チェックしてなかったんですよね。
 しかし、まさか作者の北欧ゆうさん「隣人は静かに魔法少女」の人だったとは……!

 当時はブログ持ってなかったんで記事はないんですけど、フリーのノベルゲーム「隣人は静かに魔法少女」は大好きな作品でしてねえ。
 小粒なんですけど、ものすっごくツボ。
 30歳の元ヒキコモリが魔法少女に変身して、悪の組織と戦ってるんですが――いかん、これ以上は相当気をつけて喋らないとネタバレになる。
 ともかく、ええと、複数の属性がわたしと重なる人間なら、相当楽しめるはずです。
 「悪の組織の女幹部」ユーマは可愛すぎる……!
 あと、「告白する」選択肢は最後に選ぶのが一番楽しめた、ような記憶があります。1年半前なんでうろ覚えですが。
 なんか間違ってるけど凄く熱い台詞もあったはずなので、今度また確かめてみようかと。
 あーっ! プレイ直後はテンション上がりまくってたんだから、その時の気持ちで紹介記事書きたかったなあ!


 作者が同一人物であると聞かされてから読んでみた「にょたいか!」は、確かに絵柄もノリも「らしい」作品。
 人を(当人も含めて)美少女に変身させる能力を手に入れた主人公が、悪(?)の臭いを嗅ぎつけては他人を美少女に変身させてしまいます。
 オチと「にょたーん」という効果音がナイス(笑)

 
 まさか漫画も商業誌に載るようになってたなんてなあ……。
 くそう、ちゃんと動向チェックしておくべきだったっ。

2009年06月23日

通じ合う者同士の入れ替わり『オレンジ チョコレート』1巻

 山田南平さんの『オレンジ チョコレート』(花とゆめコミックス)の1巻が先週発売。
 ちょっと週末忙しかったので読むのが遅れましたが、これはすぐに感想上げときたかったですね。
 少女漫画家、しかもベテランが描くTSモノということで、安心して読めますよ。

 日舞の家元の跡取で人気女形である姫野律と、ひとつ年下の少女・呼水千尋(ちろ)は隣同士の幼馴染。
 師匠である父と喧嘩して家を飛び出した律と、彼を追いかけたちろは、近所にある御霊稲荷へと向かう。そこは二人が子供の頃、ジャンケンをしながら階段を駆け上がったお稲荷様。
 社の前で「りっちゃんになりたい」と願うちろと、かつて「ちろになりたい」と願った律。その願いは稲荷の狐に聞き届けられ、うたた寝から目覚めた時、二人の体は入れ替わっていた。
 一晩眠ると元に戻っていたが、その後も、二人のどちらかが「相手になりたい」と少しでも思う度に入れ替わりが発生するように。

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2009年05月27日

破壊力抜群の三角関係始動!『世界の果てで愛ましょう』1巻

 電撃マ王の読み切りで好評を博したTSモノが、めでたく連載&単行本化!

 武田すん『世界の果てで愛ましょう』1巻(電撃コミックス)

 気弱な男子高校生・矢野涼馬は、命を狙われて生き埋めになりかけた異世界の王子・エミリオを身を挺してかばう。捨て身の行動に運命を感じたエミリオは涼馬に薬を飲ませて女に変え、妻に娶ると宣言。かくして、平凡な日常を望む涼馬の、普通ではない日常が始まってしまうのでした。

 女体化させられたうえでプロポーズされる、という序盤の展開だけで拍手喝采したくなるのですが、この作品の真価は第3話から。
 口説かれても首を縦に振らず、「おウチに帰りたい」と願う涼馬のため、エミリオは涼馬ともども地球に滞在することを決定。ここで初めて涼馬の家族が登場するのですが――彼(彼女)には、ブラコンの弟・祐二がいることが判明!!
 以前にも増して可愛いオーラを放ち、やわらかそーな身体になって帰ってきた兄貴を前に、弟くんの理性は爆発寸前です(笑)
 当然、女体化後も同じ家で生活しているので、「脱衣所の扉を開けたら兄貴が着替えててドッキリ」なんてイベントも起こります。

 素晴らしいな!

 また、兄への思いを抑えきれず、上手く接することができずに家を飛び出してしまった祐二を涼馬が迎えに来るのですが、その時の涼馬の行動というのが。
 ・手を後ろで組み
 ・少し前屈みになりながら
 ・上目遣いで
 ・「祐くん おウチに帰ろ」

 狙ってんのかオイ。

 い、いや狙ってないのはわかる。わかるんだが……そりゃあ弟くんも大変だよっ! なんて破壊力ですかこの子は。

 そんな具合に、種族や元の性別に加えて、血縁という禁断の要素まで混入された破壊力抜群の三角関係がこの漫画の魅力なのです。2巻以降では王子もさらに掘り下げて描かれることが期待できますし、そうなればもっと面白くなるでしょう。

 兄貴の可愛さに悶える弟くんが、元々涼馬よりずっと体格が大きかったっぽいのもポイント高いですねー。
 いやほら、可愛いじゃない、でっかい子供(男の子)。
 ……ん? それはわたしの趣味でしょうか(^^;

 学校への復帰後も、変身系TSモノの王道を押さえた内容で見逃せません。
 つーか、ここの男子生徒は皆見る目あるな!
 まだまだ続く涼馬の無自覚な行動は、弟君の理性を崩壊寸前に追い込みますし。
 ――って、狙ってんだろこのアマーっ!

