2010年06月01日

最高に幸せなエンド『純★愛センセーション』5巻

 ついにハッピーエンドっ!!

 おおばやしみゆき『純★愛センセーション』5巻(ちゅちゅコミックス)

 掲載誌の休刊が決まった時には心配になったものですが、これは素晴らしい出来!
 分量的に苦しいところもあったでしょうに、よくまとめてくれました。
 「このラストは間違いなく気持ちイイッ!!」という帯の文句に偽りなしです!


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2010年05月17日

このTS趣味野郎!と罵られろ「妄想奇行」第2話

 たまには更新しないとGoogle先生他色んなところに見捨てられそうです(爆)

 というわけで時期遅れ気味の話題で簡易更新。
 まあでも、『電撃大王GENESIS』は季刊なんでまだ余裕で春号手に入ると思うのですよ。

 森山大輔「妄想奇行〜Adolescence Avatar〜」第2話(『電撃大王GENESIS 2010 SPRING』に掲載)

 主人公の男子高校生・矢崎有理は厨二妄想具現化能力者、略して厨能力者として目覚める。
 自分の妄想(こっそり書いてたラノベ)具現化により現れた怪物を倒すには、設定に沿って戦うことが必要。ということで、小説の主人公たるロリな魔法少女に変身し、キャラに成り切って戦うハメになってしまいます

 やっぱり男の子を女の子に変えて辱めるのは最高ですね!

 これ、普通の女の子を無理矢理魔法少女に変えたところで、たいして面白くないと思うのですよ。そりゃ多少は恥ずかしがってくれるでしょうが、元男の子の恥じらいはその比ではあるまい!


 ……というところまでが1話目でして、それだけでも充分楽しめたんですが、2話目でさらに飛ばしてきました。
 
 厨能力者の先輩たる桜美雪見に「ヤアヤア魔女っ娘クン!」とからかわれた有理は「やめろ! TS願望はねーよ!」と反応。
 おおう、TS属性をからかいの対象にできる時代がくるとは……。
 欄外には「TS=トランスセクシャル・性転換」の注釈つきで一般読者の教育も行われています。

 しかも誤解から他の厨能力者に攻撃されてしまい、目の前で魔法少女に変身してしまった有理に掛けられた言葉は――

「ロリコンど変態のTS趣味の萌え萌えキモオタとはなァ!!」

 凄い台詞来たーーーーっ!
 敢えて言わせてもらうが、こんな時代を待っていた!

 「このロリコンどもめ!」というような調子で、「このTS趣味野郎め!」と罵られる、からかわれる。
 そういう状況にTSファンはもっと慣れるべきだと思ってたんですよ。
 「わたしたちは変態じゃない」
 「本当に自分が女になりたいわけじゃない」
 「あくまで物語・フィクションの中のファンタジーな性転換が好きなだけ」
 そう必死に主張したって、絶対限界はあります。
 該当作が増え、一見受け入れられてきたように思えても、「まったく理解できない」という人は大勢いる。
 まあ「本当に女になりたいわけじゃない」人は相当数いると思うんで、そこを主張するぶんには結構なんですが……「俺たちは正常だ。変態扱いするな!」なんて言っていると、どっかで痛い目見ますよという話。
 
 自虐的になれということではなくて、「外側からどう見られているか」を自覚したうえで楽しめれば、「そうだよTS属性持ちだよ変態だよ!」と笑ってしまえれば良いと思うんですよ。

 ……あれ? なんか語り入ってる。簡易更新じゃなかったのか(汗)

 まあともかく、TS妄想を楽しみつつからかい笑う、「妄想奇行」は時代に合った面白い作品だと思うのです。
 ぶっちゃけこれのために『電撃大王GENESIS』買ってますね!


 ところで今回、桜美先輩に「部屋で一人でお楽しんでたんじゃないの〜?」とからかわれるシーンで、「女の子に変身できたらやりそうなエッチなこと」の想像が色々描かれてて実に良いサービスだったわけですが……。
 能力の根源らしき「桜の樹」からの距離の関係で、自宅では変身できないようです。残念!
 まあ、プライベートな空間で変身できると、すぐ折れちゃいますもんね。<それは作品が違う

2010年03月31日

期待の精神同居モノ!『うららちゃんのナカの人』

 わたしはYMR経由で知ったんですけど、昨夜はtwitter上でも一気に話題が広まっていましたね!

 真田 鈴『うららちゃんのナカの人』(WEBコミックハイ!)

 コミックハイ!のWEBコミックにて連載が開始されました。
 あらすじは公式サイトから引用させていただきます。

 「普通」ということに憧れを抱く女子高生の麗。しかし、マッドな科学者の母と姉の実験により隣に住む幼馴染みで同人作家の貴春と融合して、彼女の日々は一気に「異常」に!?

 これは良い精神同居モノですよ!
 麗の身体に貴春の精神が入っちゃってるんですが、彼が自由に身体を動かせるのは麗が寝ている時だけ。麗が起きている間は支配権を失いますが、意識は起きてるので頭の中で会話は可能ですし、おそらく五感も共有してます。
 最初に目覚めたシーンでは貴春しか起きてなくて、しかも全裸なので実に良い反応が見られます!
 この画力・絵柄で精神同居系の憑依TSモノというのは非常に嬉しいですね。適度にエロいのです。
 
 これだ……。昨今のTSシーンに足りなかったもの、それはこういった全年齢向けの憑依系エロコメですよ!
 身近な可愛い女の子の身体を自由に動かせる、裸も勝手に見られるし触ることだってできる! その興奮を全国の青少年に是非教えていただきたい!
 
 TSとエロスの組み合わせという点では、『トランス・ヴィーナス』が一般誌でありながら究極の深みにまで辿り着きました。
 しかしあまりにも濃い。主人公・タケヒロの身に起こったことを我が身に置き換えて興奮できるのは、とっくの昔に脳が染まりきってる人間ぐらいでしょう。わたしとかな。
 教化に使うには劇薬すぎるのです。

 また変身系によくある、TSっ娘をヒロインの一種として描いている作品では、読者をこっち側に引きずり込むにはまだ足りない。
 他人事ではなく、自分事としてTSを想像させる必要がある。
 
 エロさを適量に抑えつつ、男性的な思考・嗜好の持ち主にも、TSを我がこととして想像させ楽しませる。
 これに適任なのが、憑依系のエロコメなのですよ。
 にもかかわらず、滅多に出てきませんからさそういう作品! 変身系は充実しているのに……!

 そんな中登場した『うららちゃんのナカの人』は、憑依系TSの興奮・メリットを伝えるのにもってこいの作品となる可能性を感じさせました。
 これを応援しないわけにはいきませんよ!

