TSを含めてもTSを抜きにしても本っっ気で面白いから、まだ1冊も読んでない人は今からでも追っかけた方が良いですよ。
壁井ユカコ『クロノセクス×コンプレックスB』(電撃文庫)
2巻では元男子ならではの気安さで、女嫌いの男子生徒バーニーに急接近してしまった三村。そーなのよ女の嫌な部分を持たないTSっ娘は、男のハートを掴みやすいんですよね。当人が女子コミュニティにげんなりしていれば尚のこと、男子との距離は縮まりやすいというもの。
そんなわけで壁井ユカコさんわかってるぅ!と快哉叫ばずにはいられなかったわけですが、3巻でもやってくれました!
カラー口絵にも描かれてるんで、これはもう言っちゃっても良いでしょう。
ミムラin三村×三村inミムラなシーン来たーーーーっ!!
三村朔太郎になったミムラ・S・オールドマンは元女子にもかかわらず、三村朔太郎だったころの三村朔太郎よりも男前で、ミムラ・S・オールドマンとなった三村朔太郎を余裕の表情で押し倒しちゃうのです。
「この際だから、お互いに“初めて”を“自分自身”と経験してみるのも面白くない?」
なんて言っちゃって!
一方の三村inミムラは精神面でも圧倒されるわ女の子の華奢な身体では抵抗できないわで涙目で慌てふためくのですよ。
なんて美味しそもとい可愛い。
このシーン(&イラスト)だけでご飯3杯いけるというものですね!
何度ツボを突いてくれるんだ壁井ユカコさん!
入れ替わりなのに入れ替わり相手が登場しない、と嘆いていた方にも喜ばしい展開ですね。
……とまあ、TS嗜好を刺激するシーンでつい盛り上がってしまうのですが、2巻を読んだ方にはご存知の通り、三村には残酷な事実が告げられます。
失意のままクロックバードで無為に時を過ごす三村。
そんな彼のために時間魔法を使ったオリンピアが、再び事件を起こして……。
オリンピアの動機は良いとして、この大騒動は必要なのか?と最初は思ってしまったのですが、この事件が一気に三村をすべての真相へと近づけることになるんですよね。切迫した状況で辿り着いた、身体の中が冷え切るような答え。読んでいて、彼の必死さに共感してしまう展開、上手いです。
1巻から匂わされていた物語の核心は、当初の不安を更に上回る重苦しさを持って立ちはだかります。
普通に考えて、三村の進む先には大惨劇しか見えない。
三村の目にも、惨劇しか映っていない。
だから、1巻を読んだ時から物語がどう着地するのか怖くて仕方なかったのですが……。
――ここに来て盛り上げてくれました!
面白い。凄く面白い。この要素は考えていなかった。
ここから先は完全に未知の世界。けれど旬のラノベの中で屈指の面白さであることは確信できる。何を見せてくれるのかどう魅せてくれるのか、実に楽しみです。
2010年11月06日
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