 い、いや繰り返しになるが狙ってないのはわかる。自分が女だと言う自覚がない、相手を恋愛可能対象と見ていないがゆえの無防備さこそTSっ娘の大事な魅力のひとつ。しかし、わかってはいても動揺は防げんよ……。ふう、TSっ娘の恐ろしさを改めて思い知りました。

 TSモノの認知度の上昇は勘違いした愚作の発生を招く可能性もありますが、『世界の果てで愛ましょう』は良作の誕生も間違いなく増加していることを確信させる作品です。
 何より、武田すんさんのツボの突きっぷりは半端ではない。
 今後も応援していきますよ!

2009年05月21日

その威力、衰えず「トランス・ヴィーナス」第7話!

 わたし、宇宙的真理に目覚めました。
 この地球は高位の情報知性体ヴァナモンドによって監督されており、ヴァナモンドは女体とエロスの素晴らしさを周知させるべく、一部の人間にメッセージを送っているのです。
 そのメッセージを受け取り、知らぬ間に尖兵として働いているうちの一人が、何を隠そうこのわたしだったのです。

 ――という冗談はさておいて(^^;
 けれど、そんな電波語りをしたくなってしまうぐらいに、『トランス・ヴィーナス』第7話のセルダの台詞は、わたしと完璧にシンクロするものでした。

「せっかくあたしが最高の女の子の身体に仕立ててあげたのに
 その身体を味わおうともしないだなんて罪よ!! 罪!!!」


 まったくもってその通りというか、常日頃わたしが考えていることそのままというか、「お前は俺か」というか――いや、セルダの意思こそがわたしの意思であり、わたしの意思はセルダの意のままで<そろそろ帰ってこい

 はい、落ち着きました。
 いやまったく、連載開始当初からずっと読んできたというのに、まだわたしを動揺させてくれますか、この漫画は。
 ええ、セルダの言動だけじゃありません。そこに繋がる、タケヒロの恥ずかしい姿と台詞の数々も素晴らしいんです。

 引用する前に、改めて断っておきます。
 『月間COMICリュウ』は一般誌です。
 そして、『トランス・ヴィーナス』が掲載されているのは『月間COMICリュウ』です。『ヤングチャンピオン烈』でも『チャンピオンREDいちご』でもありません。
 繰り返します。『月間COMICリュウ』は一般誌です。
 それをよく頭に入れたうえで、以下の台詞を読んでみましょう。

「ちくしょう! ちくしょう! ちくしょう!!
 ちっともかわいくなんかないぞ!!
 元は男だ!! オレなんだからな!!
 自分の胸見て股ぐら濡らしてイッちゃうなんてあり得ねエエ!!
 オレは男だ!! 男なんだ!!!」


 解説の必要すらありません。言葉の通りの出来事が、実際に起こったのです。
 まさに……。
 まさに、TSの理想が形になったかのようだ。

 男を可愛い女の子に変え、女の快感を味わわせ、繰り返し辱め、プライドを、アイデンティティを打ち砕いていく。
 TSモノの究極形のひとつ。それを、ここまで徹底して、一般誌で描ける方がいる。なんたる幸福か。

 
 それなのに。ああそれなのに。
 『月間COMICリュウ』7月号表紙には『トランス・ヴィーナス』の名前もたまきひさおさんの名前もない!
 隔月連載ゆえ、『トランス・ヴィーナス』掲載月が購入月。つまり、『トランス・ヴィーナス』が確実に掲載されているという保証が欲しいというのに! 封がされていて中身が見られないとなると、尚更情報が必要だというのに!
 編集部には、『トランス・ヴィーナス』が購入意欲を煽るものであるという認識がないということかっ!?

 ――だとしたら、その責任は我らにあり。
 まだ買っていない人間は、至急『トランス・ヴィーナス』1巻を購入するのだっ! 『月間COMICリュウ』最新号も買うのだっ!
 この作品の価値を思い知れ。そして知らしめよ。
 わたしという変態一人が薦めているのではない、あむぁいさん真城さんも絶賛しているのだっ!

 この作品を読まずに、今年のTSシーンを語れると思うなかれ。

2009年05月10日

女の子になりたい?『乙女のいろは!』

 東京に遅れること2日。土曜日にはこっちにも入荷しました。
 TSモノに分類すべきなのか、女装モノに分類すべきなのか、非常に迷う漫画です(笑)
 
 未影『乙女のいろは!』(角川コミックス ドラゴンJr.)

 まずは、カバー折り返しの作者コメント
「人間誰しも美少女になりたいものだと思います。そうだよね!」
 に激しく同意。
 そうだよ! 可愛くなって嫌な人間なんていないよ!

