以前こちらの記事でも紹介した、フクイタクミさんの『ケルベロス』。
7巻はいよいよ鴉崩編の後半戦、というか本番です!
「冬子先生の肉体」を自分の身体にした鴉崩。
彼は冬子の記憶を利用することで景の戦意を削ぎ、かつ冬子の肉体を盾にすることで、一方的に景を攻撃します。
ほぼ完全に乗っ取られ身体の一部が異形と化した冬子先生に散々痛めつけられ、言葉でも弄られる景。
「敵に乗っ取られた(or操られた)身近な女性にいたぶられる主人公」というシチュエーションが好きな人間にはたまらない内容です!!
困りますよフクイタクミ先生! どんだけわたしの性癖刺激してくれるんですか!
要所要所でわざと冬子先生の口調を真似るとか、あまりにもよくわかってる責め方です。
非エロですが激しく興奮せざるを得ません。
しかも、非エロでありながら絵的には確かにエロいのです。
鴉崩に乗っ取られた冬子先生が、景を痛めつける時に浮かべる恍惚の表情。嗜虐の悦びに歪む口元。
景を追い詰める時にあえて見せる、優しげな笑顔。
どれも大変エロいです……!
これ読んで目覚める少年が出てくるんじゃないかと期待しちゃいます。
まあ、おっぱいも結構強調されてるんですが(爆)
そして、こっから鴉崩編終盤の話なんで格納しますねー。思い切りネタバレします。
再度言いますけど、ネタバレします。「憑依モノとして鴉崩編を語る」には避けて通れないことですんで。
いよいよ主人公たちの反撃が始まる7巻後半ですが、ここに来て、景の口から驚きの事実が語られます。
曰く「すんでの所でよけられる攻撃や わざと死なねえようにして… とろとろやってたのはお前じゃねえか…」
この言葉を聞いて鴉崩は激しく動揺します。何故なら自覚がなかったから。
「いたぶってやろう」という自分の意志でやっていたつもりが、もしかしたら冬子の意志に干渉されて、知らぬ間に手心を加えてしまったのかもしれない。
圧倒的優位な支配者側であるはずの憑依者が、支配されているはずの被憑依者から逆に影響されていた(かもしれない)というシチュエーションですよ! これは美味しすぎる!
そして、これは疑惑では終わりません。
不可能と思われていた「崩と冬子の分離」が成し遂げられ、形を持たぬ崩本来の姿で現れた鴉崩。
彼はこれまでと違って、まったく勝算がないにもかかわらず、正面から景に勝負を挑んでしまいます。
そんな鴉崩、最後の言葉は――
墓送りか…
くそ…ヤキが回った
それ見たことよ…らしくもなく勝負なぞするから…
負けてしまった…
冬子め…お前のせいだ…
存外に強い魂を持っていたお前のせいだ…
お前の生徒共のせいだ…
ああクソこしゃくだ…
本当に… フン…ッ
ヤキが 回った…
高い知能を持ち、人間の乗っ取りを好み、その記憶と姿を利用することで常に優位に立って人を苦しめてきた鴉崩。
そんな彼が、乗っ取っていた相手に影響されて、らしからぬ真っ直ぐな終わり方を選んでしまう。
前半の、暗い快感を刺激する展開のみならず、このように美しさすら感じる箇所にまで「憑依モノらしさ」「憑依モノの良さ」が含まれている。なんという隙のなさでしょう。
おそらくわたしのような性癖の持ち主を狙って描いたわけでもないでしょうに、ここまで「憑依好きのあらゆるツボ」を押さえてくるとは……。驚愕せざるを得ません。
以前も書きましたが、「戦闘要素のある少年漫画における憑依」としては理想そのもの究極にして至高、そう言い切らせてもらいます。
2011年06月08日
この記事へのコメント
分かった。兎に角買おう。
Posted by あむぁい at 2011年06月12日 09:54
この前、本屋に単行本を発見したが、お金無くて買えないという罠www
Posted by 雷 at 2011年06月16日 13:31
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