2012年02月23日

王道入れ替わりTSにしてそこに留まらない!『山田君と7人の魔女』連載開始!

 噂には聞いていましたが、巻頭カラーで入れ替わりTSモノが連載開始とはマガジン始まりすぎでしょおおおおおおおおおおおお!?
 表紙における宣伝からして
「優等生女子とアウトロー男子が入れ替わり!
 吉河美希にしか描けない学園コメディ誕生!!」

 カラー扉絵のキャッチフレーズとアオリは
「ボーイ チェンジ ガール ラブコメディ新連載
 心と体が入れ換わる!
 新たな世界が見えてくる!!
 キミとの出会いが全部の始まり!!」

 ですからね。メジャー少年誌が入れ替わりTSを前面に押し出して売り出すとは……!

 進学後落ちこぼれてやさぐれている男子高校生・山田竜は、クラスメイトであり学年トップの成績を誇る美少女・白石うららと共に階段を転げ落ちた拍子に入れ替わってしまいます。
 
 保健室で目を覚ました時、山田は白石の体になっているんですが、この気付きのシーンからして完璧!
 「TSモノにおいて『気付き』のシーンは非常に重要」というのは、我々の間では常識。
 その水準からしても文句のつけようがありません。

 なにしろ、ベッドで身を起こして視線を下ろしたら胸の谷間が!
 そしておもわず揉んで確かめる!
 股間を触って「・・・・無え!!!」
 慌てて姿見に自分を映して「白石になってんじゃねーかぁぁッ!!!」

 ……そう、こうあるべき。こうあるべきなんですよ。帰宅後に気付くとかあり得ないですもん。
 
 しかし、こういうベタな内容だけで終わらないのが本作品です。
 入れ替わりを自覚して白石の様子を確かめようとすると、なんと彼女は山田の体のままで教室に戻ったというのです!
 慌てて教室へ向かうと、そこには平然と、不自然なほど熱心に授業を受ける「山田」の姿が。
 教室からつまみ出すも、山田の体の白石は「状況はわかっているが、元に戻れるであろう方法は放課後まで試す気はない。また気絶するのは困る。これ以上授業を休めない」と会話を打ち切ってしまいます。
 しかも、平然としているもののどうやらトイレまで経験したご様子(汗)

 完全に白石のペースなんですよね。
 これ、男の方が内気・弱気なキャラだった場合は珍しくないんですよ。『僕と彼女の×××』『AKUMAで少女』『先輩とぼく』とかでも元女側が主導権握ってますもんね。
 しかし、『山田君と7人の魔女』は男の方が不良であるにもかかわらず一向に自分のペースで行動できない! これは面白いですよ。というか、こっちの方が面白いですよ!
 だって、内気な少年が女の子になって、一層受け身キャラになって……じゃ当たり前すぎるじゃないですか。男らしいキャラが女になって、それでも振り回されてしまうのが面白いんです。

 とはいえ山田だって思春期の男の子です!
 やられっぱなしじゃありません。女子トイレに入って下着姿(+α)を拝むぐらいはしますよー。

 でも根が善人なのか、白石のイメージを崩さないよう、人目につくところでは「女の子らしく」振る舞ってあげようとします。
 うん、「女の子らしく」です。
 あくまで男子がイメージする「女の子らしく」です。
 過剰なまでにきゃぴきゃぴした「女の子らしく」です。
 つまり……「本物の女の子らしく」は、それ以上に「白石らしく」はないんですよね(笑) おかげでことごとく空回り。

 ここまでは、「TSモノとしての面白さ」を徹底的に押さえた王道的な作りなんですが、白石の体で過ごすうち、山田は彼女が抱えている事情を身を持って知ることになり――
 
 単なるコメディの道具として入れ替わりTSを用いるだけでなく、捻りを加え、さらに一歩踏み込んだ物語作り。
 一話読み切りとしても通用する綺麗なまとめ方であると同時に、連載の導入としても申し分ない内容。
 実に完成度の高い作品と言えますねー。これは当分、マガジンを購読する週が続きそうです……!

 ――ところで、『山田君と7人の魔女』ってタイトル、気になりますよね?
 最初は「魔女」って言葉から、入れ替わりの手段に魔法・魔術等が用いられるのかと思ったのですよ。
 しかし白石うららは(ちょっと厄介な事情を抱えているものの)普通の少女でした。
 となると、「魔女」とはもしかして「男にとって不可解な存在」である「女性」そのものを指しているのでは、という推測もできます。
 さらに、「7人」ってまさか……入れ替わり対象が7人登場するのか?と考えちゃいますよね。
 山田が入れ替わりによって「7人の魔女」――「7人の女性」を理解していく内容になるのでは、とか想像しちゃいませんか?

 いやいやいやいや焦るのはまだ早い。
 一般層向け作品での肩すかしは何度も食らってきたじゃないか。
 しかし……しかし、もし期待通りの内容になったとしたら、それはTS作品史に残る神作品となり得るやも……!
 妄想どまりになるかもしれませんが、まさかの超メジャー誌で目の離せない作品が始まったものです。
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