 さて本編。
 男勝りにもほどのある姉・いろはと、女々しい弟・ひふみ。
 そんな育ち方をした双子の姉弟に「家系存続の危機!」と焦ったご先祖様たち(故人)が、二人の性別を逆転させてしまいます。
 元々中性的な顔はそのまんまで、女体化&男体化

 まあね! そうした方が上手くいきそうな気がするのはわからなくもないよね!
 いろはなんて、女の子だったのが男の子になったのに、一見その逆みたいに見えますもん!
 そもそも変化前、正真正銘の女だった頃からして、鏡の前でセーラー服を着てニヤケる姿に、「こいつの頭の中はわたしか」と思いましたし(爆)

 いろはとひふみにはそれぞれ、「男度を示す時計」と「女度を示す時計」が用意されており、「男らしい行動」あるいは「女らしい行動」を取る度に針が動きます。
 そして、針が回り切った時には、性別の変化が固定される運命に……?
 というわけで、女の子に戻りたいいろはは、世間的に男と見られている状態で、必死に女らしい行動を取ろうとします。要するに女装します。
 けどゴメン。ゴメンね。
 どうにも、君が元々女だったようには見えないんだ。
 顔は可愛くって、髪は長いままで、言動ががさつなもんだから、むしろ君がTSっ娘みたいに見えるんだ(笑)
 そして、頑張って馴染もうとしているみたいに見えるんだ。
 「女の子になった男の子」はひふみの方なんだけどねえ……(ちなみに、こっちはほぼ無抵抗。平気ではないそうですが)。

 男体化に抵抗するいろはの描写がメインなので、TSの常道からは外れます。
 しかしこれが意外と面白いんですよねえ。
 なんか、TS願望のある(顔は可愛い)少年を見ているみたいで(^^)

 
 まだまだ続けられそうな内容だったのですが、この1巻だけで完結。
 こればっかりは、作者さんの努力だけではどうにもならない部分もあるんで、残念ですが仕方ないですかねえ。

2009年04月21日

男子中学生の性欲そのままに!「ぱにくるイ子さん!」第1話

 以前も『コンビニん』にてTS展開を描かれ、巻末でも「性転換モノ」を「個人的に大好きなジャンルの一つ」と仰っていた和六里ハルさんが、再び『ヤングチャンピオン烈』にてTSモノを連載!
 オアリ文句に「TSパニック変態ラブコメ!!」と書くあたり、流石は秋田書店と言ったところでしょうか(笑)

 「ぱにくるイ子さん!」の主人公は、風田伊三エ門(かぜた・いざえもん)、14歳。
 充実した学生生活を送っていたのですが、ある朝リムジンに轢かれ、気付いた時には、見知らぬ豪華な部屋のベッドの上。隣で寝ているのは見知らぬ裸の女性(巨乳)。
 わけがわからないうえに都合が良い――ということは夢だろうと思って楽しもうとするのですが、そこに来て、自分が女になっていることに気付きます。

 「うわーもー なんだよも――!! Hな夢って絶対うまくいったことねーよも――!!」と悔しがる伊三エ門。
 まあ、わからなくはない!(笑)
 夢って大抵、思うに任せないですからねー。望んでることの直前でおあずけとか、よくあります。
 だからこの光景は微笑ましいし、彼が夢だと思い込んでることもよく表れているし、「夢だから」という理由で女体化を受け入れ、大胆な行動を取らせることへの説得力も与えている。

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2009年04月02日

空模様はTS模様?『あめのちはれ』1巻

 一般向けで魅力的なTS漫画を読みたいのならば、少女漫画のチェックは欠かせません。
 というか、素早く見つけてくれる人がいるおかげで、わたしも楽しませてもらえるのですけど(^^)

 今回は女性向けもいいとこ、『B's-LOG』で連載されていた作品のお話です。

 びっけ『あめのちはれ』1巻(ビーズログコミックス)

 男子校と女子高に分かれ、隣り合ってはいるものの容易に行き来できない雨谷学園。
 その男子校高等部に通うことになった、山野井葉月、左近司円、五郎丸淳太、真城悠介、如月冬馬の5人。
 入学式があった日の午後、校舎で雨宿りをしていた5人は、激しい雷の直後に身体が女の子になってしまいます。

 つまり、まさかのTS群像劇が開始!
 なんという大盤振る舞い(^^)

 しっかり女の子の体型・体格になるものの、容姿の変化は控えめで、わずかに目元や顔の輪郭、髪の長さなどが変わる程度です。
 (真城だけはかなりのロングヘアーになりますが)
 これがまた絶妙な変化で、本人の面影を残しつつも、充分に可愛く変化しているのですよ。

 一晩寝たら男に戻っていたもので、ほっとしたのもつかの間。2日後に降り出した雨の中、再び5人とも女体化してしまいます。
 幾度かの女体化を経験してわかった法則は。

その1*1時間以内にやむような軽い雨であれば女子化はしない
その2*従って 女子化するときは
    雨が降り始めてから1時間後くらいだが数分の個人差あり
その3*女子化は雨がやんでから約12時間後には解ける
    これも数分の個人差あり

