「この家か? 前から目をつけてたっていうのは」
「ああ、美人の奥さんと娘がいるんだが、旦那はぱっとしないやつでな。正直、あんな男にゃ勿体無い幸せだ。だから……」
「俺たちが少しぐらいお裾分けしてもらったって構わないよな、ってか?」
「少しぐらいなんて言わずに、な。くくっ」
眩しいぐらいの陽光が降り注ぐ、日曜日の午前中。爽やかな空気に似つかわしくない存在が二つ、不穏な意思を放っていた。
その不可視の存在――二体の幽霊は、空中に浮かんだ状態で、足元の一軒家を眺めている。どれだけ日の光が強かろうが、彼らの行動が制限されることはない。何時だろうが何処だろうが、彼らは望んだ時に望んだ場所に行けるし、居ることができる。
それは空間に限った話ではない。生きた人間の身体の中でさえ、彼らは心地の良い居場所とすることができる。
「ちょっと待たされたが、邪魔な旦那が出張中の今は絶好の機会だ。存分に楽しめるぞ」
「おう。それで、お前はどっちに憑依するんだ?」
「清人から決めていいぞ。ああ、ちなみに娘の方はまだ中学生で、母親も30代半ばだ」
「そりゃ若いな! ま、俺はその中でも若い方を選びたいけど……」
「娘の方か? 俺は構わんが、あえて母親の方に憑依して娘を愛でるって手もあるんだぜ。身体を外から見られるしな」
「む、それもそうだな……んん」
「まあ、しっくり来なけりゃ途中で交代すりゃいいだろ。俺も両方楽しみたいしな」
「だな。じゃ、初めは娘の方で。そういや、名前はなんていうんだ?」
「娘は菜摘。母親の方は由比子だ」
「菜摘ちゃんね、了解。それじゃあ、由比子さんの方は頼むぜ、祐介」
「ああ、たっぷり楽しもうぜ」
二体の幽霊は宙を滑るように移動すると、窓をすり抜け、家の中へ入っていった。
津山菜摘は自室で勉強机に向かっていた。特別に勉強熱心というわけではなく、朝のうちに宿題を済ませて、後で心置きなく遊ぼうと考えているだけだ。そんなだから、解答に詰まる度に視線が時計へと移り、かすかにため息を吐く。今も答えに悩んでいるらしく、肩口で切り揃えた真っ直ぐな髪の毛に指を絡ませている。
――と、寒気でも感じたかのようにぶるっと震える。右手に持っていたシャーペンがノートの上に落ちた。
しかし、それ以上の変化を見せるわけでもなく、すぐにシャーペンを拾って、再度問題に取り組む。
いや、変化はわずかにあった。口元に得意げな笑みを浮かべ、さっきまで詰まっていた問題を次々に解いていく。菜摘はキリの良いところまで進めてから手を止め、「んっ」と伸びをした。
椅子にもたれかかって脱力すると、両手をぽてんと太ももの上に落とす。シャーペンを持ったままの右手が、そろそろとミニスカートの中に潜り込んでいく。
「んっ……んん……」
逆さまに持ち替えたシャーペンの尻の部分が、ショーツ越しに股間を撫でる。生地を食い込ませながら割れ目の上をなぞると、菜摘の口から悩ましげな声が漏れる。
「んふっ……んっ……ふぅ……ぅぅんっ」
軽く身を捩りながら優しく秘所を擦り続ける。空いていた左手も、そろりそろりとTシャツに包まれた胸の膨らみに伸びる。
「ふふっ。んっ……はぁ……ふっ……んんっ……」
最近自己主張を強めつつある胸を鷲掴みにした時だけ、菜摘の口元がニヤリと歪んだ。まるで、自分の胸の感触を味わうのが嬉しいかのように。
歪な笑みはすぐに消え、彼女は再び快楽の探求に集中する。シャーペンの尻で割れ目を撫で上げ、その上にある突起を軽く押すと、漏れ出る声がボリュームを増した。
