今年のTS名台詞は「てめぇの男を抜きやがれ!」で決まり!
色々てんこもりで、実に美味しい作品ですよっ。
宮沢周『アンシーズ〜刀侠戦姫血風録〜』(集英社SD文庫)
男の子が体を女の子に変えられて戦いの中に放り込まれる。
最近では珍しくなくなったこのシチュエーションですが、わざわざ男を女に変えて戦わせる理由はさまざまです。
母親が魔法少女で、その跡を継がされたり。
女しか選ばれないはずの役目に、何故か選ばれてしまったり。
自分の体が死んでしまったので、女の子の体を借りることになったり。
まあ、「理由になってないよ!」とツッコミたくなるような理不尽なケースも珍しくないんですが、その理不尽さこそが魅力になることもあります。
とは言っても、納得のいく理由、逃れようのない性別変化の方が、より多くの人間を楽しませてくれる気がしますね。
さて、それでは『アンシーズ』におけるTSの原因とは――
「自らの“男”をカタナと呼ばれる武器に変換して戦う。「男を抜いた」結果、身体は女子へと転じてしまう」
うん! それはもう、女の子になるしかないな!
こんな愉快な理由もなかなか無いですわ。
少年漫画にありがちな「専用武器の発現」が必然的に性別変化を引き起こしてしまうとは……ナイス設定。
しかもリスクが半端なく高い。
なにせ戦闘時に振り回してるモノは、その、ほら、まさにアレそのものとすら考えられるじゃないですか。
それを折られるようなことがあったら……ガクガクブルブル。
(↑この震えは、あくまで一般男性の心情を代弁しただけのものです。と逸般的な注意書きを挿入してみます)
光羽がああなってしまったのも当然と言えますわなあ。実にハイリスクです。
そしてもう一つ愉快なことといえば、そうやって美少女に変身して戦う少年ばかりが登場するため――
絵的には美少女だらけだというのに、生まれついての女性がほとんど登場していないという事態に!
な、なんという思い切りの良さ。
……ここはむしろ、そんな作品を受け入れてくれた編集部を褒めるべきかもしれない(笑)
しかし、なんということでしょう。
これだけTSっ娘がよりどりみどりだというのに――わたしの最萌えキャラは、男性時のリキオウマル先輩なんだよおォーーーーうっ!!
ああもう可愛いなあくそうっ!
そして心情的にやたら共感できる……(^^;
それにしても、これだけ発売が待ち遠しく、嬉しく、かつ落ち着かない気持ちになる本は初めてですよ。
友人で、かつTS好きの同士でもある人間がプロ作家デビューなわけですから。
しかも、出版されるのは書き始めた時から付き合ってきた作品。まさか自分が読んできたものが商業出版物になるとは……。
文庫を手に取って読んでいて、「ああ、あの台詞がそのまま載ってるんだ」とか「このエピソードを追加したんだな」とか、感慨深いというかなんというか、不思議な気分になったもんです。
あらためて、佳作受賞、そしてデビューおめでとうございます!
色々大変になる(なってる?)と思いますけど、今後も応援していきますよ、宮沢さん!
2009年09月25日
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