(単行本74ページより引用)


 ――というわけで、天気という、人にはどうにもならない要素に左右されて男の子と女の子を行ったり来たりする、当事者は実に大変そうな不随意可逆変身系のお話であります。
 

 5人もの人間がTSしているということで、色んな状況における対応も、五者五様のものを見られるのが面白いですね。
 例えば、初の女体化直後。「このままでは、女子が男子制服を着て男子校に忍び込んでいると思い込まれて、問題になるかもしれない」と思った彼らは、人に見つからないように校舎裏の林へと逃げ込もうとします。しかしそこでバッタリ学園の職員らしき男性に遭遇。
 その時に彼ら(この時点では4人)の頭をよぎったことは――

円 (まままままずいまずい 校務員の人かな!)
葉月(すみません雨谷にいるカレシに会いにきちゃいましたー(ハート)って無理があるよなぁぁ!)
冬馬(やっべ これどう見ても胸あるように見えるよな 女装って言ってごまかせるかな)
淳太(おにぎりおいしそう……!!)
(単行本49ページより)


 1人欠食児童が混ざっていますが、それは置いといて(笑)
 このコマはすっごく好きですねえ。皆のそれぞれバラバラな焦りっぷりを一度に見ることができて。
 他にも、初めて女子制服を着て外に出た時の言動とか。びくびくしながらの下着購入とか。見所は満載です。ああ、女の子の身体でお風呂に入るか否か、という会話も面白かったですねえ。
 「楽しんじゃえばいいのに」という子もいれば、「着替えるだけでイッパイイッパイ」という子もいる。
 女の子の身体に興味がないわけもないでしょうが、自分の身体が女に変化したものとなれば、入れ替わりなどで他人の身体を得た場合よりも、恥ずかしさを強く感じるかもしれませんね。平然と凝視できるほどの免疫もないわけですな。初心ですねえ。
 
 さて、何しろ雨がスイッチですから、彼らは頻繁に身体が変化してしまいます。となると、普通に男子校で授業を受け続けることができません。
 そこで、理解のある一部職員の力を借りて、女の子になっている間は隣の女子高で授業を受けさせてもらうことになります。
 ……まあこの辺りは、流石に無理があるんじゃないかとかツッコむことは可能ではあるのですが――それは無粋というものでしょう。
 そんなことより、この不安定に揺れ動く身体を抱えて他人と交流していく彼らが、どんな経験をすることになるのか。それを楽しみにしたいところです。



 ところで、5人の中では葉月が一番好みの容姿をしているのですが(男の時も女の時も)……珍しい名前ではないとはいえ、ちょっとくすぐったいです(^^;
 (まあ、「電脳コイル」で猫目が登場した時のくすぐったさはこんなものではなかった)
 しかしそれを言ったら、真城悠(ましろゆう)さんはもっと落ち着かないんじゃないかと思いますけれどね(笑) 読みこそ「まきゆうすけ」とはいえ、3文字も重なるなんて。

2009年03月20日

『トランス・ヴィーナス』1巻発売っ!

  ついに出たっ!

 たまきひさお『トランス・ヴィーナス』1巻(リュウコミックス)

 ここ最近の一般向けTS系漫画の中ではイチオシですっ!!
 過去記事はこことかそことか。

 男子高校生・須藤タケヒロは、「愛と豊穣の女神」を自称する統合情報生命体・セルダに取り憑かれ、彼女の姿に変身させられたり、タケヒロ自身をベースにした少女に変身させられたりして、情報寄生体と戦います。
 あとここが重要なんですが、戦闘の過程とか、それとは全然関係ないとことかで、えっちぃ目に遭いまくります。勿論女の状態で。
 一般誌で、TSっ娘がここまで「感じてる」顔を晒してる(第2話参照)漫画が、他にあるだろうか?

 女の子になった男の子がエッチな目に遭うのを見るのが好きな人とか、女の子になってエッチな目に遭わされたい人にオススメ。
 (追記)
 書き忘れてましたが、変身前の「男度」が容姿・性格ともに高めというのも重要な特徴。変身後も人格や言動に変容はなく、快楽を認めつつもはっきり抵抗していますしね。実に堕としがいがあります(爆)

 あと、何が凄いって台詞が凄いです。たまき先生トばしすぎです。
 とても一般誌とは思えねえー。
 絵柄はいかにもコミックリュウなレトロな感じ(それがまた良い)なのに、喋ってる内容はどこの秋田書店だって感じです(爆)
 以下にちょっと引用しますが――いいか? 引用だぞっ。わたしの創作は一切入ってないぞっ?
 ただし多少ネタバレ要素は入るぞっ。

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2009年03月10日

皆で幸せになろうよ『僕と彼女の×××』6巻

 ここ最近のTS漫画の中では、圧倒的な入荷量を誇りますね!

 森永あい『僕と彼女の×××』6巻(ブレイドコミックス)

 にっ…………!
 ニヤニヤが止まらねえーーーーっ!!!!