 今から単行本化が楽しみでなりません。
 奇数月更新とのことですが、作者さんの生産力的に可能なら、是非月刊ペースにもっていっていただきたい……!

2010年03月22日

キャッチフレーズに恵まれた『少年式少女』1巻発売!

 いよいよ『少年式少女』1巻の発売日が目前に迫ってまいりました。
 しかし単行本入手後に感想記事を書くにしても、追加要素がない限りは既読分のおさらいになるわけで、あまり気の利いたことは書けないかもしれません。
 ならいっそ、発売直前に(直前過ぎますが)応援記事を書いておくのはどうかと思いました。

 ――が、悔しいことに、わたしの頭から捻り出した言葉よりも、『アフタヌーン』誌上に載っているアオリの方がずっと目を引くんですよね。
 というか、これ雑誌で読んでない人にも見せないと勿体無いよ!というわけで、実際に使われているアオリを宣伝することで単行本の宣伝に繋げようと思います。

 その前に過去記事へのリンクを。
 あらすじ等はこちらでご確認ください。

 3年間、大事な少女の体で生きろ「少年式少女」第1話

 向き合うのは、誰の不在か『少年式少女』第4話

 
 さて本命なのですが、残念なことに、第1話と第2話の掲載号が手元に残っていませんでした。
 おそらく、最初に発表されたキャッチフレーズは「男女心身右往左往冒険漫画」だったと思います。
 まあこの文句は普通な方で、TS好きな人間の関心を引く効果がある程度かもしれません。
 しかし本領発揮はこの後からなのですよ。扉絵に書かれているアオリを並べてみますね。

第3話「今、ここにいる」
君は君だった頃、どう動かしていたっけ。

第4話「答えなし」
あいつがいないことに、誰も気付かない。
おれがいることは、誰も考えやしない――


第5話「泣く子も黙る家庭訪問」
3年間、全力でシキのふりを――。
わかってたことだけど。
ほんとに誰も気付かない。
「おれ」はもうすぐ、決壊する。


第6話「視界不良なぼくら」
みんながみんな信じてる。
「生まれ変わり」なんて
あるわけない、と。

第7話「女子のみち」
おれは彼女として生きていく。
やってける自信はないけれど、
すべては3年後のため――


 過去記事にも書いていますが、第3話と第4話のアオリが特に素晴らしいですね!
 自分の肉体は死んで、大切な少女の魂はあの世へ向かって、その少女を黄泉返らせるまで、彼女の肉体で生きていかなければならない。
 この特異な状況におかれた少年・タケルの苦悩と、磨り減っていく彼の精神が見事に表れています。

 雑誌の欄外(上部)に載っているフレーズも見逃せません。

生者は他人の死に順応する、らしい。じゃあ、おれは何に順応する?

このカラダは大事な少女!

死んでおれは何を残せる?

ヒロイズムって何だ?

女子な「おれ」の成長物語

ほんとの自分は、もういない。

おれは、おれの、はずだ。


 さらに、1巻発売告知で使われていた言葉がこちら。

「命がけ」ではない。
「命とひきかえ」――。
そんな「絆」の物語。

 はい、もう、わたしの仕事ありませんね!
 あまりにも的確すぎる宣伝文句に脱帽の連続です。うちの記事タイトルも、わたしが下手に頭使うより、コレそのまま使った方が良いんじゃないかって思っちゃうぐらいですよ……。
 全部担当さんが考えてるんだとしたら、そのセンスにちょっと嫉妬してしまいます。


 他人の宣伝文句を褒めるという、ちょっとアレな応援記事となりましたが、これをもって単行本1巻の宣伝とさせていただきます。

 徹底的に「死」に向き合う稀少な憑依系TS漫画、『少年式少女』にどうぞご注目ください。

2010年03月10日

これが最後の一押しになるのか『僕と彼女の×××』7巻

 ちょ、やっぱりまだ終わらないじゃん!
 折込チラシにまで「今度こそ、最終巻…か?」と書かれちゃってるし(汗)

 森永あい『僕と彼女の×××』7巻(ブレイドコミックスアヴァルス)

 おじいさんに圧力をかけ、「入れ替えクン」の修理をさせる桃井父。
 今度こそ元の身体に戻れる!と喜ぶあきらだが、菜々子の身体に入ったあきらの「理想の娘」っぷりと、あきらの身体に馴染んでいる菜々子の様子に、父の気持ちは揺らぐ。
 そして、当のあきら自身も……。


 装置が直ったことを察知した千本木があきらに迫るんですけど、この子はホント攻め攻めで良いですよねえ。
「絶対行かせない」
 って真剣な顔で言ってキスしてくるんですよ。
 もうたまりませんね。落ちるだろ。これは普通落ちるだろう。
 あー、くそう、千本木彼氏にしたい……。

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2010年02月24日

男の姿でときめきます『男子ingガール!』

 発売日に買って読んでいたのに、回線不具合のせいで掲載がすっかり遅く……。

  岡田ハルキ『男子ingガール!』(花とゆめコミックス)

 死神の手違いで事故に遭った箱入りお嬢様・野々宮花凛は、魂を戻す際に身体を間違えられ、共に事故に遭った男子高校生・柚原翔太と入れ替わってしまう。
 極度の男嫌いな花凛はいきなり男子寮に放り込まれて途方にくれるが、同室で柚原の友人・久我悠斗の優しさに触れ、徐々に彼に惹かれていく。


 男の子になってしまった女の子視点で話が進むという(特に男性読者にとっては)珍しいタイプの作品。
 「カマっぽい男なんて見たくないよ!」という方や「男が男にときめいている絵を見るのはちょっと……」という方は不安になるかもしれませんが、心象表現として花凛の姿で描かれるシーンも多いため、あまり気にならないかもしれません。
 まあわたしとしては、ユズ(柚原)の姿で久我にドキドキしている絵の方がぶっちゃけニヤケるんですが
 ユズも美少年ですしね。もうその身体でもっといちゃついちゃえよと言いたくなります(爆)
 男の身体で風呂に入るのをいやがる花凛に「…仕方ない なら俺が脱がしてやろうか」といったところでは内心「やれ! やれ!」と。
 あ、お姫様だっこシーンはありましたな。
 プール授業前、久我に付き合ってもらって泳ぐ練習をしているシーンでもついニヤニヤ……って、何故それを見ながらお前までニヤニヤしているユズ! あんた本当に許容度高いな。

 花凛になってしまったユズも結構出てきますんで、そっちが見たい方もご安心を。
 こっちはお嬢様ライフをかなり楽しんでいたようで、再開した時も久我に「会いたかったわダーリン」と抱きつくなどノリノリです。
 まさかお前ら普段からそんなにスキンシップしてるのかァーっ?!とアレな方向に妄想が走りそうになりましたが(^^;

 それにしても、花凛から
「何か変な事はしていらっしゃいませんよね?」
 と問われ、満面の笑みで
「ごめん。」
 と答えやがったユズ一体何をしたああああっ!!
 きっと詳しく描いたら年齢制限級のコトだなちくしょう!

