ずっと積読状態だった、三雲岳斗さんの『ダンタリアンの書架』(スニーカー文庫)を1〜3巻まで読んだのですが、これは素晴らしいですな!
外見年齢12〜13歳の人形のような美少女が罵ってくれるのですよ。
ああいやいや、カラー口絵の「このボケナス……!」を見てわかったような気になっちゃいけません。そんな口調はメインではないのです。
「黒の読姫」ことダリアンの魅力は、敬語罵倒にこそあるのですよ!
「お腹も空いてきたのです。いつまでこうして待たせるつもりなのですか。さんざん道に迷った挙げ句に、こんなところで車を故障させるなんて。おまえは無能なのですか、ヒューイ」
(1巻10ページより)
「この風景のどこを眺めたら、そのようなものが手に入ると思うのですか。今の季節にこんな寒々しい場所に迷い込むような間抜けな運転手は、この世でもおまえだけなのです」
(同11ページより)
……たまんねー。
ああ、敬語というほどきちんとした喋りではないかも。けど、基本的にこういった硬質な口調での罵倒がメインでしてね。少女に少女らしからぬ罵倒をされたい人が読むと、もれなく幸せな気分になれます。
それでいて、甘い物、特に砂糖をたっぷりまぶした揚げパンに目がないもんだから、ギャップが可愛くてしかたがない。
うはー、これは萌えますわー。
…………ん?
そうか、自分はダリアンには萌えられるのか。
いや、めがっさ個人的な話なんですけどね、美少女キャラ相手だとその容姿やら何やらに嫉妬をしてしまって、素直に萌えられないことがしばしばあるのですよ。
で、ダリアンの容姿も充分好みなんですけど、萌えられるのはなんでだろうなーと考えたら……多分、完全に「他人」として見られるキャラだから、でしょうかね。
「あんな子になれたら幸せ」ではなく、「あんな子を見ていると幸せ」というか。
などと、誰がついてきてくれるんだ的な分析をしてみたり。
まあ萌えツボ云々はともかくとして、実に楽しく読めるシリーズでしたよ。
連作短編形式でさくさく読めますし、適度なダーク加減で、自分の肌にも合ってますし。
初っ端から○喰いとか、三雲さん飛ばしてるなあ(^^;
人間の智恵を逸脱した知識が詰まった「幻書」を巡るお話なだけに、苦い結末になることも多いのですが……。
うん、なんというか、そういうシリアスな意味合いでなしに、しばしばオチが酷い。
悲劇なんじゃなくて、酷い。
「忘却の書」にも吹きましたけど、なんといっても、かぐや姫こと「魔術師の娘」。
ありえないだろその展開は……(笑)
それがまた面白かったりするんですけどね。
あーくそう、どっかに美少女になれる幻書は落ちてないかなあ。
「世界には、知るべきでないことがあるのですよ、人間」
ですよねー。
それに、どうにも「美女の世界」と似たようなオチが待っている予感が全開ですよ。
あの変態が過ぎる賛辞も酷かったなあ……(^^;
2009年06月15日
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