 ああもう、女の子になったうえで親友の男の子にほだされてる子ってのは、なんでこんなに可愛いんだっ?!
 今更だけど!
 でも本当に、改めてそう思わずにはいられないです、この巻の前半。
 いつもは素直になれず、千本木を拒絶するようなことを言ってるのに、いざ他の子に取られそうな気がすると、とっさに「僕のもの」宣言してしまうあたりなんか、もー! もー!<日本語を話せ
 
 そして、あきらの身体の菜々子を脅し、かつ思考を誘導しようとする千本木ナイス。
 そうだよね、事情を知ってるこいつなら使える手だよね。
 ……これぐらいの黒さを持った彼氏ってのも、いいなあ(爆)

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2009年02月28日

退屈の暇なし『純★愛センセーション』2巻

 全年齢向けの憑依モノって、実は少女漫画との相性がかなり良いのですよね。

 おおばやしみゆき『純★愛センセーション』2巻(ちゅちゅコミックス)

 親友の賀正をかばって死んでしまった男子高校生・木村純一は、自殺寸前の少女・福永愛を止めようとした拍子に、彼女に乗り移ってしまいます。
 賀正に対して友情以上の感情を抱いていた純一は、女の身体を手に入れたことを幸いと、賀正の彼女を目指そうとします。
 しかし、愛の意識は消えたわけではなく、あくまで彼女の意識が弱っている時だけ純一に主導権があるという状態。
 愛に自分の存在を隠しつつ、いじめられていた彼女をフォローし、かつ賀正に近づこうとする純一ですが……

 というのがこれまでのお話。
 2巻もかなり面白かったので、引き続きオススメですよっ。

 以下、2巻ネタバレあり。

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2009年02月27日

異世界ゆったりTS『月夜のフロマージュ』1巻

 異世界転移と同時のTS。それはおそらく、数あるTSの中でも最も女の子ライフを満喫しやすいものなんじゃないでしょうか。

 てぃんくる『月夜のフロマージュ』1巻(角川コミックス・エース)
 
 掲載誌を読んでいなかったので、単行本化でようやく中身を知ることができました〜。
 「異世界に飛ばされた主人公が目覚めると、女の子になっていた」話らしいという知識しかなかったのですが――
 実際に読んでみると、もう少しややこしい現象だったらしく、「主人公・柊自由(みう)がギャルゲーのヒロインとデートする夢を見ていたら、白バク(という種族。外見は人間)の少女に夢を食べられてしまい、彼女の住む世界に連れ込まれてしまう。その世界で目覚めると、夢に見ていたヒロインの姿になっていた」というものでした。
 おいおいおいおいおいおいおいおい。
 なんだその愉快なスタートラインは(笑)
 異世界転移+TSというタイプの物語は少数ながらも存在するので、喜びはしても驚きはしないのですが、主人公がギャルゲーのヒロインの姿になっているなんてことは予想だにしませんでしたよ。
 ちなみに、服装までそのヒロインのものを模しているらしく、セーラー服標準装備です。
 OK。ツッコまないでおくかわりに交代してくれ。

 そうそう服装といえば。
 第2話の初外出時には、世話になっている(というか、主人公がその世界に来た元凶の)少女・めありの服を借りているのですが、主人公は風に揺れるスカートを恥ずかしがります。
 そんな彼にめありが放ったのが、この台詞。
「何言ってるの! 今オシャレしなくていつするのよ!
 後になってもっと好きな服を着てれば良かったって思っても遅いんだから!
 花の命は短いの 良い!?」


 アンタは実に良いことを言った。
 そうよその通り。いつまでも美少女でいられると思うな! というか、いつまでも美少女でいられたら呪うわ! わたしが。
 TSっ娘は貴重なチャンスを存分に満喫すべし。そしてせいぜい恥らうがいい!

 服装以外にも、初トイレとか初お風呂とか水着選びとか、元男の子がどぎまぎするシチュエーションがちょくちょく出てくるのはポイント高いですね。
 そうなんですよ。本人の意識が「女」じゃないんなら、女の身体での初トイレや初お風呂は無視できないイベントなはずなのですよ。そこにちょっとでも言及してるかどうかで、評価は大きく変わるもんです。長期間女の身体で、初トイレイベントが確実に存在したはずなのに書かれていない、なんて作品は勿体無いというか不自然ですぞ!
 (全年齢対象作品の場合ね。エロだと、たとえ長編でもそれどころじゃないから)

 あと、夢の中限定なのですが、美少女姿のままでギャルゲーやらフィギュアやらを買い漁っている絵があるのは嬉しいですね。
 こういった、外見とのギャップ、「中身は変わってない」感はTSの重要なツボです!