 ちなみに「男子ingガール!」全4話の後には番外編「女子ingボーイ!」がちらっと載ってまして、こちらは花凛と入れ替わった直後のユズ視点になっています。
 死神の田中さんから状況説明を受けている時の

「でも あなたのお友達の方といい感じになってましたけどね」
 ちくしょう!!!
「いや別に下心とかなかったけどさ!
 普通入れ替わり物って入れ替わった相手とくっつかない!?」


 という遣り取りは噴き出さずにはいられませんでした。
 残念だなユズ、シチュエーションが増えた最近はそうでもないのだよ。


  絵がかなり整っていることもあり、女子視点の入れ替わりモノながらも、男性読者にもわりと受け入れられる作品じゃないかと思いました。
 個人的には、もっとBL的な絵面でもOKだったぐらいです(爆)

2010年01月18日

二心同体は人を惹きつける『純★愛センセーション』4巻

 年末のバタバタした中で読んだので、感想書くのがすっかり後回しになってしまった……(汗)

 おおばやしみゆき『純★愛センセーション』4巻(ちゅちゅコミックス)

 純一が愛に憑依しているということをようやく賀正が信じてくれて、3人の友好な関係がスタート、と思ったのもつかの間。
 愛の意識がない間に、純一が半裸で賀正に接していたことがバレ、すっかり仲がこじれてしまいます。
 「もう二度と体を使わせない!」と宣言する愛に、純一が軽く脅しをかけるのですが――

「第一 オレが本気で愛ちゃんの体好き放題にしてたら
 夜こっそり抜け出してその辺の男とセックスしたり
 そこまでしなくても1人エッチしてみたり…
 そーいう事だってできたんだよ?」


 って、また過激な発言を!
 しかも、今まで詳しく描かれてなかっただけで、胸を揉みしだいたり下着を漁ったりもしてたそうで。
 この辺、なまじ男性向け作品の男キャラの方が遠慮気味だったりしますよな……(^^;

 賀正との間に距離ができたところで、今度は電撃的に芸能界編へ突入です。
 事前に情報を聞いた時は「また唐突な!」と思いましたけど、よく考えたらコネもあるんで、特に不自然ではありませんでしたねー。
 それに、「男の意識が体を動かしている女の子は魅力的」というのは基本!
 「ガラリと変わる雰囲気」に「外観や普段の様子から想像もつかない新鮮な演技」と、具体的な魅力をきちんと描けてるのも良いですね。
 直前に、実力派女優の正統な好演を見せているのも上手い。

 しかし、純一の演技でオーディションに受かってしまったら、愛が大変になるのは当然なわけで……。
 さあどうする?
 ――と言いたいところなのですが、ちゅちゅ休刊につき、おそらく次巻が最終巻!
 ああっ、なんて勿体無いっ!
 面白かったのに、本当に楽しみなシリーズだったのに〜っ。

2010年01月13日

TS普及は宇宙の意思!『トランス・ヴィーナス』2巻

 男が女になって快楽を貪ることは、銀河連邦を構成する高度な情報知性体さえ推奨する行為なのです!
 我が理想の具現化。一般向け究極のTS漫画。完結の2巻発売!

 たまきひさお『トランス・ヴィーナス』2巻(リュウコミックス)

 まずは、主要な過去記事を置いておきましょう。
「『トランス・ヴィーナス』1巻発売っ!」
「その威力、衰えず「トランス・ヴィーナス」第7話!」


 超高位の情報知性体にして、自称「愛と豊穣の女神」セルダに取り憑かれた男子高校生・須藤タケヒロは、美少女やセルダ自身の姿に変身させられて情報寄生体と戦うことに。
 さらに、エロス全肯定全力賛美のセルダは、女になったタケヒロの身体を使って、男たちと乱交三昧を繰り広げる。
 
 女の快楽をこれでもかというほど魂に刻み込まれ、男としてのプライドを何度も打ち砕かれ、磨り潰され、身も心もズタボロになったタケヒロは、情報寄生体もセルダもいつかまとめてぶちのめすと宣言。
 ヒトとしては身の程知らずなその威勢に気を良くしたセルダは、自分の力を貸し与えるため、2本のプラグインをタケヒロに授けます。

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2009年12月19日

デレ期到来はまだ先?『世界の果てで愛ましょう』2巻

 twitter始めてから気付くのもなんですが、これ便利なつぶやき場ですわ確かに……。
 単独の記事にするには心許ない、けど喋りたいことなんかも、時間かけずにどんどん書ける。
 主にTSや女装以外の話題に言及するのに活用しそうです。ブログで話題に上げてる本は、読んだ内ほんの一部ですもんなー。



 1巻があまりに凶悪だったので、2巻楽しみにしてましたよー。

 武田すん『世界の果てで愛ましょう』2巻(電撃コミックス)

 命を救ったことで異世界の王子・エミリオに惚れられ、女体化させられたうえでプロポーズされた涼馬の受難はまだまだ続く。
 1巻の感想はこちらー

 2巻でも最初っから天然魔性っぷりを発揮。
 狙わずして、いたいけな少年惑わしてんじゃないですよっ。
 そして少年よ、その恋を終わらせないという選択肢もあるのだぞ。<険しすぎるわ

 この巻のメインは、エミリオの婚約者であるアリシアが現れてからの騒動。
 アリシアに完全に目の敵にされたことによって、涼馬はかなり理不尽な目に遭うのですが……。
 ああ見えて、涼馬はかなりイイ性格をしているというか、王子の扱いが酷いもんだから、あまり悲愴な雰囲気にはならないという(笑)

 本当に王子に対する拒絶度が高いですよねー。
 まったく好感を抱いていないわけではないようですが、表面上は徹底的に冷たいです。
 天然で可愛さを振りまいているので勘違いしそうになりますが、男としてのアイデンティティも欠片も揺らいでいないようですし。
 
 ――こういう子がデレた時ってのが、たまらないんですけどな。
 
 芽はあるようですので、王子には今後とも頑張ってもらいましょう(^^)

 反対に美味しい思いをしている弟くんは、理性の捨て時に注意だぞ!
 理性ゆえに生殺しで苦しんでるのは確かだけど、タイミング間違えたら全部おじゃんやでー。

2009年12月11日

TSモノのクオリティが大幅アップ『チェンジH blue』

 編集方針への不満は残りますが、今回はTSモノのクオリティが高かった!

