作者買い以外で1巻を買ったやつの大半! ネタ漫画だと思って、買っただろう?
そりゃあ表紙が普通の魔法少女モノで、中じゃあボディビルダーのおっさんが魔法少女役こなしてると聞けば、表紙詐欺のギャグだと思うわな。
(知らない人のために言っておくと、変身しても容姿体格は変わらず衣装を無理矢理着てる誰得状態)
でも違ったんだ。
ネタで終わるような作品じゃなかったんだよ。
読んだ人はわかると思うけど、主役・高田厚志さんは魔法少女の格好でボディビルのポーズ取って喜んでる変態じゃない。
大人としての義務を果たすために危険を自ら引き受けた、最高に格好良い覚悟ある漢なんですよ。
2巻帯では虚淵玄さんが「これで本当にカッコイイもんだから始末に負えない」と書かれてますが、まさにその通り。
そして、物語が本格的に動き出すこの巻において、この漫画の面白さは危険域に突入する――!
KAKERU『魔法少女プリティ☆ベル』2巻(ブレイドコミックス)
ネタバレといえばネタバレになってしまうんですが、まあ予想可能な展開ではあるしちらほら情報も流れてるだろうし、一応「追記」表示にしてるから良いよね、ということで。
2巻ひとつ目の見せ場は、真・プリティ☆ベルの誕生!
実は1巻表紙は詐欺ではなかったのだっ。もう1人の適合者である美咲エリちゃん(10歳)が、ついにロッドで変身します。
が……、これが、もう、反則的というか。
どっかの白い悪魔が可愛く見えるというか。
鎧袖一触にもッ……程があるッ……!!
「不条理を捻じ伏せる不条理」「理不尽を踏み躙る理不尽」という作中の表現が、おそろしいほど当て嵌まる。
どれぐらいヤバい「戦力」であるかは、直に見ていただいた方が良いです。うんわたしから聞くなんて勿体無い。
そんな作品世界を破壊しかねない存在が登場してしまったら、厚志さんの出番がなくなるかというとそんなことはなく。
大人にしか出来ない役回りをしっかりこなしてくださいます。流石の迫力だなあ……。
真・プリティ☆ベルの登場によって、この漫画は本格的にその本来の姿を見せ始めます。
それがよーく表れてるのが、エリちゃん覚醒を受けてのプリベル関係者会議。
ずらっと挙げられた当座の問題の中に
「エリちゃんの力が圧倒的すぎて軍事バランスが崩れ大規模紛争の懸念」
というのがあるんですよ。
……おい……軍事バランス? ……大規模紛争?
これって、魔法少女モノだよな?
――とツッコんでいられるのはこの頃までです。
すぐに、危険極まりない新「戦力」の誕生を受けた四大魔王軍による会談が開かれて、脳味噌全部持ってかれますんで。
会談に先立ってミルココが各魔王軍の説明してくれるんですが、その時点で面白いのなんの。そうか、こういう世界観だったのかっ!
一番インパクトあったのが東軍の説明ですね。
「平和主義を標榜し実際そのように動いてますが本心はわかりません」
って超噴くんですが……。それはあれか、海外から見たこの国か(^^;
しかも東の魔王ジロウ・スズキが怖ろしくも格好良いんですよ。
何といってもこの台詞。
「私は「平和主義者」です
最も平和な結末になると思われる判断をします」
……どちらかと言えばむしろ穏やかな、薄い笑顔を浮かべながらこんな言葉を発するんだから怖いのなんの。
この後もうちょっと噛み砕いた説明もしてくれて、そっちの方が具体的に物騒な言葉が出てくるんですが、やっぱりこの台詞が一番怖いですね婉曲的な分。
世界の命運を左右する大物ばかりの会談だけあって実に熱く、盛り上がるったら!
それにしても……魔法少女の扱いで「戦力」はともかく「運用」なんて言葉が使われるの、この漫画くらいじゃないですかね……(汗)
でも実際、そういう扱いをせざるを得ないんですよ。あれ、大量破壊兵器ですから。
そんな痺れる四大魔王会談を頂点とすることなく、引き続き立て続けに重要な展開がやってくるのがまたたまりませんね。
個人的な趣味としてはニャルラト……いや、この世界ではナイアルラトホテップですか。かの魔王が実に正しく「這い寄る混沌」らしい策謀をめぐらしているところに喜んでしまいましたよ。
その企みが「魔法少女モノのお約束」を呼び込むことに繋がっているというのがまた面白い。
きな臭い世界観と、陰謀によって成立する「魔法少女モノのお約束」。
この融合がこれからどんな展開を見せてくれるのか、楽しみでなりませんしもう毎月目が離せそうにありません。
2010年09月11日
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