 
 全体的に緩い雰囲気の作品なので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。
 わたしとしても、めありたちの住む世界やら学校やらの設定が気になってしょうがないのですが……
 その辺はツッコまずに、女の子分の高い、可愛く甘い世界にゆったり浸るのが、あるべき読み方なんじゃなのかもしれませんね。
 上に書いたように結構ツボも押さえてありますんで、絵柄が好みなら、買って損はないと思います。

2008年12月21日

『アンダー・スカート・ガール』

 仕事がキツくて、全然記事書けなーいっ!
 色々書いときたいことあるのにぃ。あとコミケまでに読んでおきたい本もたくさんあるのに(汗)

 さて、「TSF好きの憩いの場」にて憑依好きな方たちが話題に上げてましたので、買ってみましたチャンピオンRED2月号。
 一番後ろに掲載されている読み切り作品、『アンダー・スカート・ガール』がモロにわたしのツボを突いてます(^^

 高校薙刀部の女子更衣室に宇宙船が落下。
 重傷を負った女子高生の肉体に、触手型(ナメクジ型?)の異星人が融合。その身体を支配下においてしまいます。
 融合されたのは二人でして、それぞれ袴やらスカートやらの下で何本もの触手がうねっている状態――って、どこの18禁MC系サイトの寄生操り小説ですかっ!!
 まさか一般誌でこんな凄い絵面を目にするとは思いませんでしたよ(^^;
 秋田書店の核実験場、チャンピオンREDを一般誌と呼ぶべきかどうかは置いておいて。

 主人公の方の女子高生は意識がある状態でして、精神同居モノとして読むこともできますね。
 しかも、エネルギー補給のために、身体を無理矢理動かされて、男を襲ってしまい……。

 触手を生やした女の子が大好きなわたしにとっては、好みにどストライクな作品でした。
 これ、連載してくれないかなあ……。

2008年11月21日

『トランス・ヴィーナス』四回目!

 二ヶ月は長かったです、先生!
 『月間コミック リュウ』1月号の発売、待ち遠しかった……。
 基本的に漫画雑誌はほとんど買わない、単行本派なわたしなんですけど、隔月連載の『トランス・ヴィーナス』単行本となると待ち遠しいどころではなくなってしまうので、今月号もつい買ってしまいました。
 立ち読みだけじゃなくて、何度もじっくり読みたいんですよ、この作品は〜(^^

 さて連載第四回の『トランス・ヴィーナス』、今回の舞台はニューヨーク――って、なんだ見開き扉絵のカーマスートラ&バイブ持った自由の女神モドキはっ!(笑)
 相変わらずストレートにエロいこの方は、そういえば自称女神でしたっけ。

 ニューヨークに飛ばされた理由は思いっきり時事ネタで、「ウォール街に取り憑いた情報寄生体をなんとかしないと、米国がさらにヤバいことになって世界大戦かもよ」というもの。
 そして問答無用で女に変身させられるタケヒロですが……この漫画の変身シーンもなかなかエロいなあ。間違いなく感じちゃってるし。
 (マジョーリアンの変身シーンなんかはもっと凄かったわけなんですが)
 しかし本当に重要なのは――
 たまきひさおさんの描くTSっ娘の半泣き顔は猛烈に可愛いということです!!
 前回の扉絵なんかも素晴らしかったですもん。
 きっと今後もたくさん拝ませてくれるのでしょう。ありがたや。

 んで、変身して何と戦わせられるのかと思いきや。

  「赤いチ○ポか青いチ○ポ どっちか選んで抜いてちょうだい」
  「上のクチでも下のクチでもどっちでもいいから」


 またどストレートにエロ方面だなオイ!(笑)
 当然タケヒロは嫌がるわけですが、最後にセルダがとんでもない爆弾指摘を……。
 一般誌のTSっ娘相手に、ここまではっきりさせちゃうのは凄いなあ。
 タケヒロも順調に堕ちているようで。深遠の底でじっくり待ち受けさせてもらいましょうか(^^


 ちなみに、リュウの他の連載作品では『ねこむすめ道草日記』がかなり好きだったりします。
 蜘蛛萌えなわたしとしては、女郎と是非ともお友達になりたいところですね。
 ちゃんと本来の姿と会いたいのよ? 抱きつきたいの!

2008年10月21日

『ミカるんXA』

 高遠るい『ミカるんX(クロス)A』(チャンピオンREDコミックス)

 女子高生の皮を被った宇宙人、ペソマルク星人は今日も元気でした(笑)
 なんかどんどん可愛く見えてくるんですよね。あの小物っぷりといい、馴れ合いっぷりといい、中途半端な戦闘力といい。
 一応、現地球人類よりは遥かに強力な存在なんですけどねえ……。

 今回、思わぬタイミングで登場を果たしたとある超銀河霊長(ソウルボイジャー)も、やはり擬態時は何故か美少女の姿。ヴィジュアルだけなら、今までで一番好みかも。
 本性は男性人格に見えるのに……見えるのに……くそう、本当はどっちなんだあ!
 こだわるべきポイントじゃないということかっ!?
 (人型が本来の姿、という可能性もあるか……)

 アメリカを征服し、バケーネ公国を建国したナーゴヤン星人も登場。
 外見は猫耳尻尾肉球で小柄な美少女。こってこての名古屋弁を話し、怪獣が襲ってきた時にも「うろたえるでにゃあ、皆の衆!」と言って、自ら前線に立って戦ってくれます。
 ……征服されてもよくない?(爆)
 そういえば、ナーゴヤン星人だけは巨大化しても姿が変わらないんですよね。え、じゃあ彼女だけは元々あの姿なんだ?