 甘詰留太さんの「初めての夜 初めての朝」は後天性性転換症で女になってしまった親友とのHを描いたもの。
 後天性性転換症は前回の作品でも使われていたのですが……あれはちょっと、正直、ね。エロで描いていた「男の子←→女の子」の焼き直しでしかないうえに、キャラクターの造形も描写の濃さも「男の子←→女の子」の方が上質、というものだったため、評価のしようがなかったのですよ。
 しかし、今回はTSの真骨頂まで辿り着いてくれました!
 実現可能になってしまった、男同士だった頃の冗談混じりの約束。
 もとが男の親友であるがゆえの、微妙な距離感。
 女になってしまった男の、「自身をもって女に成り切れない」複雑な心理。
 特に14〜15ページの描写は秀逸。
 これよ。こういうのが見たかったんです。
 やっと甘詰さん本来の力が見られました。
 この作品が載っている意義は大きい。巻頭なだけにインパクトも大きいですし。
 
 ポン貴花田さんの「えんとらんす!」は前回の続編。
 再び女体化してしまった佐久間円が、事情を了解した校長の指示で、女になったことを公開したうえで学校に通います。
 根津くんを筆頭に、男子どもが欲望に忠実ですね(笑)
 そして龍神(というか蛇)さまはどこに身体突っ込んでますか!

 今村陽子さんの「ヒーローの秘密」は地域限定の戦隊ヒーローに入隊を希望した少年が、女の子に変身させられてピンクを担当させられてしまうもの。
 事務のお姉さんに身体を弄られたり、他の女性隊員と入浴したりと色っぽいシーンも。
 捻りのあるオチが素晴らしかったですね!(笑)

 厦門潤さんの「プラスチック・クレイドル」は、暗殺された重要人物が、遺伝子操作で作られた自分の女性型クローンで復活するもの。
 エロコメ的な美味しさはありませんが、SFとしては面白かったです。
 個人的には、他の女性の記憶をダウンロードしてしまった少年型のクローンに、中身が女性だからと女物の服を着せたところにきゅんと来てしまいました(^^;

 おりもとみまなさんの「おんなまつり」は、朝起きたら女になっていたパターン。
 なのですが、ひたすらいつもどおり!(笑)
「タカシ また女性の権利を侵害するような事言ったんでしょ
 バチが当たったのね」
「母ちゃん…」
「お母さん ホントは女の子が欲しかったの
 タカシが女の子になってくれてうれしいわ」
「母ちゃん…」
「だからあなたが生まれた時は本気でガッカリしたわ」

 ひでえ! でもいつもどおり!
 女になってしまったため、祭りでは大神輿でなく女神輿を担ぐことになるのですが、その最中の思考といいアクシデントといい、バカでハイテンションで笑えます。オチを見たうえで再度読むと、さらに面白いでしょう。
 オチまで含めて実に楽しかった!

 ネタバレになるのでどの作品かは言えませんが、男→女の変化以外に女→男の変化も描かれていて、その使い方も上手かったのは良かったですね。
 ただ、「プラスチック・クレイドル」を除くと変身モノ――肉体変化による性別変化ばかりになってしまいますので、次巻があるのなら憑依は無理でも入れ替わりモノぐらいは入れてほしいところです。
 読み切りでの入れ替わりモノは、エロでも一般でも実例があるので不可能ではないはず。


 ゆうきゆう×ソウさんの「マンガで分かる心療内科」はTSモノの物語ではないんですが、大いに笑わせていただいたのでついでに。
 元々この方たちのweb漫画が大好きなのですが、ここまでいつもどおりにカッ飛ばしてくれるとは……(汗)
 冒頭から
「さらに普通の女の子に興味があるだけでなく『女の子になりたい』っていう願望まであるアレな人たちなんですから」
「なじりすぎだろ! 読者様は神様ですよ!?」

 と容赦のない会話が繰り広げられます。
 うわあー、どうせオブラートに包んだ内容になっちゃうよなとか思ってましたけど、予想以上にどストレートです。
 さらには女性化願望の原因を分析していく中で、こんな会話も。
「あとマゾヒスティックな気持ちもあるんじゃないですか?
 女というか弱い存在になって攻められたいっていう」
「うん…」

 あるね! それはあるね!
「男のままだと誰も攻めてくれないですものね」
「それは言うな!」

 言うなよう!
「女である苦労も知らないで女を甘く考えてる男は殴りたいです」
 なんて台詞まで言わせてしまうのはナイス。たまに本気で想像力のない人がいて焦りますし。
 わかったうえでファンタジーを提供するのが、TS作家の務めですが。

 「TSファンはもっと変態呼ばわりに慣れるべき」と思っているわたしとしては、「マンガで分かる心療内科」の内容は大歓迎でしたね。

2009年12月03日

揺れ動きすぎな身体にハラハラ『あめのちはれ』2巻

 裏表紙の体操着姿が色っぽーいっ!

 びっけ『あめのちはれ』2巻(ビーズログコミックス)

 雨が降り始めてしばらくすると女になってしまい、雨がやんでしばらくすると男に戻るという不可思議な現象に襲われた少年たちを描く、不随意異性変身群像劇第2巻。
 今までにないTS発動のキー。同じように性転換してしまう子たちが、共に混乱し相談しながら対応していくという、これまた貴重な光景。繊細な心情描写など、独自の魅力に溢れた作品です。

 この作品の特徴といったら、なんといってもその「不安定さ」でしょうね。
 女になるにせよ、男に戻るにせよ、いつ身体が変化するかわかったもんじゃないというのは本当に大変! 「揺れ動く心と身体」とかよく言いますけど、身体揺れ動きすぎです!
 目安はあるにせよ、分単位で決まってるわけじゃないですし、そもそもの天気が人間の都合に合わせてくれないなんてこと、今更です。すぐに人目を避けられない状況だったら? 授業中だったら? 部活中だったら?
 ということで、学校生活・寮生活ともに本格的にスタートした2巻となると、もういつ周囲にバレてしまうかと常にハラハラです!
 寮生活なので家族バレの危険は少ないにしても、不確定多数に知られる危険と隣り合わせというのは、かなりしんどそうです。
 他人事でも気が休まらないったら(^^;

 メインの主人公らしい葉月は女子高の方で気になる女の子ができたんですけど、女子としてしか親交を深められなくってもやもやしたり。
 なまじ簡単に近づける手段があると、男として勇気を出すのは難しいかもねー。

 携帯電話の扱いも、意外と厄介になりそうです。
 便利な機械なんですけど、簡単に繋がれる分だけ、秘密のある人間には制御が難しい。これ、昭和が舞台だったら同じ題材でも出てこなかった問題でしょうね。
 メアドはなんとかなるとしても、この先どうやってピンチを凌いでいくのやら。


 で、最初にも書いた体操着姿の話に戻るんですが。
 1巻でも思ったことですけど、2巻で体育の授業の話を見てあらためて思った!
 ほんっとーに絶妙な造形ですよね、女子化した時の5人!

