名香智子「零時の鏡」
『Lady's Comic ミステリーJour Special』に掲載されているのを、みのむーさんに教えていただきました。過去作の再掲載だそうですが、実に素晴らしかったのでここで書いておこうかと(^^)
裕福な家庭で育った少女・葵は、17歳の誕生日に骨董品の大きな鏡をプレゼントされる。
自室に大きな鏡を置けて喜ぶ葵だったが、何故か午前零時に鏡を覗く度に、鏡の中は奇妙な変化をきたしてゆく。
そしてある晩、葵は鏡の中に閉じ込められ、それまで鏡に閉じ込められていた何者かが、現実世界の葵の身体を手に入れてしまう。
鏡を使った連鎖的な入れ替わりですね。
ただしスパンは何十年と非常に長く、元の身体に戻ることもできません。
さて、面白いのはここからです。
葵の身体を手に入れたのは、49年前に鏡に閉じ込められた当時89歳だった男性。女になったのを妙な気分と言いつつも、積極的に女としての人生を楽しもうとするのです。
やってくれますね爺さん!
ちなみに、その肉体の記憶は残っているらしく、日常生活に支障はないそうです。
(入れ替わり、或いは憑依相手の記憶が読めるという設定は、商業作品では非常に珍しいはず)
短編なものですから、終盤の展開まで書いてしまいますね。
葵としての人生を手に入れた老人は、その若く美しい体を活かして、次々と男を取っかえ引っかえしては鏡の前でセックスをします。
鏡の中の葵は鏡像と化しているので、鏡の前に立った自分の身体と同じように動いてしまいます。つまり、毎回強制的に痴態を繰り返させられるのですね。
……ここまでやってくれるとは(^^;
いや実に興奮できる内容でした。
こういうダークでエロティックな展開は、やはり女性向け作品が強いですねえ。
男性向けで非18禁作品となると、どうしてもコメディ要素が入りがちですから。
ちなみに、直後に掲載されている、同じく名香智子さんの「絵蝋燭」は女同士の憑依。
TSでこそないものの、容姿のギャップが激しいうえに艶っぽい展開もあるので、かなり興奮できますよ。
まるでネットの18禁憑依小説のような内容!
そのダーク度合いといい、流石レディコミと言ったところですかね。
2009年08月24日
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