 この2巻では一気に新たな情報が明かされて、驚く一方、さらに謎も深まっていますね。
 うん、これは凄く面白いですわ。
 航海者は、ある種のオーバーマインドのようなものか……。
 これまでとは質の異なる航海者も現れていますし、今後の展開が気になってしょうがないっ。

 あと、二ノ瀬さんのファンとしては、「そんな触手、ただのぬるぬるしたヒモだッ」には反応せずにはいられない(笑)

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2008年10月19日

『邪魂狩り』

 野々村秀樹・宮塢さなえ『邪魂狩り』(少年マガジン・コミックス)

 完結したのが1995年なんで、この記事に情報としての価値はあまりないでしょうな〜。
 当然、古本でしか手に入りません。
 しかし、これは記録せざるを得ない……!

 とっくの昔に情報が出回っていたこの漫画を、今更手に取った切っ掛けは「いけさんフロムFR」の性転換コミック特集。そのCASE−649で紹介されていたイラストが、思いっきりツボに来たのです(^^

 リンク先にも書かれていますが、4巻(第7話)に登場する少女、藤岡このみが、事故死した3人の囚人の霊に憑依されます。
 (以降、さらなるネタバレ有り)

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2008年09月24日

『VITAセクスアリス』1巻

 『チャンピオンREDいちご』で連載中の『VITAセクスアリス』。
 原作が樋口達人さん+吉野弘幸さんで、漫画が佐藤健悦さん。漫画版『舞乙-HiME』のトリオですね。
 つまりはそういうことです。
 あんな感じで、そんな感じです。あと、メカデザイン&キャラクター原案は駒都えーじさんです。説明終わり。

 ――って、そういうわけにもいきませんよね。
 でも、上の名前を見てピンと来た人には、それで充分だと思うのですよっ!(爆)
 いつも通りなネーミングの装備と、セクシーなシーンが頻繁に出てくるわけです。

 ナノマシン災禍によって出現した、遺伝子変異による災害生物「エラーズ」。
 これと戦うのが、可変装着式戦術外殻VITAをまとった女子中学生たち。
 TS的なポイントは、VITA起動時に主人公の深鏡志桜も「合体」しているという所ですね。志桜の身体は一度分解され、精神が少女の中に同居する形となり、オペレーターの役割をこなすのです。
 精神同居といっても、あくまでサポート的な立場であり、身体の主導権を握るような事態にはなりません。
 んがっ! 肉体感覚は完全に同調しており、少女が見たものを見、触れたものを感じることができます。胸の感触が伝わってしまうアクシデントも頻繁に(^^
 しかも、志桜が興奮すれば、合体している少女もドキドキしてしまうのです。主人公が純情じゃなかったらエライことになってしまいそうですね(笑)

 装備の露出度がやたら高いとはいえ、基本的には戦闘時のみの合体。それだけじゃあ物足りない――という人もご安心を。
 トラブルによって、非変身時の神楽珠輝(巨乳黒髪ロングな生徒会長)と同化してしまうエピソードもあるのです。
 その状態でお風呂やトイレにも。描かれなかった残り二日間も見たかったもんです。
 こういったトラブル回を、是非また入れて欲しいものですねえ(^^

2008年09月22日

『トランス・ヴィーナス』は我が同士?!

 『コミックリュウ』にてめでたく読み切り→隔月連載が決まった、たまきひさおさんの『トランス・ヴィーナス』。
 これがもう、あまりに自分と波長が合いすぎて大好きです。

 特に、快楽原理主義者の自分にとっては、セルダの思考や言動は他人とは思えません。頭ん中が誌上で勝手に具現化されてるような気分です(笑)
 ああもう、タケヒロじゃなくてわたしに取り憑いてくれれば、プライベートでも全面的に協力するのに。
 まあTSキャラは嫌がってるうちが華でもあるんですけどね(^^;

 さて、解説……をしようにも、手元に連載一回目がないので正確な情報が用意できません。記憶頼りで書きますと……
 主人公の男子高校生・タケヒロは、高位の情報生命体で自称女神・セルダに乗り移られ、彼女の姿に変身させられてしまいます。途中から肉体の主導権も奪われてしまうので、意思に反してトンデモナイことに(^^;
 さらに、第二回以降では、自分の姿をベースに女体化させられてしまいます。セルダの姿がかなり派手めな金髪巨乳美女なのに対して、こちらはちょい控えめ(それでも巨乳)な黒髪美少女になってますね。
 しかも、そちらの姿でもエッチな目に遭遇することに……。

 おそらくちょっと古めの絵柄に分類されるんでしょうけど、この絵で描かれるえっちぃシチュエーションがたまらないのですよ。
 とろんとしててむわんとしてて。
 敵の性質上、大勢の女の子が操られて発情しちゃってるのもポイント高し。わたしが読みたい要素が溢れるほど詰まってますね。
 単行本が出たら即買いですっ。