 男性向け作品でありがちな、露骨なセックスアピールとかはないんですよ。女子も羨むほどの巨乳!とかそういうのが描かれてるわけじゃないんです。
 (まあトーマは大きめですけど、それでも一目見てわかるような描き方はしていない)
 それでも全体的に、充分に女らしさ・少女らしさを感じるラインで描かれてるんですよね。くぅー、上手いなあ。
 脚の描き方なんか、特に素晴らしいと思わんかね。円とトーマの長い脚は確かに羨ましいわあ……。

 あと今回「良いな」と思ったのは、体育の前に真城が長すぎる髪を結ってもらったシーン。
 真城の感想は

「頭がギュッとひっぱられるかんじや……
 なれへんなあ……」

 これはなかなか男には書けない!
 髪が伸びただけならともかく、きちんと結った時にどんな風に感じるか、なんてことまでは想像が追いつかないですからねえ。

2009年11月28日

向き合うのは、誰の不在か『少年式少女』第4話

 和田依子さんの手による、アフタヌーン連載の憑依モノ。
 2話3話と感想記事を書いてなかったのは、気の利いたコメントを思いつかなかったからでして。それというのも――
 
 重い。

 半端ない重さです。下手なことが言えません。
 しかも、毎回扉絵とアオリが凄く的確で、インパクトも強いんですよね。
 第3話のアオリが、
「君は君だった頃、どう動かしていたっけ。」
 第4話のアオリが、
「あいつがいないことに、誰も気付かない。
 おれがいることは、誰も考えやしない――」


 もう、こんな記事の続きなんか読んでないで、このフレーズから作品を感じ取って、書店に走ってくれればいいよ!と言ってしまいたいところです。
 それぐらい的確すぎて、ズシンと来る。

 第1話の欄外には「生者は他人の死に順応する、らしい。じゃあ、おれは何に順応する?」と書かれていましたが、まさに3・4話はそこに差し掛かったところ。
 少年・タケルの死を誰もが受け入れようとし、
 少女・シキの生存を誰もが疑わない。
 シキ復活のために彼女の身体で生きるタケルにとっては、都合が良いとさえ言える状況。
 けれど、自分がその場にいて、息をして、喋って、生前どおりの行動を取っているのに誰も気付かない。誰も、自分がここに存在していることに気付いてくれない。そのことは、タケルにとっては想像以上に苦しいものでした。
 
 「自分が死んだ後の世界で生きる」ことへの苦悩は、これまで、あまり描かれたことがなかった気がします。
 三浦実子さんの『リターン』にしても、おおばやしみゆきさんの『純★愛センセーション』にしても、他人の、女の子の身体でこの世に留まることになった主人公が気にしているのは、もっぱら親友だった少年のことです。
 (まあ、後者は特にコメディ度が高いというのもあるのですが)
 それというのも、憑依した相手が今までまったく交流のない赤の他人であるということ。
 そして、一番大事な人間が生きて目の前にいるということがあったからなんでしょうね。
 赤の他人の身体だから、好き勝手に使おうという気持ちにもなるし、大切な人間が生きているのなら、そいつのことを一番気にかけたくなる。

 けれど、その一番大事な人間の身体を使って生きていくとなると――
 全身全霊で関われる人間が、寄りかかる相手が、守りたい相手が、この世にはいないということになるんですよね。
 タケルは、「タケルが存在しない世界」にも「シキが存在しない世界」にも順応しなければいけなくなる。

 せめて理解者がいれば楽になれるんですが、サポート役の魂・シャシーは愛らしい蜘蛛(マテ)から、不吉ささえ感じさせる芋虫へと姿を変えてしまい、言葉も離さない。
 もしかしたら、シキの魂が眠る三途の川への移動にも支障があるかもしれません。
 シキらしく生きる術もわからず、誰ともまともに交流がとれない現在のタケルは、とてつもなく孤独です。
 (理解者となりうる存在はいますが、本当に救いとなるか否かはまだ……)
 
 そういった事情ゆえに、『少年式少女』は死後の憑依を扱った作品の中でも一際真剣に、死と向き合う作品となっています。
 かなり珍しいタイプの作品ではありますが、だからこそ
「最近TSモノがやたら増えたけど、お約束にはもう飽きた!」
 という方にも注目してもらえたらなあと思いますね。

2009年11月25日

男に戻ったら恋愛はどうなる?『ひめごとはなぞの』2巻

 ちょ、見所多いぞこれっ……(汗)

 わたなべあじあ『ひめごとはなぞの』2巻(シルフコミックス)

 1巻を読んで「すぐに2巻買わないと!」と思ったのは間違いじゃありませんでしたね。
 相変わらず愛は小動物キャラで、女性的な魅力からはほど遠いのですが、その割に見逃せない場面・出来事の多いこと。
 やはり、主人公の家族にTS経験者が4人もいるというのが大きいですね。

 兄たちの女時代が気になってはいましたが、早くも白虎の過去を垣間見ることになるとはっ。
 高校時代に恋人(だったかもしれない)相手と、今になって再会するなんて――
 くあーーっ!
 くぅああーーーーっ!!
 ど、どんな気分よそれっ!
 
 体が女になったことで、男と恋仲になる。そこまでは想像できる。
 そりゃあもう、心理状態まで含めて容易に思い浮かべられる!
 けど、体が男に戻ってしまって、そのせいで別れることになったとしたら――
 そんなの、切なすぎて考えたくもないっっ!
 どうよ。どんな気分なのよ。
 相手の方も、かなり複雑な思いがあるようで……。
 なんかもう、他人には入り込めない空気を感じましたね。
 
 商業媒体のTSコメディで、こんな風に「TSが絡んでいるがゆえの」重い要素を入れてくるというのはちょっとびっくりですね。「勢いだけで描かれてる」んじゃなかったのか。
 主人公だけなら軽いノリで逃げることも可能だったでしょうけど、過去話となるとその深刻さは隠しようもないですよ。
 
 ――とか言ってたら、まさかの急展開。
 え、ええっ!? ここでもうそんなことになっちゃうの?!
 しばらくぬるま湯が続くとばっかり思ってたのに。これはちょっと、先が読み切れないかも。
 唐突にコメディ度が一気に高まる可能性も否定できないのですががが。
 
 ところで、長男の青龍から電話を受けた親父さんの後ろに男性がいるのですが――まさか、「お母さん」だったりしませんよね?
 いや、1巻で一族の体質を知った時、冗談半分で「母親も本来は男性だったりしてなー、はっはっは」とか考えたんですが、案外当たってたかもしれないなあ、と。
 でも四男の玄武と、愛・恋の双子とは14歳も歳が離れてるんですよね。となると難しいか……。


