『漫画アクション』(2012 3.20 NO.6)で押見修造さんのTSモノ始まったああああああああああああああああ!!
ってちょっと待ってどんだけ続くの、どんだけ続くの今年のTSモノ攻勢は(汗)
第1話サブタイトルが「童貞少女」というど直球な始まり方の『ぼくは麻理のなか』。
主人公の青年・功は大学デビューに失敗し、今や通学もせずにダラダラと無為に日々を過ごすばかり。
彼の楽しみは、毎晩決まった時間にコンビニですれ違う美しい女子高生(功曰く「コンビニの天使」)を目で追うことだけ。
名前も知らない彼女に惹かれ、コンビニから彼女の家まで後をつけることが日課になって早一年近く。
告白する勇気なんてない。
乱暴を働く気なんて毛頭ない。
ただただ、彼女の後をつけるだけ。
彼女の近くにいたいだけ。
彼女を少しでも知りたいだけ。
そんな功が、いつものように彼女の後をつけていた夜――
ぷっつりと記憶は途切れ、目覚めた功は、「彼女」になっていた。
彼女の身体。
彼女の服。
彼女の部屋。
彼女の姿に変身してしまったわけではない。彼女そのものになって、彼女の生活空間に存在しているわけです。
一番考えやすいのは憑依なんですが……まだ情報が少なく(と言うより、あからさまに隠されている)ので断定はできません。
それよりも語りたいのは、この作品の「気付き」のシーンが神だということですよ!
TSモノで「性別が変わっていることに気付く」シーンは重要……ってつい最近も同じこと描きましたが、『ぼくは麻理のなか』における「気付き描写」は他の追随を許さないかもしれません。
@肉体が別人になったことにより、違和感を覚える。
A自分の部屋ではないことに気付く。
B女の子になっていることに気付く。
C鏡で姿を確認する。
ここまで丁寧に描かれている時点で合格レベル。ですが、まだ続くのですよ……!
憧れの少女になっている! ならば、と改めて部屋の中を確認。
D家具・制服・ぬいぐるみ等の「所有物」に気付く。
E生徒手帳で名前を確認する。
生徒手帳で名前を確認する!
これを大ゴマで描いてくれるとは……っかー! わかってますな押見修造さん!
憑依や入れ替わりなどで「個人情報を把握していない人物になってしまった」場合、「何者になったのか」を知るのは凄く重要なわけですよ。当然といえば当然ですけど。
憧れの少女そのものになったというのなら尚のこと、その娘のことを知りたくなるわけです。
憑依・入れ替わり等によるTSは支配欲を満たすことにも繋がるものですが、「相手のことをもっと知りたい」という欲求に応えるものでもあるのですよ。
名前も声も、趣味も知らない憧れの君。
名前を知りたかった憧れの少女。
その娘になったことで名前を知った。
これ、凄く良い描写です。「実在する他人になってしまうタイプのTS」における喜びが、これだけ力を入れて描かれているとは……1話目から早くも感服です。
また、TSコメディなどでは基本ドタバタと騒がしく描かれることの多い「気付き」のシーンが、かなり静かに、抑えて描かれているところも本作の特徴ですね。
(自覚直後に叫ぶぐらいはしますが)
台詞も少なく、しかしひとつひとつ丁寧に、他人になっていることを、異性になっていることを、憧れの少女本人になっていることを確認していくのです。
思わずこっちまで泣いてしまいそうな圧倒的クオリティ……。良作の気配を強く感じますね。
第2話は4月3日発売の8号掲載とのことで、見逃せません!
2012年03月06日
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自分がネットをやり始めた(02年)頃はTSメイン作品が少なく、単発の該当作も月一あるか程度で。
昔よく見たTSサイトは古今東西の実写、アニメ、マンガ、AV、エロゲ問わずと紹介する程の供給不足だったのに今は良い時代になった。
近年の流れを見るにTS自体の認知度と購買需要が高くなったところへ、
かつ作り手(作家側)もTS属性のある方と、それを商売として注目した企業が増えてきた感じかな?
ともあれ入れ替わりと憑依は良いものです、なんか言いたい事をただ羅列した形になりましたがご容赦を。
初めまして。
昔は本当に「探し出す」という感覚でしたからね。
今は向こうから次々に該当作が飛び込んでくる感じで、読むだけでも追いつきません(^^;
もともとTSモノを描きたかった作家・漫画家さんの企画が通りやすくなったのと、編集側から働きかけるケースの両方が合わさった結果、急激に増えたんですかねー。
>koさん
さすがに今からショップに再入荷してもらうのは難しいですが……。
vol.2でしたら、もしどうしても、という場合は改めてメールでご連絡ください。