「はぁうっ……! ぅんっ……はぁっ……あっ、ああっ」
ぐりぐりと執拗に突起を刺激し、そこから湧き出る快感に浸るかのように瞳を閉じる。頬はわずかに紅潮し、胸を弄る指先にも力がこもる。
己の手で快楽を貪ることに夢中になっていた彼女は、階段を昇ってくる足音にも気付かない。
「何やってるの菜摘!!」
突然の怒声とともに開かれたドア。そこから遠慮なく入ってくる母・由比子を見て、菜摘は慌てて立ち上がった。スカートの裾の乱れをぱたぱたと直す。
「わ、わわ、お、お母さ、あ、えと」
ドアにほぼ背を向けるような形で座っていたため、たった今何をしていたのか、細かいところまでは母親に見られていないはず。そう考えたのか、菜摘はしどろもどろになりながら言い訳を始める。
「そ、その、宿題で詰まっちゃって、ちょっと悩んだり、唸った、り……」
菜摘の苦し紛れの釈明にも、母親の厳しい表情は変わらない。
「き、気分転換! そう、気分転換にね!」
「――あのね菜摘。部屋の外まで声、聞こえてたのよ」
真剣な声色でぴしゃりと遮られ、菜摘の表情が固まる。観念したのか、それ以上の言い訳が口をつくこともない。
「気分転換に、何をしていたの。言ってみなさい」
「そ、それは……その……」
「言ってごらんなさい。言えるでしょう――わたしはオナニーぶっこいてました。部屋の外まで聞こえる大声でよがってました、ってさ」
真面目な表情を崩さないまま、突然母親が卑猥な言葉を口走る。あっけに取られている娘に対し、由比子はニタリと下品に笑ってみせた。
「なんだやっぱり祐介じゃないか! もしかしてまだ憑依してないのかと思ってドキドキしたじゃねえか」
菜摘も一転、表情を崩して男のような口調に変わる。
「ははっ、ちょっとは成り切ってみるのも面白いかと思ってな。なんだよ、本気で焦ってたのか?」
「いや、記憶を引き出しながらオナニーしてたからさ、結構引きずられてて、『まずいとこ見られた!』って思っちゃったんだよなあ」
「けど興奮するだろ? 乗っ取った女の人格を味わいながらエロいことするのってさ」
「ああ、まったくだぜ。『わたしは変態になっちゃった女の子なんだ』って思いながらスると、また一味違うんだよなあ――って、な、なんだよお前、そんなヤバい顔して」
若干引き気味の表情で後ずさる菜摘に、目をギラつかせた由比子がにじり寄る。
「い、いや、ちょっとな。由比子さんの記憶を追体験してたら、お前――菜摘をどれだけ大切に思ってるか、噛み締めてたのよ。ああ、それなのにわたしは、今から実の娘を……はぁ、はぁ、お、犯そうと……ああっ!」
衝動を堪えるかのように、両腕で自らをかき抱いて身悶える由比子。
「お、おい祐介、ちょっと落ち着けよ」
「やだ菜摘ったら、祐介って誰のこと? それに、落ち着くなんてできないわ。この葛藤が良いんだもの。うふ、うへへ、わたしの可愛い菜摘ィ、あなたも早く菜摘に成りなさぁい」
壊れた笑顔を浮かべる母親に迫られ、菜摘は引きつった顔で頷いた。
「あ、ああ。……ううん、わかったよ、お母さん」
飢えたケダモノのような目をした母親が、まだあどけない顔立ちの娘をベッドに押し倒す。
「きゃっ? や、やだ、お母さん、どうしたの!?」
「うっふふふ。菜摘、お母さんがイイこと教えてあげるからね。ちゅっ!……んむっ……ふむンっ……」
「んうっ?! んーっ? んぅっ! ふ、ん、んむぅっ!」
実の母親に唇を奪われ、目を白黒させる菜摘。そんな娘の口腔内を、由比子は長い舌を蠢かせて、容赦なく蹂躙していく。
「じゅるっ、ん、むン、ちゅうっ、れろ、んぢゅっ」
「んぅ、ふむぅ、ん、ぢゅるぅっ、んんぅんっ!」
「ぢゅる……ぷはっ。菜摘のおクチ、凄く美味しかったわよ」
「ひ、酷い。ファーストキスもまだだったのに……なんでこんなことするの?」
涙目で訴える娘を、由比子は口元を一層歪ませて見下ろす。
「なんでって、あなたが可愛いからに決まってるじゃない。こんなに可愛い女の子がわたしのモノ……わたしの娘……うひひ、もっと凄いことしてあげるからねぇ」
「ひっ! やだ、お母さん、おかしい、嫌っ!」
怯えて逃げ出そうと暴れる菜摘を押さえつけながら、そのTシャツの裾を胸の上まで捲り上げてしまう由比子。露わになった白く瑞々しい肌に、べろぉっと舌を這わせる。娘の臍から胸の下まで唾液の痕を伸ばす由比子の表情は、嗜虐の喜びに満ちていた。
「はぁ、はぁ、うふふ、綺麗な肌……まだ中学生だもんね。でも、今日お母さんがたっぷり汚してあげるわぁ」
シンプルなデザインのブラも手早く外し、裸になった控えめな乳房を手で弄ぶ。
「い、嫌ぁ……」
「へへっ、ここまで大切に育ててきたかいがあったわ。こんなに大切な娘なのに、母親のわたしの手で無茶苦茶にしちゃうのね。はぁ、ふぅ、この背徳感はたまんないぜ」
「お、お母さん……? 何言ってるの?」
「わかんなくていいのよ。ああ、美味しそうなおっぱい。ちゅっ」
乳房を優しく愛撫しながら、桜色の先端を口に含む。
「ちゅ、ちゅっ、れろれろ……ちゅぶうぅっ」
「んっ……はっ……やっ、そんなとこ、あっ」
「うふふっ、どうしたの、乳首が勃ってきたわよ」
「や、やぁ……お母さん、もうやめて……」
恥ずかしそうに目を逸らした菜摘は消え入りそうな声で懇願するが、由比子が止まることはない。舌で乳首を責めながら、スカートの奥、さらにはショーツの下にまで手を潜り込ませ、娘の大事な部分に触れる。
「あらぁ、こっちも濡れてるじゃない。もうそんなに感じちゃったの? いやらしい子ね」
「ち、違う……」
「そうよね、違うわよね。わたしが弄る前に、自分でオナって愛液垂れ流してたのよね。ほらここ? ここを弄ってたの?」
「ひぁっ、あっ、そんなとこ、触っちゃ、お母さ、あぅっ!」
下着に隠された敏感な部分を責められ、菜摘の口から艶っぽい声が漏れる。
「あっ、あっ、はァっ、あンっ! や、ああっ!」
「くすくす、いい声で鳴くわねえ、菜摘。そんなにおま○こがイイの? だらしなく涎たらして、もう指がびしょびしょよ」
「やだ、ヘンなこと、言わないで、んあぁっ! お、お願い、もうやめてぇ」
「あら、まだわたしが満足してないのに、やめたりなんかしないわよ」
そう言って自分のエプロンとスカートを捲り上げる由比子。その下には何も着けておらず、恥毛の奥がぬらりと濡れ光っているのがわかる。
「え、な、なんで……」
「ふふっ、パンツなんて邪魔だから先に脱いじゃってたわ。台所の掃除してたのに、急に我慢できなくなってコいちゃったのよねえ。菜摘を犯すこと考えたら興奮しちゃって。もう今でも疼いてしょうがないわ」
変態的なことを口走る由比子は自慢気ですらある。既に口だけの抵抗となった菜摘のショーツを脱がせると、持ち上げた片脚を抱きかかえるようにして、その股間に自らの体を割り込ませた。娘の秘裂に自分のそれを触れさせ、擦り合わせる。
「あっ、あっ、あっ、はァっ、気持ちいいわよ、菜摘っ!」
「んあっ、あっ、ああんっ」