 あと2巻の見所としては、オカマになってしまった三男・朱雀の過去が判明したというのが。
 女体化後、女子校に転入したことで女性に幻滅したのが原因だったとはねえ(笑)
 「俺はこの先 男に戻って何も知らなかった頃のように振る舞えるのだろうか
  無理……!」

 あんまり笑い話じゃないけど、面白いと言わざるを得ないっ。
 女性を恋愛対象として見られなくなってしまうというのは、わからないでもないしなあ(^^;
 まあ、可愛い服を着たいからというのもあったようですが。

2009年11月23日

期間限定な女体化家系『ひめごとはなぞの』1巻

 公私ともに色々あった懸案事項が、昨晩一気に片付き……はしないまでも、かなり進展しました。
 ふいー、やっと気が楽になった。


 実は1巻発売時にチェックしてなかったので、店頭で2巻を見かけて、急いで1巻を読みました。

 わたなべあじあ『ひめごとはなぞの』1巻(シルフコミックス)

 6人兄弟の末っ子でヤンキーに憧れる田中愛(12歳)は、中学校の入学式当日の朝、目が覚めると体が女の子に変化してしまっていた。
 その様子を見てもまったく動じない兄たち曰く、田中家は「思春期のある時期が来ると性転換してしまう体質の家系」とのこと。
 女じゃ立派なヤンキーになれない!とショックを受ける愛だったが――

 画面がごちゃっとしてて読み辛いところもあるのですが、これが思いの外面白い。
 女の子になってしまった主人公を眺めて楽しむというよりも、主人公の周りの人間が騒ぎを起こすさまを楽しむタイプのTSモノですね。
 一見お嬢様っぽいけど実はヤクザの娘で、愛にべったりになってしまう蝶子とか。
 ちょっと雰囲気は怖いけれども、愛の男っぽい性格に惚れて恋人宣言をしてしまう櫻井とか。
 蝶子の壊れっぷりもかなり見物なんですが、櫻井もすぐに田中家の兄たちに挨拶に行くなど、本気の惚れっぷりです。
 ただ、田中家の性転換は数年間のみで、いつか必ず男に戻ってしまうんですよ。それゆえに兄たちも「いずれBLになってしまうけどいいのか?」と心配。
 体はそんなだし、愛も恋愛感情を理解していないしで、「理由は説明できないけど、絶対プラトニックで“彼氏予約”」と交際の条件を付けるんですが……。
 その状態で恋愛をするとなると、ちょっとこれは目が離せませんね。


 あと、かつて女だった時期がある、年の離れた4人の兄たちの過去も気になるところです。
 三男の朱雀がオカマなのは、やはり女をやってたころに染まってしまったからなのか。
 次男で主夫役な白虎が一人だけ6年間も女だったというのは、もしかして恋愛が原因なのか。
 特に白虎は気になるんですよねえ……。なんか、妊娠出産ぐらい経験しててもおかしくない雰囲気があるんですもん。
 6年間も女やってたんなら、余裕で産めるよなあ、なんて。年齢的には……いや、まさか、考えすぎだろう。


 ちなみに主人公の容姿ですけど、ぶっちゃけ、女バージョンのちんちくりんな愛よりも、双子の兄である恋くんの方が可愛いです。
 83ページの表情はやばいよー。イケナイこと教えたくなっちゃう(爆)
 あ、でもアリスをイメージしたコーディネートの愛は結構可愛かったですな。

 さーて、2巻も読むぞー。

2009年11月22日

賞賛しか送れないTS描写『にょたいかっ。』

  PCにちょっと不具合があったんですが、今週も忙しかったのでなかなか直せず……。
 昨夜OSをクリーンインストールしたところ、今度は問題なく進行した、はず。むーん、全然予定がこなせないぞ。

 そうこうしている間に、『にょたいかっ。』1巻、『オレンジチョコレート』2巻、『ひめごとはなぞの』2巻、AVの『ボディジャック パート2』などが一気に発売されて記事のネタ溜りまくりですよ。
 なんなんだこの当たりシーズン。来月も続くんだぜこの勢い……。
 勿論それ以外の本の購入量もかなり。最近、一ヶ月に何十冊買ってるのか考えるのが怖くなってきました。

 さて、久々の更新で何を最初に取り上げるべきかは悩むところですが――やはりコレでしょう!

 龍炎狼牙『にょたいかっ。』1巻(MFコミックスCF)

 彼女イナイ歴24年のサラリーマン・真中真はいつも女性にとっての「いい人」止まり。出会い系サイトでも同じ調子で嫌気がさし、いつしかネカマをやって男をからかうようになっていた。
 あまりのむなしさに漏らした「いっそ女に生まれたかった」という呟きを神様(歓喜天)に聞き届けられ、ある日目覚めると女の体に!
 女になった真中は、ナンパ男やレズの女医、得意先のエリート社員など色んな人間に言い寄られ――

 なんというか、もう、あえて自分が何か言う必要はないというか――文句なしですね!
 「ある日突然女の身体になったら、ナニがシたいですか?
  ――それ、全部ヤります。」

 と帯に書かれているとおりですよ。迷わず買うべし。

 流石、元々「性転換物のお話が好き」と仰られてる方なだけはあります。
 「女になってしまった男」の描き方に、まったく隙がない……!
  「積極的に男と付き合ったりセックスしたいとは思わない。けれども折角の女の体を楽しもうという欲求は充分にある」という絶妙なところを突いています。
 細かく解説するのももどかしいので、とにかく読んでくれと言いたいところです。
 
 女になったことに気付いて自分の胸を揉むシーンにしても
「おおお…っ!!
 ああ この手ざわりっ!! 揉んで良し揉まれて良し
 しかもタダ!!」

 と興奮して揉みまくるなど、欲望に正直で良い感じです。
 この作品は年齢制限ナシですけど、エロ漫画歴が長いだけあって、会社の女上司に身体を確認されるシーンなんかも実にエロい!
 
