2009年12月11日

TSモノのクオリティが大幅アップ『チェンジH blue』

 編集方針への不満は残りますが、今回はTSモノのクオリティが高かった!

 甘詰留太さんの「初めての夜 初めての朝」は後天性性転換症で女になってしまった親友とのHを描いたもの。
 後天性性転換症は前回の作品でも使われていたのですが……あれはちょっと、正直、ね。エロで描いていた「男の子←→女の子」の焼き直しでしかないうえに、キャラクターの造形も描写の濃さも「男の子←→女の子」の方が上質、というものだったため、評価のしようがなかったのですよ。
 しかし、今回はTSの真骨頂まで辿り着いてくれました!
 実現可能になってしまった、男同士だった頃の冗談混じりの約束。
 もとが男の親友であるがゆえの、微妙な距離感。
 女になってしまった男の、「自身をもって女に成り切れない」複雑な心理。
 特に14〜15ページの描写は秀逸。
 これよ。こういうのが見たかったんです。
 やっと甘詰さん本来の力が見られました。
 この作品が載っている意義は大きい。巻頭なだけにインパクトも大きいですし。
 
 ポン貴花田さんの「えんとらんす!」は前回の続編。
 再び女体化してしまった佐久間円が、事情を了解した校長の指示で、女になったことを公開したうえで学校に通います。
 根津くんを筆頭に、男子どもが欲望に忠実ですね(笑)
 そして龍神(というか蛇)さまはどこに身体突っ込んでますか!

 今村陽子さんの「ヒーローの秘密」は地域限定の戦隊ヒーローに入隊を希望した少年が、女の子に変身させられてピンクを担当させられてしまうもの。
 事務のお姉さんに身体を弄られたり、他の女性隊員と入浴したりと色っぽいシーンも。
 捻りのあるオチが素晴らしかったですね!(笑)

 厦門潤さんの「プラスチック・クレイドル」は、暗殺された重要人物が、遺伝子操作で作られた自分の女性型クローンで復活するもの。
 エロコメ的な美味しさはありませんが、SFとしては面白かったです。
 個人的には、他の女性の記憶をダウンロードしてしまった少年型のクローンに、中身が女性だからと女物の服を着せたところにきゅんと来てしまいました(^^;

 おりもとみまなさんの「おんなまつり」は、朝起きたら女になっていたパターン。
 なのですが、ひたすらいつもどおり!(笑)
「タカシ また女性の権利を侵害するような事言ったんでしょ
 バチが当たったのね」
「母ちゃん…」
「お母さん ホントは女の子が欲しかったの
 タカシが女の子になってくれてうれしいわ」
「母ちゃん…」
「だからあなたが生まれた時は本気でガッカリしたわ」

 ひでえ! でもいつもどおり!
 女になってしまったため、祭りでは大神輿でなく女神輿を担ぐことになるのですが、その最中の思考といいアクシデントといい、バカでハイテンションで笑えます。オチを見たうえで再度読むと、さらに面白いでしょう。
 オチまで含めて実に楽しかった!

 ネタバレになるのでどの作品かは言えませんが、男→女の変化以外に女→男の変化も描かれていて、その使い方も上手かったのは良かったですね。
 ただ、「プラスチック・クレイドル」を除くと変身モノ――肉体変化による性別変化ばかりになってしまいますので、次巻があるのなら憑依は無理でも入れ替わりモノぐらいは入れてほしいところです。
 読み切りでの入れ替わりモノは、エロでも一般でも実例があるので不可能ではないはず。


 ゆうきゆう×ソウさんの「マンガで分かる心療内科」はTSモノの物語ではないんですが、大いに笑わせていただいたのでついでに。
 元々この方たちのweb漫画が大好きなのですが、ここまでいつもどおりにカッ飛ばしてくれるとは……(汗)
 冒頭から
「さらに普通の女の子に興味があるだけでなく『女の子になりたい』っていう願望まであるアレな人たちなんですから」
「なじりすぎだろ! 読者様は神様ですよ!?」

 と容赦のない会話が繰り広げられます。
 うわあー、どうせオブラートに包んだ内容になっちゃうよなとか思ってましたけど、予想以上にどストレートです。
 さらには女性化願望の原因を分析していく中で、こんな会話も。
「あとマゾヒスティックな気持ちもあるんじゃないですか?
 女というか弱い存在になって攻められたいっていう」
「うん…」

 あるね! それはあるね!
「男のままだと誰も攻めてくれないですものね」
「それは言うな!」

 言うなよう!
「女である苦労も知らないで女を甘く考えてる男は殴りたいです」
 なんて台詞まで言わせてしまうのはナイス。たまに本気で想像力のない人がいて焦りますし。
 わかったうえでファンタジーを提供するのが、TS作家の務めですが。

 「TSファンはもっと変態呼ばわりに慣れるべき」と思っているわたしとしては、「マンガで分かる心療内科」の内容は大歓迎でしたね。
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