2011年04月24日

寄生操り・憑依・融合……『ケルベロス』5巻以降を見逃すな!

 どのタイミングで書くか迷っていたのですが、ここらで(かなり偏った)応援記事を。

 フクイタクミ『ケルベロス』(少年チャンピオンコミックス)

 
 封印されていた化物「崩」を誤って解放してしまった十三塚景と、幼馴染の鶴原友恵。
 崩れに襲われた友恵を助けるため、景は狗骸・雪房と契約し、崩れを封印――「墓送り」にする「墓守」として戦うことになる。

 弱さを理由に逃げることなく、凶悪な敵に立ち向かう景の真っ直ぐな熱さがたまらない作品なのですが――それと同時に、一部の人間の性的嗜好のツボをやたらと突きまくる作品でもあります(^^;
 いやホント、最初はその熱さに惹かれて読み始めたんですよ?
 しかし、もうありえないレベルのコンボで自分の性癖を刺激しまくってくれまして!

 特に5巻以降は、自分と同じく寄生操りとか憑依(融合)&悪堕ちとかが好きな人間を大いに悦ばせる仕様となっております。






 
 まず5巻で登場する崩というのが、巨大な蛞蝓のような姿の「村抉(むらくじり)」。
 崩は人間を捕食するのですが、村抉の捕食方法というのが、人間の体内に卵を産み付け、卵から孵った子供が宿主の人間を操って本体の元に還ってくるのを、丸ごと食らうというもの。
 村抉の子供は人の体内でまた卵を産み、孵った子供は別の人間へと寄生します。
 経口寄生ですよ旦那!
 体内で卵を産み、また別の人間へと寄生し、また卵を産み……と、村抉の子供(と寄生された人間)はどんどん増殖していきます。
 村抉に寄生された人間は多幸感と「増やしたい」という欲求に支配されるため、自らすすんで子供を増殖させていくのです。
 笑顔を浮かべる少女の口内に覗く村抉の醜い姿はゾクっとしますね(^^)

 もうこの時点でたまらないわけですが! さらに追い打ち。
 天敵である墓守・景を排除するため、「村抉の子供」は寄生した少女の身体を無理矢理操って、景を徹底的に痛めつけます。もう容赦なく!
 勝手に動く自分の身体に泣き叫びながら、クラスメイトである主人公を傷つけてしまう少女に、守るべき相手に傷つけられる主人公。自分としては激しく興奮せざるをえない構図です!(爆)
 さらに「村抉の子供」は少女の心を浸食し、自らの意志で墓守に抵抗するよう仕向けます。
 本人らしからぬ形相で救いを拒絶する少女……いやあ、ご馳走さまでした。



 このように寄生操り方面で素晴らしい展開を見せてくれた『ケルベロス』5巻なのですが、実はその裏でも見逃せない事態が進行していました。
 子供の頃から景とつき合いのある担任教師・冬子に、鴉の崩がとり憑いていたのです。

 ここで基礎知識。
 崩は肉体を持たない魂だけの存在であるため、この世にある物質と同化して、それを自らの肉体として再構成します。
 1体目の崩・万治郎鼠は土塊で肉体を作り、2体目の崩・百代狸は木々と同化して肉体を作りました。
 同化する物質の生物・非生物は問いません。
 つまり……鴉崩は「冬子の肉体」を自分の肉体として使うことにしたのです。ああなんという外道設定!
 同化とか融合とか呼んでも良いのですが、自分は好みの問題から、冬子先生のケースだけ勝手に「憑依」と呼んでいます(^^)

 冬子先生の状態が詳しく描かれるのは6巻から。
 これがまた、憑依の理想そのものでして――

 @鴉崩は冬子の感情・欲求を操ることができる。
 当初は偵察に徹しているため、隠れ潜んでいる状態ですが、しばしば冬子先生の精神に干渉していたようです。
 おかげで冬子先生は、突然生徒に怒ってしまったり、逆に不自然な程あやすような態度をとってしまったり、色々と自分らしからぬ行動をとってしまって困惑しています。

 A勿論、冬子の意志を完全に眠らせて肉体を使うこともできる。
 こういう時は目つきや表情も完全に変わっています。たまりませんな!

 B冬子の記憶は、すべて完全に読むことができる。
 モノローグではっきりと語られています。
 「この冬子の脳内におさめられた記憶の全ては 今や体を支配するワシのモノ・・・」と。
 そのフレーズだけで妄想が加速しますってば!

 鴉崩は冬子の肉体と記憶を利用して怪しまれずに景に近づき、精神的に追い詰めたうえでその命を絶とうとします。
 いやもうどんだけ自分得なんですかこの展開……。

 景と鴉崩の戦闘本番はいずれ発売される7巻に収録されることになるのですが、これがまた「戦闘要素のある少年漫画における憑依」としては理想そのもの究極にして至高。
 見たかったすべてを完璧に描き切ってくれました。

 憑依好きなら、『ケルベロス』7巻は決して買い逃すな!

 できれば発売時、またあらためて記事を書きたいものです。
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