 また、出会い系サイトでからかっていた男と実際に会うことになった時には、ネカマスキルを全開にして貢がせるなどたっぷり楽しんでます。
 外面の可愛らしさと内心の意地悪い笑みがたまりません。
 やっぱやってみたいよね! 可愛さを武器に男に貢がせるのって!
 もっとも調子に乗りすぎると襲われることになるのですが……うん、自分なら抗わない(爆)

 一部の人間以外に「元々女だった」と認識されるようになってからは、部長からはセクハラされ、同僚からも常時言い寄られるように。
 同僚のアピールは「友達のオナニー見てしまった様な」気分で一番きつい、というのはなんとも現実味のある感想。
 しかし、長期間女の状態が続くと、あしらいにも慣れてくるように。
 くう、羨ましいっ。そんな風に甘い声であしらってみたいぞ!
 ちらっと描いてあるだけですけど、そのモテ状態ゆえ「女子社員からは基本的に嫌われている」というのは生々しくてちょっとニヤリ。
 そういう描写、コメディ調のTSモノでは滅多に見かけませんからね。


 作品の方向性的に1巻で終わると思い込んでいたのですけど、携帯配信好調につき、既に続刊が確定しているとのこと。
 これは素晴らしい!
 半端ないクオリティのTS漫画ですので、がっつり宣伝しつつ2巻を待ちたいですね。

2009年11月14日

可愛くなってもバイオレンス!『DOHHY'S PARTY』第二話

 山本和生『DOHHY'S PARTY』第二話「路地裏BATTEL ROYAL(前編)」(『ヤングキング』23号)

 第二話の方向性ってのは結構気になるんですよね。明らかにTSが主題になっている作品ならともかく、そうでない場合は、どこまでTS絡みの描写に重きが置かれるかわかりませんので。
 TSモノとして楽しめる作品なのか。
 TS要素は薄いけれど創作物としては楽しめる作品なのか。
 あるいは――勿論これが最高なんですが――どちらの観点からでも充分に楽しめるのか。
 まあ、わたしにとっては創作物として面白いことが最優先なんですけど、どういうスタンスでその作品に接するべきかは早めに判断しておきたいのです。
 あと、立ち読みで充分なのか、毎回掲載誌を買わずにいられないのかもね。
 そして、『DOHHY'S PARTY』の第二話はどうだったかというと――

 
 カラーページから、ドリー先生に刀を取り上げられそうになったアーロン(少女の身体に脳移植済み)が、ナース姿で涙目になってぴょんぴょん飛び跳ねてるところでした。

 うん、これは買わなきゃ駄目だろう。

 いかん……! アーロンの涙目とか困った顔とか、凄く可愛いぞ!
 脳移植手術が行なわれた一話目のみならず、二話目においてもこれだけ扱いが大きいところを見ると、今後も可愛さを振り撒いてくれると期待せずにはいられないじゃないですか。
 また、第一話で殺し合いを演じた(のち、共にドリー先生に降った)無法者たちとは、こんな遣り取りも。

「もう先生の脚にしがみつくのはやめたのかい? オカマ野郎」
「……っ 囀るなよチンピラッ それに 俺は男だっ」

 この直後トイレに駆け込むんですが当然のごとく女子トイレに入らざるを得ず、しくしくと泣くアーロンが哀れやら可愛いやらでもう最高ですね(^^)

 路地裏での立ち回りでは以前の身体との違いを意識する様子も見られ、今後さらにその辺りの描写を見られることも期待できます。

 そして何より、ドリー先生の邪悪な思いつきの中身が気になりますよ!
 アンタ一体何やらかす気なんだ……。

 これは次号も買いでしょうな。

2009年11月06日

今朝もあの娘の体で目を覚ます『逆転ハニー』

 む、これ描いた方、『お兄ちゃんと一緒』の作者さんでしたか。『LaLa』追えなくなって長いからなあ……すっかり疎くなってしまいました。

 時計野はり『逆転ハニー』1巻(花とゆめコミックス)

 目つきも口も足癖も悪く、周囲に怖れられている少年・夜神健吾と、いつも笑顔でのんびりやな天然少女・昼岡密香はいつも一緒にいる幼馴染。
 ある日、健吾は学校裏の池で虐められていた亀を助けるが、その亀が喋ったことに驚き蹴り飛ばしてしまう。
 この亀は実は神さまであり、足蹴にしたことへの天罰と称して、健吾と密香の身体を入れ替えてしまう。
 性格が逆転した二人は、周囲に大人気となり……。

 強烈な展開はない一方、基本は押さえられていて、TSモノ初心者にも安心して進められる作品となっています。

 可愛らしい外見に反して、態度が荒っぽく、喧嘩っ早くなってしまった密香(実は健吾)。
 さわやか笑顔の天然たらしと化してしまった健吾(実は密香)。
  入れ替わった二人とも(その身体にとっての)異性にモテてしまうという、入れ替わりの王道を行っていますね。
 
 特に、すっかり凶暴になった密香(本当は健吾)に対して「そのつれない瞳がたまらない」「あの可憐な見た目とのギャップがたまらない」と夢中になっている男子ども。
 キミたち見る目あるよ(笑)
 ギャップ萌えはTS萌えの基本ですから!
 あと、密香が天然でぽーっとしていて、男の身体になっても動じてない分、健吾の描写がメインになっているのも良いですな。
 健吾は粗暴なわりにピュアな性格で、女の(というか密香の)身体にどぎまぎしっ放しですから、完全に弄られキャラのポジションになっています。

 一応自分たちの意志で元に戻ることはできるのですが、入れ替わりの発動は亀神さま(性格はかなりろくでもない)の意志次第なので、何度も勝手に入れ替えられてしまうというのが面白い。
 というか、そのせいで毎朝のように「朝起きたら女の子になっていた」を体験させられるのが面白いんですよね。
 「朝起きたら〜」というのは大抵変身モノで使われるシチュエーションなので、それを入れ替わりでやって、しかも毎日解除しているのに、朝になる度に入れ替えられているというのは珍しくかつ愉快な状況だなあと。
 
 しかし、あれだけ頻繁に性格が逆転していることは認識しているのに、入れ替わりには思い至らんのですよなあ、周囲の生徒たち(笑)
 (まあそこはコメディだから流しちゃって良いんですけど)
 健吾モードの密香にアタック中の習志野あたりは、そのうち気付いたりするんですかね。
 今のところ損な役回りばかりの習志野ですけど、今後の活躍を期待したいところです。
 「密香×健吾」がベストカップルなのはわかっちゃあいるのですが、やはり女の子になった男の子を誘惑する男性というのは必要だと思うんですよ(^^)

2009年10月27日

手段を選ばず治します『DOLLY'S PARTY』第1話

 『ヤングキング』22号での、表紙&巻頭カラーの新連載です。

 ちょ、絵が思いっきりヒラコーっぽいんですけどーっ!(笑)
 元アシスタントさんなんでしょうか。

 山本和生『DOLLY'S PARTY』第1話「zombie soldier」

 スラムで開業医を営む美人女医ドリー・シロマ。
 どんな患者でも手段を選ばず治してしまう(看板に「その他義体化などお気軽にご相談ください」とまで書いてある)彼女のもとを訪れたのは、ウイルスに侵され、ゾンビのように鈍くなかなか死ねない体になってしまった男。
 治療法自体存在しないその病気に対し、「延命処置ならできる」と言うドリーが取った方法とは――

 はい、もう読めてるかもしれませんけど、一応収納しときますよー。

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2009年09月08日

恋の矢印はすれ違い続き!?『純★愛センセーション』3巻

 ちょ、面白い……! このシリーズ本当に面白すぎるっ!
 少女漫画だからって逃げたりせずに、騙されたと思って読んでみてってばっ。
 あ、いや、乙女回路がまったくない人はちっと辛いかもしれんが……試しに読んで!

