2009年06月10日

待望の連続憑依AV『ユーザー発究極の妄想発明シリーズ特別版 ボディジャック』

 憑依モノ、中でも18禁作品の憑依モノの特徴として、「TSの中でも特に、男性的な欲望に基いた内容が多い」ことが挙げられます。
 美しい、好みの女性の身体を奪い取って自分のものにしたい。支配したい。思うがままに操りたい。あるいは、そんな男の邪な意思に操られている女性を見たい。
 これらの欲求はMC(マインドコントロール)に興奮する心理にも通ずるものがあり、TS愛好者とそれ以外の男性にも売れるアダルト向け商品を作りたいのなら、是非憑依を活用していただきたいものだと長らく思っていました。

 しかし、エロゲメーカーが憑依モノを作ったかと思えば、身近な男性に憑依して女をレイプしたり、女に憑依しても本番直前に男に乗り移るものや、イケメンに憑依してハーレムを作るゲームを発表する始末。
 アダルトビデオメーカーはといえば、入れ替わりモノに夢中です。
 いや、このジャンルにおいて入れ替わりモノがメインを張っているという認識は必ずしも間違ってはいない。間違ってはいないのですが――
 それはどちらかというと、一般向け漫画&ドラマという舞台における話でしてね?
 AVで入れ替わりに拘る必要はないんじゃー。もっとシンプルな展開で欲望に忠実な!男ウケの良い憑依モノももっと出してくれよーと思っていたわけです。絶対ニーズあるんだからと。
 (憑依モノがなかったわけではないし、シリーズで出しているメーカーさんもあるのですが……当たり外れの大きいAVで、1本1万円超の作品をどうすれば買う気になるのかと)

 ……前置きが長くなりましたが、そんな状況でしたので、今回このようなコンセプトのAVが発売されたことは、それだけで拍手に値するのですよ。
 『ユーザー発究極の妄想発明シリーズ特別版 ボディジャック 〜エッチな幽体離脱で女のカラダに憑依していつでもどこでもハレンチ天国〜』
 って、副題長っ!(笑)
 でも実際、そういうノリの作品なんですよね。
 そして、『ボディジャック』といえば往年の傑作憑依アニメを連想せずにはいられません。
 まあ、ここまでコテコテに「特定層を意思してますよ!」という作りだと購買層を広げるのはかえって難しくなったかもしれませんが……おかげでこの界隈で話題になったのは確かです。

 本作品の最大のウリは、なんと言っても憑依対象の多さ。7人ですからね7人!
 クラスの女子→女教師→クラスの女子(1人目とは別)→OL→その妹→銭湯の常連→その顔見知りの女子大生と、様々な女性に次々と憑依していきます。
 このアイディアはメーカーの掲示板にも書き込まれていたものであり、リクエストをしっかり汲み上げて作っていただけたことがわかります。
 いや、憑依対象はせいぜい4人ぐらいしか用意できないかと思ってたんですけど、やれるもんですね。

 「失礼しま〜す」と言って憑依し、乗っ取った女性の顔でニヤリと笑うところは実に良い。
 また、キスをして他の体に乗り移るなど、わたしを含めた一部の経口憑依好きのツボを突いた演出があるのも嬉しい。
 ――だからといって、2人目以降全部その方法で憑依する必要はなかったと思うんですけどね(爆)
 
 幽体で移動して他人の体に重なることで憑依、というシーンが1箇所しかなく、それが能動的な憑依ではないうえに映像的にも微妙、というのはちょっとマイナスポイントです。

 憑依後の行動としては、女教師に憑依してのセクハラ授業がかなり美味しかったですね。
 教科書を読ませながら女生徒の胸を揉んでるんですが、片脚をどかっと開いて椅子に乗せているものだから、品のなさが出ていて絵的にもナイスです。可愛い子ぶった声と乱暴な口調の低い声を使い分けているのも良し。憑依される前の女教師というのが、真面目な若い先生という雰囲気だったので、ギャップもよく表れていましたし。
 
