面白さと不安が同時に高まるのよね! 繊細な描写も健在の群像劇です。
びっけ『あめのちはれ』4巻(ビーズログコミックス)
高校生活&性別変化が始まって一ヶ月が過ぎ、葉月たちの「女の子としての」人間関係も徐々に深まってきました。
背が高くて格好良い雰囲気の円は知名度も高まってきたらしく、後輩の女子からラブレターを。
葉月(月子)は勉強会の口実で明日美の家にお呼ばれ。こっちはあくまで友達としての関係なんですが、連絡を受けたトーマは「あーーーー今のままじゃ倒錯的すぎだ!!」と一人で騒いでます。
大丈夫だよ! 君らの場合、男子といい雰囲気になっちゃう方が倒錯的だよ! でも葉月はそっちのルートも進行してるよ!(笑)
明日美から「月ちゃん お兄ちゃんのこと好き?」と訊かれて「どうしてそうなる……!!!」と愕然としてたりしますが、むしろどうしてそう思われないと思うのか訊きたい! お前寮長と話してる時の表情鏡で見てみろ。あと、たった今明日美に答えてる時の表情もな。
また五郎丸の方は、これまで嫌な印象を抱いていた桜子と女子状態で接触。
アクシデントから守ったことがきっかけで桜子の素の言葉に触れたりして、思わぬ接近を。
性別変化が原因で新たな関係が築けたり、より親しくなったりというのは勿論のこと面白い。
しかしそれは同時に、抱える事情がバレる危険性と、バレた時のダメージが増していくということにも繋がるんですよな。だからもう読んでて落ち着かない! ハラハラする!
彼らの秘密は女子になってる時のみならず、男子に戻ってる時にも影響を及ぼします。
デート中の恋人相手に「ブラしてないの?」とぽろっと言っちゃう円には噴きましたね。それは男子が自然に言ったら不自然だ!(笑)
同性じゃない、同性じゃないんだよ(^^;
他の皆も、細かいところでぽろっぽろっとヒントをこぼしてしまったりして、周囲の人間に怪しまれ始めています。
そろそろ大波が来そうな予感……。
しかし一番深刻なのは不定期の性別変化ゆえに「突然の肉体変化そのもの」が交際の障害となるってことですね。
1巻では葉月がそれでピンチに陥っていましたけど、今度は真城ちゃんが厄介な事態に。
人間関係全般に奥手そうな子なのにやたらとディープな事情も明らかになって、これから待ち受ける難事を切り抜けられるのかが気になるところです。
1巻読んだ時には「ハルちゃんのサポート能力チートすぎる……」と思ったものの、日常生活を送るのがこれだけ厄介となると、それなりに強力な支援がなきゃ話が広がらないんですよね、うん。
ふと気付いたんですけど、この作品「性別変化のスイッチ」ははっきりしていますけど、そもそもの「性別変化の原因」は4巻に至っても未だに描かれていないんですよね。ぼやけたまま。
でも、この作品特有の雰囲気にとっては良い方に作用していると思うので、当分明らかにならなくても良いんじゃないかなと思います。
繊細な描写と雨に霞む空気感が大きな特色ですので、今の雰囲気を楽しみ続けたいところです。
2011年02月06日
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明らかに寮長も意識してるよ!
自覚無く距離感が間違ってて男相手にフラグ立てまくるのは基本っ!
そして地味にメンタリティが「女の子」に汚染されてきてるのも(笑)
もー葉月は美味しすぎですわ(笑)
寮長から見た時に自分がどんだけ女の子してるか、気付いてないんだもんなあ。