言及するのも気が乗らなかったんですが、どうも見解を求められているようなので。
「チェンジ H blue 12月11日発売予定」
わざわざ広告に書いてますが、前作でポン貴花田さんの「えんとらんす!」が特に好評(勿論わたしも投票した)だったということ、編集部はどう受け止めているんでしょうね。
『チェンジH pink』のコンセプトは「女装男装こそがTSであり、性転換は刺身のツマ。ついでにフタナリも入れちゃえ」という乱暴なもの。
そこで刺身のツマ扱いした性転換モノ――本来のTSモノが大好評だったということは、編集方針が完全に失敗だったということだと思うんですけど。
顔ぶれがあまり変わらないようなので、特に反省する気はないのではないかと危惧してしまいますね。
前回掲載されていた塩野干支郎次さんやおりもとみまなさんの作品も個人的にかなり好きなんですが、そのことと編集部の商法が適切かというのはまったく別問題ですからね……。
あと凄く疑問なんですけど、何故前回も今回も石田敦子さんやスエカネクミコさんの名前がないんでしょう。
お二方とも、少年画報社とつながりがある上、TSモノを描いていた実績があるんですが。
依頼したうえで断られたのか。
そもそも依頼すらしていないのか。
前者なら仕方がないんですが、後者だとしたら……まあ、ツッコむことすら恥ずかしいですよね。
もっとも、依頼したところで大井昌和さんのように先天的フタナリものを描かせていたり、六道紳士さんのようにイロモノを描かせていたら意味がないんですけど。
ところで、TSと女装の間に線を引こうとすると「女装を仲間外れにするのは良くない!」「騒がないのが大人の対応だ」的なおめでたい意見を一部から聞かされるんですが……。
誤解されるのもうんざりなんで、この際はっきり言っておきましょう。
わたしは、TSファンに対してよりも、むしろ女装少年ファンに対して敬意を抱いています。
なにしろ、我々より遥かに努力していて行動力も実績もありますので。
そして、ジャンル「TS」にはジャンル「女装」をハブにするような力なんてあるわけがないし、ジャンル「女装」はジャンル「TS」の仲間に入れてもらえなくても痛くも痒くもない、そんな貧弱なジャンルではない、と認識しています。
「「女装」を「TS」の仲間に入れてあげよう」という考え方は、人口5000人のA町が人口50000人のB市に対して「うちに吸収合併してあげるよ。新自治体名はA市ね!」と提案するのと同じようなもの。
身の程をわきまえない、失礼な行為とすら言えます。
それを第三者が勝手にやってしまったのが『チェンジH pink』の出版です。
そのやり口を批判することが「女装排撃」とは、まあ悪意のこもった解釈もあったものです。
この狭い界隈に引き篭もっている人間は感覚が歪んでくるようですが、ある創作物がTSモノだと認定されるのは、別に名誉でもなんでもありませんよ。
場合によっては、TSモノとして扱われることが迷惑なことすらある。
「それはTSじゃない」「そんなこと言うのは差別だ!」
……こんな脊髄反射の短絡思考からは抜け出してほしいものです。
「それはTSじゃない」というのは、単なる事実の指摘です。優劣良悪の話ではありません。
境界線を無くすのが他人のためになると思ったら大間違いですよ。
自分の個性を捨て、他者の個性も無視する。その先に、一体何の発展があるというんですか。「自分たちとは違う」ということを認めずして、他者の尊重などあり得ませんよ。
「自分たちは何者であるか」
これを自ら説明できない集団など、存在しているとは言えない。
サイレントマイノリティなど、亡霊も同然です。
沈黙を推奨することは、ジャンルを死へ導くことだと知りなさい。
大人ぶったり正義の味方ぶったりする前に――身の程を知りなさい。
自分たちが、積極的な説明なくして他者に存在を認められることなどない、吹けば飛ぶようなちっぽけな存在であると自覚しなさい。
ジャンル「TS」の人間が頭を使うべきなのは、「どうやってTSファンに女装を受け入れさせるか」などという問題ではなく「そもそも、どうすればジャンル「女装」と対等になれるのか」という課題でしょう。
行動で示してきたつもりなんですけどね……。
変な友愛精神発揮してる場合じゃないでしょう。
まず、彼我の実力差を正しく理解してほしいものです。
それが出来ていないから、何と戦うべきかも、何を守るべきかも、見誤ることになるんですよ。
ネットの中の、極めてマイナーなジャンルのさらに限られたサイトに引き篭もってないで、外に出なさい。
自分たちが、他人に誤ったレッテルを貼られても揺るがないほど確固とした存在だというのなら、誰かの影に隠れて口先だけでいきがってないで、行動して、成果を示しなさい。
2009年10月21日
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>どうすればジャンル「女装」と対等になれるのか」という課題
……私は、とりあえずTSゲーム完成に向けてさらなるエネルギーを費やすことにします。
背中を力強く押されたような気分です。ありがとうございました。
そう言っていただけるとホッとします。
少しばかり厳しめの言い方をしていますが、こういう認識がなければ、わたし自身、サークル活動に踏み出すことはなかったですから。
商業TS作品がちょっと増えたからって、浮かれて何もしないままでは、対岸のブームで終わってしまいますからね。
今現在、大半のTSファンは自ら何も生み出すことのない、出版社にとってのただのカモです。
そのままで終わって良いはずがない。
「なにくそ」と奮起してくれる人間が、もっと現れなければ。
タブン、良くて100倍くらい。恐らくは1000倍か1000倍くらい?<規模の差
女装ジャンル側にその気が無くても、
第三者に近いジャンルだと思われた瞬間、女装ジャンルに吸収される程度の規模ですねぇ……。
TSジャンルに近い規模のジャンルって何だろうか。
「けも」はもう女装少年と同じくらいの大ジャンルになったし、
「BL女体化」や「男性向ショタ」にも圧倒的に大差を付けられてる訳で。
……強いて言うと「男性向BL」あたりかなぁ。
「狭義のForni」や「狭義のK9」あたりのジャンルも、規模的に近い感じがする。
ただ、男性向BLとかForniやK9が、規模が小さい割に「異様な存在感」を放ってるのに対し、
TSはジャンルとしての存在感が薄いのが何とも……(汗)
そもそも「キョン子」がTSと完全に別ジャンル扱いな上に、TSジャンルより大所帯な時点で(爆)
うん、もう大分でかくなってますよねえ……。
太刀打ちしようがないレベルです。
せめて10倍ぐらいのイメージは持ってもらわないと困るのに、TSファンの中には女装を「なにかと差別される少数民族」のように扱いたがる自称善人たちがいるので参ってしまいます。
現状認識能力と想像力が無さ過ぎます。
吸収合併どころか消化吸収されそうになっているのはTSの方だというのに……。
危機感さえ規制せんとする歪んだ正義心は、あまりに始末が悪い。
TSジャンルの存在感が薄いのって、ほとんどTSファンの自業自得ですからね。引き篭もったまんま、口ばかり勇ましいんじゃため息しか出ませんよ。
実力を自覚して、さっさと戦い方に気付いてほしいもんです。