 それから、OLの妹に憑依して、彼女の自室に入ってからのシーン。
 ベッドに転がりながら、可愛い女の子になったことを喜ぶ様子は、このジャンルにおける基本的な反応であり◎。このシーンが作品の後半に位置するのはちょっと残念。
 その後、裸になって体を確認するのですが、鏡を持って股間を確認するところは、かなり良い構図の絵になってたと思うんですよね。鏡の前で脚を開いている本人と、鏡に映っている像――ああ、顔もはっきり映ってるんですけど――それらがバランス良く画面に収まってたといいますか。TS絵師さん要チェックといったところです。
 
 銭湯編で、女子大生の背中を流している女性に憑依してからの流れもグッド。
 ちょっと前まで穏やかな雰囲気で会話していたのに、突然乱暴な口調になって後ろから胸を揉み始めるのですから。そう、こういった豹変こそ憑依の醍醐味。

 ちなみに、男性との絡みは一番最後のシーンだけです。
 (あ、手コキだけは「家族編」でもありましたね)
 「女になったからって速攻で喜々として男のモノ咥えるなよ! リアリティないよ!」と、この手のAVに不満を持っていた方も安心かもしれません。


 
 さて、色々褒めてまいりましたが。
 全編通して楽しめた!不満なし!……というわけにはいかんです、ええ。
 女生徒の顔がもうちょっとなあ……とか。再度幽体離脱し、好みの女の子を探して憑依する場面があっても良かったんじゃあ、とか。エロ本番がやたら長いというか何度同じ遣り取りを繰り返すんだろう、とか。
 いや、最後のは単に自分とAVそのものとの相性があんまり良くないこともあると思いますけどね(^^;
 AVのエロ本番はどうにも長くて、つい寝ちゃう人間なもので。
 あと、全体にはっちゃけ気味なので、「コッソリ悪戯したい。周りに怪しまれるかどうかのギリギリを楽しみたい!」という人には合わないかもしれません。

 手放しで褒められるわけではありませんが、TSファン、中でも憑依ファンの要望をできるだけ取り入れて作ったことが伝わってきますし、見所も多いです。
 AVも嗜む憑依ファンなら買う価値はあるでしょう。

 キラさんの「T-STYLE」にもレビューが載っていますので、興味のある方はどうぞ。
posted by nekome at 22:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 感想・AV・TS
この記事へのコメント
nekomeさん、どうも!
ウチのサイトも取り上げて頂きありがとうございます☆いやいや、評論するとはこのような事を言うのですね!なんだか自分のレビュー記事が恥ずかしくなってきますよ^^;

>「コッソリ悪戯したい。周りに怪しまれるかどうかのギリギリを楽しみたい!」
自分はまさにそうゆう口なんですよ(笑)
仮に男やレズといったHな展開へ持って行くとしてもそこに至るまでにプロセスを楽しみたいとゆうか!そうゆう点においては若干欠けてましたよね。
だから私的にもやや辛口な評価になってしまいました。
そうですよね〜容姿で『◎』評価をあげられるのは申し訳ないけど先生役の方だけでしたかね(爆)
ただnekomeさん!AVと相性がとは悪いとは言わずにこれからもいい作品が出てくると思うので(多分;)どうか嫌いにならないで下さいね(笑)
それでは☆失礼しま〜す!
Posted by キラ at 2009年06月12日 09:41
>キラさん
お読みいただき、ありがとうございます。
いやあ、結構悩みながら書いたんですけどね。楽しめたところも不満なところも、的確に書かないとなあと思いまして。誰が読むかもわかりませんから。

Hな展開への運び方は、確かにちょっと雑だったんですよね。「裸になればなんとかなる」という感じで。
さらに凝った脚本を……作ってもらうのは難しいかなあ。

容姿はやはり、先生が一番でしたね。

まあ、わたしはエロ漫画などのテンポに慣れている人間なもので、「AVでは当たり前のこと」をうっかり批判してしまいかねないなあという懸念があるのですよ。
そうポンポンとは買えませんけど、TSモノのAV自体は、今後も気にかけていくと思いますよ〜。
Posted by nekome at 2009年06月12日 20:37
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