2009年10月15日

偉大なる種族の偉大なる功績『這い寄れ! ニャル子さん3』

 得体の知れない化物に追われていた主人公の少年・八坂真尋を救ったのは、触手様のアホ毛を供えた銀髪の美少女。
「こんばんは。いつもニコニコあなたの隣に這い寄る混沌、ニャルラトホテプです」
 というところから始まったクトゥルーネタとオタク(主にゲーム)ネタ満載のラブ(クラフト)コメディ。

 逢空万太『這い寄れ! ニャル子さん』(GA文庫)

 超気軽に読めるネタ小説として、結構お気に入りなんですよねこれ。
 やっぱラノベには肩の力抜いて読めるものも絶対必要ですよねー、ということで。
 それにしても。
 まさか、シリーズがノリにノっている3巻目にしてTSネタを持ってきてくれるとはーっ!!

 しかも、入れ替わりの原理に「偉大なる種族」の技術を使うとは!
 わかってる! わかってるよ逢空さん! ラブクラフトファン的な意味で!
 名前が出てきた時点で超納得でした。
 ああ、「時間からの影」読んどいて良かったあ……。

 しっかしニャル子さんと入れ替わりかあ……いいなあ……。
 主人公の真尋はニャル子に対してツン100%なんで、全然喜んだりはしないんですけどね。
 「見た目美少女でも、皮一枚下は邪神(作中設定的には宇宙人)で、自分の平穏な生活を乱す存在」ってことで、普段からわりと容赦なく邪険にしてますし。
 けど! わたし的には「見た目美少女でも本性は邪神」なんて、魅力以外の何物でもないですわ!
 むしろもっと人外らしいおぞましい姿を晒せと言いたい! その方が興奮するから!
 しかも無貌の神たるニャルラトホテプとなれば、自身の容姿も結構自由に変えられるはず(作中では、美少女姿と戦闘形態しか見せてませんが)……。
 くうう、ますます欲しいですよニャル子さんの身体。

 じゃあニャル子と入れ替わったことに何の喜びも見出せない真尋少年の視点で、美味しい展開がないかというと、さにはあらず。
 ちゃんとお約束などきどきイベント、お風呂シーンがありますよ!
 普段邪険にしてるとはいえ、ニャル子の美貌と肢体にどぎまぎすることもありますから、真尋とて平常心でこなせるイベントではありません。まあ実際には極力身体を見たり触れたりしないように注意してくれやがるのですが――
 そこでクー子の出番ですよ!
 あ、クー子というのはニャル子にベタ惚れしているクトゥグアです。
 真尋inニャル子がまともに抵抗できないのをいいことに、風呂場に突入してガンガン攻勢に出てくれます。

「じゃあ何を血迷ってんだよ! 今は僕だぞ! 真尋だぞ!」
「……少年は思い違いをしている」
「思い違い!?」
「……ニャル子を身体だけで好きになったわけじゃない。でも」
「でも……?」
「……ニャル子の身体だけでも好き好き大好き超愛してる。だからいただきます」
「そういうオチかよ!?」

(118ページより)

 グッジョブ。クー子超グッジョブ。
 わたしだったらもう喜んで既成事実作りに協力しちゃうところですね。むふうー。
 ……ここ読んでる時はちょっと興奮しすぎた。

 性的な要素を除いても、入れ替わってのドタバタはなかなか笑えるところが多く、このシリーズで一番楽しませていただきました。
 相変わらずネタ塗れですし。魔方陣グルグルのEDネタまで出てきたのは噴きました。
 けど、あの敵はわりと笑えないよなあ……。
 言ってることが誇張抜きで元ネタの連中とまったく同じってのが、さらに笑えない。本来的な意味でのギャグですな……。


 
 ところで、「アトラク=ナクア星のアト子ちゃん」が「セーラー服の似合う黒髪ロングの和風美女」って……
 それどこの初音姉様。
posted by nekome at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想・小説・TS
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