2008年09月15日

『純★愛センセーション』1巻

 おおばやしみゆき『純★愛センセーション』1巻(ちゅちゅコミックス)

 親友の賀正に夢中な男子高校生、純一。
 ある日、純一は賀正をかばって事故に遭い、死んでしまいます。
 幽霊となって彷徨っていた純一は、自殺しようとしていた女子高生、愛を助けようとした拍子に彼女に憑依。女の子の体を手に入れたことで「賀正の運命の女になってやる!」と意気込むのですが……。

 予想以上に面白かったですね!
 レーベルからわかると思いますけど、絵柄はいかにも低年齢層向けの少女漫画といった風なので、抵抗を感じる人もいるかもしれません。が、それを押してでも読む価値アリ。
 
 主人公が最初から親友に対してラブラブ(友情はともかく、愛情としては片思い)なので、女の子になってからの心情の変化がみたいんだけどな〜、なんて思いつつ買ったのですが……すぐに気にならなくなりましたね。
 第1話における、生前の純一の描写が充実しているのですよ。賀正とふざけ合いながら過ごす日常、賀正への想いがたっぷりと、かつ丁寧に描かれているため、「木村純一」というキャラクターを受け入れ易いのですね。この主人公の未来を見てみたくなります。

 そして、「体を乗っ取った!」と浮かれていた純一ですが、すぐに賀正へアタック開始!などという単純な話にはなりません。
 愛の意識も存在しているため、精神同居のような状態になっているのです。
 純一が主導権を握っている間のことは、愛の記憶には残りません。ただし、乗っ取れるのは愛の意識がない時、あるいは弱っている時のみ。
 愛の意識がしっかりしている間は、感覚や感情は純一に伝わっているようですが、体を動かすことはできません。心の声を届けるだけなら可能ですが、黙っていれば存在にすら気付かれません。

 この制約が思わぬ展開を呼んだりして、実に退屈せずに楽しめるのです(^^
 愛の周辺の人間との関わりも重視されていますし、じっくり時間をかけて描いてくれそうな予感……!
 今後への期待も大きいですね!


 ……それにしても、近所に1〜3冊しか入荷しないようなマイナー漫画を買い漁っている身としては、このレーベルの入荷数には軽く凹みます。いいなあ、塔になってて。

2008年09月07日

『ミカるんX』1巻

 高遠るい『ミカるんX(クロス)』(チャンピオンREDコミックス)

 これをTS漫画にカテゴライズすべきかというと、ちょっとそれは違うだろなあとはわたしも思います。
 けどっ、非常にそそるものがあるのも事実なので、ここで記事にしてしまいましょうっ。

 舞台は黎明10年。異星人の侵攻によって大打撃を受け、日本国の手を離れた東京市。
 異星人というのは、ウルトラマンに出てくるような怪獣だと思っていれば良いでしょう。
 繰り返し東京市に侵攻してくる彼ら「超銀河霊長(ソウルボイジャー)」ですが、何故かその大半が女子高生に擬態しています。
 彼らに性別があるのかどうかはわかりませんが……
 身体の一部だけを本来の姿に戻したり、稲光の瞬間だけ本性がシルエットで映る描写にはそそられるんですよ(^^

 そして、擬態の方法が一番はっきりしていて、本来の姿と女子高生姿の両方を頻繁に晒しているのが、詐欺師宇宙人ペソマルク星人。
 皮を被って少女に擬態しており、着脱シーンも出てきますっ!
 普段は「臍矢円弧(へそやまるこ)」を名乗っているのですが、最新号の連載では、主役の一人「鯨岡ミカ」の皮も被っていました。
 細身な少女姿の皮に、明らかにもっと体積の大きい身体が収まってしまうのもお約束ですかね。ベタな皮描写万歳っ。
 というか、むしろ本来の姿の方がスーツみたいだよっ(笑)
 
 ところで、このペソマルク星人って、パッと見男性人格っぽいんですよねえ。外見にしても。
 それなのに、女風呂にいても女子寮にいても、なんら責められないのは何故だ〜っ?
 (正体はバラし済み)
 本人に異性の概念がないのはいいとしても、気にならないのか、主人公の少女たちはっ!

 まあ、おかげで奇妙な光景が見られて愉快ではあるんですけどね(^^
 TSの確証はなくとも、大いに妄想の種にはなるのでした。


 ちなみにこの漫画、本来のウリは「魔法のブレスレット略してマブさん」で合体&巨大化した美少女が全裸で戦うところです。特撮とアニメを混ぜたような演出が面白いんだ、これが。
 日本海フォームの登場には笑いつつ燃えました。
 ただし、基本的に馬鹿なノリが多い一方、かなり容赦なく人死にが出るので、気楽に笑いたいだけの人は注意が必要かもしれません。
 ……チャンピオンREDに手を出してる時点で、大丈夫だろうとは思いますけど(^^;
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