とうとうアキバblogに捕捉されるようにっ。
スピードではどうしても関東圏のサイトに敵わないわけですけど、半分意識的半分天然で検索順位を高めてきたかいがありましたかね。
ここ一月ほどは集中して小説を読めない状態でしたけど(漫画はそれなりに読んでました)、週末から週初めにかけて、時間を縫うように電撃新刊を3冊読了。
うち1冊が『紫色のクオリア』です。
「ラノベのオールタイムベストは?」と訊かれると「『悪魔のミカタ』!」と答えるような人間ですんで、うえお久光作品の即買いは当たり前。しかし、それでもなお、うえお久光さんの底は読みきれないんだよなあ……。
『紫色のクオリア』に登場する毬井ゆかりは、人間が“ロボット”に見えるという少女。
そう聞くとつい「ああ、それでロボットが人間に見えて、冷蔵庫に入ってた○○の肉うめー、になるんですね」とか言いたくなるんですが<混ざってる混ざってる
まあそれは置いといて。
物語は、毬井ゆかりの親友となった少女、波濤学の視点で進行します。
わたしは大学時代に哲学系の学科にいたもんですから、当時触れた学問と作中で登場する考察が丸被りでニヤニヤしながら読んでました。懐かしー。
けれどそれ以上に、序盤で強く受けた印象は「あれ……? うえお久光なのに普通に読みやすいぞ?」というものでした。
普段の文体の癖がなくって、普通に読み易くて、「少し不思議」だけど普通に女の子同士の友情が描かれてて、普通に面白くて。
面白いんだけど、なんで突然、こんな作風に?と思ってしまったのです。
が。
やはり、うえお久光はうえお久光だった。
癖の強さのみならず、その底知れぬ脳内宇宙という点において。
またしても、ここまで圧倒されるとは……。
2編目、「1/1,000,000,000のキス」。
刮目せよ。ここから、物語は急転する。
それ故にこそ、これ以上情報を出すのは勿体無い。
けれども決して表紙やあらすじや序盤からは想像できない「1/1,000,000,000のキス」の欠片を目にしたからこそ、『紫色のクオリア』を読んでみたいと思う人間もいるのではないか。
そう考えると、やはり、これだけは言っておきたい。
小林泰三好きは読むべし!!
(記事タイトルは、つまりそういうことです)
というわけで幾夜大黒堂さんあたりには是非読んでもらいたい。多分、今修羅場真っ最中だと思いますけど。
(などと馴れ馴れしい文を書いて、〆ー)
2009年07月15日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック