首やらお腹やらの不調が続いていて、全然創作に注力できません。げふん。
新旧入り混じりの積本崩しは、それなりに順調なんですけどね。
さて、4年前の発売なんでものすっごく今更なんですが、面白かったんだから仕方ない。
水瀬葉月『ぼくと魔女式アポカリプス』(電撃文庫)
いっそ微笑ましいぐらいに中二病全開の男子高校生・宵本澪(よいもと・れい)は、「面白い変わり者」だと認めたクラスメイトの少女・砧川冥子の行動を追っているうちに「代替魔術師」たちの戦いに巻き込まれる。
滅びた魔術種たちが人間を依り代として“根源闇滓(ルート・アンシィ)”を奪い合い、種の復活を目指す争い。その中で《翼人》という種の代替魔術師として選ばれた澪は、翼を生やした少女の姿で戦いに身を投じることになってしまう。
当時出回っていた感想や漂ってくる雰囲気から「TSは主体じゃないんだろうなー」と思っていて、確かにそうだったんですけど、予想していたよりはずっとTS要素が豊富な作品でした。
裸になって胸の感触を確認するやら、翼を収納して街へ出て、女物の服を(下着込みで)買わされて着せられるやら、知り合いに会って「ミオ」という女の子を演じる羽目になるやら、そのまま女子陣にスパへ連れ込まれるやら。
なんだよそういうことは早く言ってくれよもう。
当時出回ってた情報じゃあ、わたしの背中を押すには不十分だったんだよ。「TS要素アリ」なだけで無闇に飛びついたりしないんだぜーな気分だったんだもの当時。
ちなみに女体化の原理は、「顕化(アピアランス)した際、原初魔術師の姿を模した身体に一時的に変化してしまう」からというもの。つまり女になってる時というのは基本的に戦闘形態で、普段は男として生活しています。
TS界隈以外から聞こえてくる感想はひたすら「鬱グロ鬱グロ」というもので、これも発売当時に読むのを躊躇した原因。
いやわたしは鬱グロ耐性高い方なんですけど、どんなコンディションで読んでも平気というわけではないので、そりゃ後回しになると。
実際に読んでみたらまったく平気どころかかなり楽しめたので、さっさと手を出しておけば良かったと大いに後悔……。
とはいえ、重い展開の連続というのは確か。
まず、澪やヒロインの冥子が務めることになった「代替魔術師」という立場からして辛い。選択肢があまりにも少なく、リスクや負担ばかりが大きい。
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、ゼロどころかマイナスからのスタートで、しかもゴールと呼べるものがあるのかさえ不明とは……。
でも、この設定を持ってきたことには素直に感心します。読み物として面白いもの。
「選択肢を提供する」と言ったレンテンシアの位置づけも巧い。最初のうちは動機の読めないキャラでしたけど、最後の告白を聞いて完全に納得。
代替魔術師の戦いの果てに救いはなく、クライマックスの展開は心を抉ります。
悲劇を予想してはいたものの、真相はさらに上をいく悲劇でした……。
さて、真面目な(?)感想はここまでにして、どうしても言っておきたいことがひとつ。
澪のクラスメイト、機波草太というキャラクターが美味しすぎる。
腹黒ショタで、可愛く擬態しては次々に女の子を食い物にし、必要とあらば男にも腕ハグして甘えてくるって……なにそれ食っちゃうぞというか食われたい。
120ページ台の澪と草太の距離感がやたらラブラブに見えて、「もうお前らさっさとヤっちゃえよ」と思ったのがどっかの誰かさんに毒されたせいかどうかは定かではない。
2010年02月08日
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私も最後のこの締めが終わった暁に…
お気遣いありがとうございます。
早くあったかくなりますようにっ!