2009年12月13日

TSファンはブームに傲るな

 今年の秋〜冬にかけては、TSモノの商業作品が大量に発売されました。さらに、年末にかけても良作の発売が控えています。
 すべてがそうというわけではありませんが、個々の質も高くなってきており、TSモノならではの描写を充実させつつ、物語・商品としても面白い作品が増えてきたという印象があります。
 TS系サイト以外でも「最近急に増えたね」という声を聞くことがあり、ブームと言える状況なのは確かでしょう。

 しかし、浮かれてばかりもいられません。

 そのブームに対して、TSファンはどの程度関われているのでしょうか?
 該当作を探して、買って、紹介して、それだけで満足していませんか?
 太鼓持ちをやっているだけで「ジャンルの発展に貢献したぜ!」と思っていませんか?
 誰かが楽しませてくれると思っていませんか?
 巣に篭ってピィピィ鳴いていれば、エサが運ばれてくると思っていませんか?

 はっきり言って、TSファンには受け身の人間が多すぎます。
 作り手・送り手になろうという人間があまりにも少ない。
 需給バランスが完全に崩壊しているんです。

 他のジャンルであれば、「ブームが来た!」と世間が認知するより前に、ファン活動が活発になっています。
 認知度が一気に広まり、以前からそのジャンルで活動している人間以外もジャンル名を頻繁に口にする頃には、オンリーイベントも開かれます。

 しかし、TSジャンルはどうだったでしょうか?
 ブームにさきがけて同人サークルが増加するようなことはありましたか?

 答えは否です。

 「真城の城」のサークル活動休止。
 「夢幻館」の完全活動休止。
 「入れかえ魂」の一時活動休止。

 商業TS作品の増加に反比例するかのように、サークル数が減少していきました。
 これは、一般的にはジャンルの衰退を意味します。
 ファン体質が健全なジャンルではあり得ないことです。
 古参サークルにいつまでも頼れないことは考えるまでもなく明白なのですが、活発なジャンルならば、すぐに新しいサークルが立ち上がります。

 わたしがサークル「Teiresias」を立ち上げた時は、TSジャンルはどん底だったと言えます。
 わたし程度の能力では早晩息切れするだろうとは思っていましたから、誰か一緒に盛り上げてくれと呼び掛け続けました。
 新たなサークルを立ち上げる準備期間は、充分にあったはずです。
 わたしの声では届き切らなかったとしても、1作あたりの発行1000部を誇ったジャンル最大手サークル「入れかえ魂」の活動休止は、危機感を抱くのに充分な出来事だったはずです。復活の保証なんてありませんでした。
 しかし結果として、「Teiresias」がサークル参加していた直近3回のコミックマーケットにおいて、TS系サイト界隈から新たなサークルが立ち上がることはありませんでした。
 うち以外には、古参の方たちのサークルが参加していただけです。
 (新たに参加を試みた方自体はいたでしょう。しかし、結果として誰も通らなかったということは、総申込者数が極端に少なかったということ)
 
 待っていれば復活すると、
 誰かがやってくれると、
 そう思っていたんじゃないですか?

 
 勿論、ここまでに書いたような面倒なことを考えながらサークル活動をしなければならない、なんてことはありません。
 たいていは、そのジャンルに対する溢れる愛情・衝動を抑えきれずに作品を作って発表してしまうのです。
 ……ならばこそ、そういう人間が少ないというのは、どういう状態なんでしょうね?

 「所謂TSファンには、TSジャンルに対する熱い思いを持っている人間が僅かしかいない」

 世間的には、そう受け取られるんじゃないですか?
 
 それなら、商業畑の人間だってやりたい放題ですよね。
 だって、TSファンは自分たちの意思を、情熱を、示そうとしないんです。
 ネットのようなローリスクな場でつぶやいているだけの人が大半です。
 『チェンジH pink』のような手抜き企画本だって、平気で出版できるというものですよね。
 TSも女装少年も男の娘もフタナリも、全部いっしょくたで良いやと思われてしまいますよね。

 そんな状況にもかかわらず、
「変な本が出た? 他人に間違った認識を押し付けられた? そんなの知らないね。俺たちは揺るがないぜ!」
 なんて暢気なことを偉そうに言っている人たちがいるんですから……呆れるしかありません。

 いい加減、自分たちの不甲斐無さに気付きなさい。



「TSジャンルは衰退している」
「TSは吹けば飛ぶような弱小ジャンルだ」
 そう言われて、不愉快になる方もいるでしょう。
 大いに結構です。
 不愉快になってもらうために書いています。

「なにくそ! 勝手なことを言いやがって!」
 そう思うのなら、結果を出すことで見返してください。
 口先だけなら、誰だって何とでも言えます。
 ネットに引き篭もって文句だけ垂れているヒトと、交わす言葉はありません。
 わたしに反論する暇があるのなら行動しなさい。
「杞憂だった。TSジャンルの未来は明るい」と、そう思わせてみせてください。
 
 コミックマーケット78のサークル参加申込書は、既に通信販売で予約注文可能です。
 TSジャンル住人としてプライドのある方の、奮起を期待します。
posted by nekome at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | TS雑談
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