劇薬注意!!
とんでもない作品と出会ってしまいました……。
伊藤ヒロ『アンチ・マジカル〜魔法少女禁止法〜』(一迅社文庫)
あらすじは裏表紙から引用。
「『魔法少女禁止法』制定から10年。
一切の魔法少女活動が禁止された世界で、
引退を拒否して非合法のまま活動を続ける魔法少女がいた――。
気弱で女の子みたいな所のある少年・佐倉真壱は、
彼女に助けられたことがきっかけで女装魔法少女となり、
元魔法少女を狙って起こる事件を追いかけることに……。」
ここまで読んだだけだと、「ああ、元々可愛い男の子が女装魔法少女に変身する、よくあるコメディねはいはい」思ってしまうかもしれません。
ていうかわたしがそう思いました。それでもなんとなく買いました。
けれど、本当に注目するべきだったのは「女装魔法少女」じゃない。
「非合法」の三文字だったんですよ……。
多くの魔法少女チームの乱立・活躍により、人類を狙う怪物が全滅した世界。
魔法少女たちの超人的な力は、一般人から恐怖の対象となっています。
「魔法少女禁止法」の施行により、魔法少女に変身し、あるいは魔法を使って人間を攻撃した場合、一般人よりも厳しく罰せられます。
そんな社会において、信念を曲げずに犯罪者と戦う魔法少女が描かれるわけですから――
パロディではありつつも、徹底的にシリアスで、ハードな物語となっています。
あまりにも生々しい描写・出来事が多いので、事前知識があってもぎょっとしてしまうかもしれません。
しかし……間違いなく面白い。
気軽に手を出すのはやめておいた方が良いと思いますが(多分ドン引きする)、以上の情報を得てもなお気になるようなら、是非読んでいただきたいところです。
――続刊絶対必要ですし!
ところで、作者の伊藤ヒロさん、BLACK CYCでシナリオ書かれていた方だそうですね。
担当された作品をプレイしたことはありませんが、ブランド名だけで納得のいくものがありました(^^;
もっと作品の雰囲気を知りたいという人のために、序盤から少しばかり引用。
殴られた拍子に一瞬、頚椎があり得ない方向へと捻れた。人間の首は強い衝撃を受けるとそうなるように出来ているものだ。喩えば大規模な交通事故に遭ったり、或いは魔法少女に右フックで殴られたりすれば。きっと何年もムチウチの後遺症に悩まされることだろう。
同時に唇からは「おぶっ」という呻き声と、血と、折れた歯が何本も飛び出した。これまた魔法少女に殴られた人間の一般的な反応だ。
「お゛……うお゛おおおおおっ! お゛おおぉおおおおおおおおうっ!」
男は痛みと衝撃でびくびくとのた打ち回る。
言っておきますけど、これ序の口ですから!
後半こんなものじゃ済みませんから!
それに、ある魔法少女の末路とか、規制に引っ掛かってメディアミックス出来ないレベル……。
それから、このブログの性質上、一応書き記しておきます。
女装変身以外に、TS要素あり。
ごくごく僅かなシーンですが。
ただ、この作品を女装モノに分類するのもTSモノに分類するのも抵抗があるんですよねえ。
あえて言うなら、「非合法魔法少女モノ」でしょうし。
トランス系の作品として見た場合は、「自分を助けてくれた魔法少女への憧れ」の描写はなかなかのものだったと思いますけど。
2010年07月20日
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