冬期アニメは『偽物語』『戦姫絶唱シンフォギア』『あの夏で待ってる』『モーレツ宇宙海賊』『探偵オペラ ミルキィホームズ第2幕』『輪廻のラグランジュ』あたりを「優先度・高」として視聴予定。あと『未来日記』と「グラン・レース」の惨劇を描いた11話が素晴らしかった『銀翼のファム』も視聴継続ですね。
いやー最近は観るの絞るのが大変ですね! 今期も豊作すぎですが、1話観た中でぶっちぎりでハマっているのは――
『戦姫絶唱シンフォギア』です!!
第1話「覚醒の鼓動」はもう5回観ましたしOPテーマ曲は即CD買ってフルバージョンをそらで歌えるようになりました。
なんでこんなに自分の琴線に触れまくるんだこのアニメ……!
あ、ただしかなり人を選ぶと思います。自分みたいに「超面白い!」と思うか、「わけがわからない。合わない」と思うかにはっきり分かれるでしょう。
だってこのスタッフ、趣味全開で作ってます! おそらく今後も「作りたいものだけを全力で作っていく」方針じゃないかという予感がします。果たして自分は最後まで振り落とされずにいられるのだろうか?
でも現時点で自分にとっては超絶面白いので、そのままガンガン突っ走っちゃってほしいところです。
・「シンフォギアにおける歌」
シンフォギアを観た人の反応に「マクロスっぽい」というものが多数見受けられます。
確かに、「アニメと劇中曲の関係」、パッケージングという点では似ているでしょう。多分今後『娘たま』みたいな形でアルバムが発売されたりするでしょうっていうかしてくれないと困ります早く買って歌えるようになりたいんで!
しかし「劇中世界における歌の役割」となるとだいぶ違うんじゃないでしょーか。
自分の認識だと、マクロスにおける歌はあくまで「士気に影響を与える」ものです。「戦場で歌う」ことはあっても、「歌ったら敵機が爆発四散した」とか「銃やミサイルの威力が上がった」ことはありませんよね? あったら教えてプリーズ。
シンフォギアにおいては、「歌うこと=実際に戦闘を行うこと」。歌わなければ使えない戦技がいくつもあるんです。
その観点でいうと、近いのはむしろ『ハーメルンのバイオリン弾き』における「魔曲」じゃないでしょうか。クラシックの曲をバイオリンやピアノで演奏をすることによって発動するあれです。
「魔曲」をアニメで実現するのは大変だったでしょうねえ……。原作である漫画だと、曲名さえ書けば良いのですよ。だから「火の鳥」とかを得意技にできる。
ところがアニメとなると、場面の雰囲気に合っているかどうかだけでなく、「ほんの数秒でもなんの曲かわかる」必要があるのです。流しっぱなしにできる支援系・操作系の曲ならばともかく、即効発動する攻撃魔法的な曲となると、使える曲はかなり限られてきます。その関係か、得意技が原作とは違ったりするんですよね。
原作ファンとしてはアニメ版『ハーメルンのバイオリン弾き』には色々と言いたいこともあるのですが、少なくとも「アニメと音楽」の関係においては、あの番組は相当頑張っていたのではないかと思います。
歌ってるキャラが無防備という違いはありますが、「アルトネリコ」って連想はまあ有りですね。自分はプレイしてないんで詳細は知りませんが、あれも戦闘と詩が直結してるそうですし。 (志方あきこファンなので、CDだけは1枚持ってたりします)
でもこう言いたい!
自分の観測範囲に置いてはいまだに同様の指摘をしている人はいないのですが――
シンフォギアにおける歌の扱いは、川上稔の小説群における歌の扱いに非常に近い、と。
最近は『境界線上のホライゾン』が脅威のクオリティでアニメ化されたこともあり、新たに川上稔を知った人もいるでしょう。
境ホラの中でも「通し道歌」を歌いながら戦闘を行うシーンがあり、印象に残っている人も多いと思います。が、川上稔の小説と歌の関係はそれだけに留まりません。
旧来のファンは熟知していることと思いますが、前シリーズである『AHEADシリーズ 終わりのクロニクル』や『都市シリーズ』においても歌が重要な役割を果たすことは多く、また作者あとがきでもBGM指定がなされるなど、相当音楽を意識しながら執筆されているのは確実。
中でも歌と戦闘が直結しているのが、都市シリーズでも比較的初期の作品、
『奏(騒)楽都市OSAKA』です。
・歌を歌えば必殺技発動!
『奏(騒)楽都市OSAKA』には「神器(リズム)」と呼ばれる戦技が登場します。
音楽に個人固有の詞(ことば)を乗せ、歌うことによって発動させます。「左神器(ワインドリズム)」は短音なのであまり「音楽」という感じではありませんが、「右神器(オーバーリズム)」と呼ばれるものはモロに歌です。
作中の描写はこんな感じですね。
「竜帝! 雷神起動!」
叫ぶなり、竜帝が全身から応えて吠えた。
謳!
金属の義腕が装甲を震わせて咆哮する。一定音律の振動は神器と同じ音楽を容易く生む。
竜帝が謳う叫びにあわせ、妙子は自分の詞を唄った。
雷をを呼ぶ叫びの歌を。
Nobody middle.
There're no live and die too.
Everything is ruin or arrive.
No one. No one. No one…….
竜帝がその肩から、拳から、爪からも青白い放電を放った。
(『奏(騒)楽都市OSAKA』上巻P182〜183より)
自分にとって、「歌うことによって戦闘」となると、真っ先に頭に浮かぶのがOSAKAにおける右神器なのです。
だからシンフォギア第1話で奏が歌いながら変身、戦闘を行い、戦技を繰り出すのを観た時には「右神器(オーバーリズム)だと!?」と驚愕・歓喜せずにはいられなかったのです。
まさかこんな演出をやってくれるアニメが出てくるとは……! 「魔曲」でさえ相当大変だったと思うのに歌ですよ!?
まあ、最終的に何が言いたいのかといいますと――
『戦姫絶唱シンフォギア』を面白いと思った人は(古いから入手難度高そうだけど)『奏(騒)楽都市OSAKA』を読んでみてほしいし、『奏(騒)楽都市OSAKA』が好きな人には『戦姫絶唱シンフォギア』を観てみてほしいってことです(^^)
2012年01月14日
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