「ああ、実の娘とこんなことやれるなんて、たまんないわあ。あっ、あふっ」
「だ、だめ、おかしくなっちゃう、お母さ、ああっ」
「んはァっ、いいのよ、おかしくなっちゃいなさい。もっと喘いで、もっといやらしい顔をお母さんに見せてっ」
ぬちょぬちょと音を立てながら股間を擦りつけ合う母娘は、美しい顔をだらしなく崩しながら、腰の動きを激しくしてゆく。
「あっ、ああっ? な、なんかキちゃう、よ、あっ、やっ、あっあっ、はっ」
「イっちゃう? イっちゃうの菜摘っ。わたしも、一緒にっ、あっあっあっ、んあっ!」
「んぅっ……! はあああああっ!!」
「ふあああぁンッ! あっ……んはァ……」
ベッドの上で服を乱してぐったりと横たわっている母娘。しばらくは陶然とした表情でお互いを見つめ合っていたが、やがて母親の方が体を起こす。
「ふう。いやあ燃えたなあ。清人が菜摘ちゃんに成り切ってくれたから、俺も興奮したよ」
その言葉を受けて、娘もニヤリと笑いながら応える。
「そりゃあ何よりだ。なんだかスイッチ入ってるみたいだったし、今回はお前を楽しませることにしといたよ。ま、俺も楽しめたけどな」
「ははっ、ありがとな。……さて、一区切りついたし、出掛けるとするか」
「? どこへ行くんだ?」
「旦那が帰ってくる前に、その体を仕込んどきたいからな。道具があった方がいいだろう?」
乱れた服を整えながら答える由比子は、この日見せたどの表情よりも邪な笑顔を浮かべていた。
(つづく)
2010年02月14日
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記憶をよみながらのなりきり親子レズシーン、個人的に非常に好きなシュチュエーションです。
堪能させていただきました^^
出かけてどんな仕込みをするんでしょう。
また、さえないだんなさんが帰ってきたら相手に可愛い娘と綺麗な奥さんの姿で騙しながら禁断のセックスを迫るのか。
この後もたのしみにしてますね。
お読みいただきありがとうございます。
そしてご心配をおかけしました! この週末にだいぶ元気になりましたよ。
前々から書きたかったネタなのですが、手をつけるのがすっかり遅くなってしまいました。
書いていてどうにもぎこちなさを感じましたが、変態っぷりが表れていれば幸いです(^^)
後半の展開もきっと興奮いただけると思いますので、しっかり力を入れて書きたいです!
記憶を引き出して本人だと思いこみながらするっていうのはいいですね…本人っぽく振る舞いつつも変態っぽいところがいいと思いますw
たまりませんね。
堪能させていただきましたよ。
次回も楽しみです。
お読みいただきありがとうございます。
「禁断の関係」をフルに味わうには、やっぱり記憶を引き出しながらのプレイが一番だと思うんですよね(^^)
どこまで成り切らせて、どの程度素の台詞を出すかは迷いましたが。
>Tiraさん
お読みいただきありがとうございます。
母親に憑依して娘を犯させるというのは興奮しますね! 逆も好きですけど。
後半はさらに過激になりますので、ご注意を(^^;
久々の作品素晴らしいです。特に娘が^^w
自分もハプニングさえなければ、どっかで妄想爆発してただけに、なんか、癒された感じもw
お読みいただきありがとうございます。
通信回線のトラブルで、すっかりレスが遅くなってしまいました。
本っ気で久々のSSになってしまいましたが、楽しんでいただけて良かったです。
娘さんの年齢層はストライクでしたか(^^)