 
 帯に書かれた宣伝文句は
「ちょいエロ男子・純ポンが超マジメ女子・愛の体を使ってやりたいホーダイっ!!!???」
 それっ……! ちょ、おいっ、そういうキャッチフレーズ使える男性向け漫画出してよ誰かっ!?
 ※『純★愛センセーション』は『ちゅちゅ』連載ですので、基本恋愛路線です、ご注意を。

 1巻の感想記事。
 2巻の感想記事。
 
 ここまで読んできた人には説明するまでもありませんが、3巻開始時点での恋愛模様。
  純一:賀正が好き。
  能田:純一バージョンの愛が好き。
  愛 :?
 というものに、更に
  賀正:愛バージョンの愛が好き。
 が加わります。そして3巻ラストで愛が意識したのは……。
 ――って、どんだけ交わらないんだアンタら(汗)

 愛は恋愛免疫がないのか、あっちにふらふらこっちにふらふらしてますしな。……まあ、わからんでもないか。
 賀正は周囲に怖がられがちだけど、顔もガタイも良いし、腕っ節も強くて、目の前の揉め事から目を逸らさない優しいやつ。
 わたしの目から見ても大本命ですね。
 能田は顔がよいのは当然として、成績優秀、エリートの家柄――
 なのはともかく、「純一が表に出てる時の愛」を手に入れるためには手段を選ばない、危ういところに惹かれるといいますか(^^;
 気も回るし、気障な台詞をさらっと出すし、これは正直……揺らぐっ! 純一でさえ不意を突かれるとときめくんだぜ?
 眼鏡というのもまた良いんだよなあ……。眼鏡男子好きだからっ!(爆)

 いかん、何を書いている。
 まるで「しゅごキャラ!!」観てる時の精神状態みたいじゃないか(わたしの本命は海里ですが、イクトと王子に揺さぶられることもしょっちゅうです)。
 やっぱりTSと恋愛を絡めるんなら少女漫画家(でなくとも女脳な人)に任せるのが一番だよなあ……。

 そして、愛の体を使う純一は乙女度も小悪魔度も高いしっ!

 はい、ここでネタバレも含めた今巻の見所っ。

続きを読む

2009年08月27日

3年間、大事な少女の体で生きろ「少年式少女」第1話

 何故か最寄の書店から『アフタヌーン』10月号が消えてたんで出遅れましたが、本日入手して読むことができました。

 和田依子「少年式少女」第1話「おれのゆくえ」
 
 ん……? 和田依子?
 ああ、『バーサス!』描いてた人か! あのAV女優とそのマネージャー兼営業の話の!
 今単行本読み返したら、確かに巻末に「少年式少女」の名前がっ。

 なるほど。「少年式少女」は憑依モノと聞いていたので、「青年誌で憑依モノとは画期的な!」と驚いたのですが納得しましたわ。
 いえ、全年齢向けの憑依モノってのは、圧倒的に女性作家・少女漫画家が強いんですよ。
 代表的な作品を挙げるなら『リターン』『あかねちゃんOVER DRIVE』、あと最近では『純★愛センセーション』も面白い。
 (まあ、そもそもTSモノ全体にわたって、読み手の男性比率が高く、それに比べて作り手(特に絵)の女性比率が高いという傾向があるんですけど)
 エロ直結にすることなく、他人の身体、それも少女の身体で生きていく少年の心情や日々の出来事を描くというのは、男性には難しいのかもしれませんね。
 ……いや、桃栗みかんこと河下水希さんは、かなり男性寄りな目線で描かれる方なんですけどね(^^;

 ともかく、『バーサス!』を読んでいたこともあって、表紙で作者名を確認した時点でかなり期待が高まりました。
 そんな「少年式少女」がどういう話かと言いますと……

 家が隣同士の少年・伊東タケルと、少女・三浦シキ。
 2人が一緒に登校していた時、わき見運転のトラックにタケルが轢かれてしまう。
 その拍子にタケルの魂はシキの体へと飛び込み、望まずしてその肉体を乗っ取ってしまう。そして、押し出されたシキの魂は、死者としてあの世へ向かってしまった。
 その後再び死にかけ、三途の川の渡し守と出会ったタケルは、事情を話してシキの魂を呼び戻してもらう。
 しかし、一度死霊となってしまったシキは、そのまま肉体に戻しても蘇ることができない。
 彼女に生命力を入れ直す間の3年間、まだ生命力のある「生き霊」であるタケルが、シキの肉体に入って生き続ける必要があった。
 かくして、3年後の自分の「本当の死」を見据えつつ、タケルは大事な少女の体で生きていくことになる。

 期待値、最大級。

 見るべき所は沢山ありますよ。
 タケルの魂がシキの体に憑依してしまう様子が「視覚的にすんなり納得のいくように」、ページもしっかり割きつつ描かれていること。
 肉体と魂の不整合ゆえにか、タケルがシキの体を上手く動かせないなどの細かい描写があること。
 タケルは「これも何かの縁だから彼女の分まで生きろ」という渡し守の言葉を強く拒絶し、その先に自分の死が待っていてもシキを助けると言い切るのですが、彼のそういった精神性にきちんと理由があること。
 今後3年間シキとして生きていくタケルと深く関わるであろう人間が、既に複数配置されていること。

 しっかり練ったうえで描き始められたであろうことが窺えますね。

 あと個人的には、今後の主人公のサポート役が蜘蛛というのも嬉しかったり(爆)

 TSモノの漫画は、肉体変化によって性別が変化する作品が豊作気味な一方、精神(魂)移動によって性別が変化する作品が少なく、また近いうちに『僕と彼女の×××』という入れ替わりモノの良作が終わってしまうということもあって、ここで憑依モノの連載が始まったのは非常に嬉しい!
 第1話の作り込みからして傑作を予感させますし、今後のチェックと応援は欠かせませんね。



 あとついでに。
 和田依子さんの『バーサス!』がどういう作品か知りたい方は、こちらの記事を読まれると良いでしょう。

AV女優は"底辺"の仕事? 業界で働く人間のリアルを描いたマンガ

 これで興味を持たれた方なら、まず楽しめるんじゃないかと。わたしからもオススメです。
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