この記事が書ける日をずっと待っていた……!
アキバでは2日前に出てると聞いて歯軋りしながら待っていた……!
『COMIC LO』期待の新人、バーピィさんの初単行本がついに発売っ!
バー・ぴぃちぴっと『小中ロック』(TENMA COMICS LO)
バーピィさんの作品に惚れたのは、デビュー作の次に発表された「美咲家の事情」(単行本では4本目に掲載)。
物語の中盤、ページを捲った時の「なに言ってんの?」には読者の9割に戦慄が走ったはず。
父親と可愛らしい娘のラブラブな近親相姦がどうのとか父親を苛む背徳感がどうのとか、それまでの空気が一気に吹き飛んでヒヤリとします。
しかも、間を置かずに「もういるんだよ?」と衝撃の二撃目。
この場面は何度読んでもゾクゾクします。
某バ○ック○ートの「初潮迎えたら立派なオンナよ?」ってホントですなあ……。女は怖いです、ええ。
さらに驚いたのが、背筋が寒くなったその号に同時に掲載された「強引ぐマイウェイ」(単行本では1本目)。
こちらは一転、明るく微笑ましい幼馴染たちのラブコメディです。
マイペースな中○生少女・なっちゃんと年下の男の子で幼馴染な直クンの掛け合いは絶妙。
「ひひあふぁっへう
ひひあふぁっへる!」
「ヒヒアファッフェル?
なかなか難解な言語を使うわね
あ「乳当たってる」だ!」
「正解だよ馬鹿野郎」
「さわり心地はどうだったかね直クン?」
「知らねーよ!
無理に揺らさなくていーよ!」
てな具合で。
なんというか、魔神ぐり子さんと担当さんの遣り取りを彷彿とさせます(わかる人が限られ過ぎな例えですが、本気で褒めてます)。
これ以外の会話も、年相応かつ天然直球というかどっかトんでる内容で、読んでてニヤニヤします。
ほとんど同じ時期に、まったく方向性の違う(しかも、どちらも唸るぐらい面白い)作品を描けることに、「LOの新人は化物か!?」と新たな戦慄を覚えたものです。
雑誌掲載当時は画力の粗さも目に付いたのですが、絵なら描き続けていれば絶対に改善されるわけでして、それよりもこんなに幅広く吸引力のある物語を生み出せる、その発想力を買って応援せねば!と思ったものです。
単行本化に際してはほぼ全作品!が修正されており、確かな成長も見られますしね!
(絵柄は最初から好きでしたよー。特に艶やかな黒髪と表情は◎!)
人口の大半が娼婦としての特殊な教育を受けた女性たちで、外から来訪するお客様は「神さま」という閉じられた島の物語、「巫女島」も面白い。
時間も場所も問わないセックスが日常と化した島で、目の前でセックスが行われていようとも「なんか面白いこと起こらないかなー」と本気で退屈している女の子の描写は上手い!
「未開の奥地で」はバーピィさんのハイテンション方面が全力で解放された作品。
教授の台詞もモノローグも実におバカ。
メンコリ・ロノコ!
お酒でも飲みながら読んで、一緒にこのぶっ飛んだ空気に酔うと実に楽しくなれます。
いや、連載当時本当に酒飲んで読んでたもんで、そん時の印象が強く残ってまして(^^;
そして、バーピィ作品を語る上で絶対に外せない傑作が、巻末掲載の「惚れた女は10歳児」。
まずは以下に引用した台詞を見てくれ、コイツをどう思う?
「突然失礼します!
大友春樹会社員23歳!
かなえさんっ! 一目見たときから好きでしたっっ!
僕と……付き合ってくださいっっ!」
「…………おじさんロリコン?」
「はいッッ 君を見かけた時からロリコンですッ!」
凄く……熱いです。
ていうか、こんな熱いロリコン見たことねえ!
というわけで、初っ端からインパクト絶大な登場をしたこのロリコン男、「ざっと6年待つ覚悟!」など、「YESロリータNOタッチ」を地で行くようなキャラで、その後の愉快な展開を予感させます。
が。
そこから展開は一転。明かされる事実。暗闇の底で必死に心を凍らせようとする少女のモノローグの秀逸さに、鳥肌が立つことになるのです。
そのうえで迎えたエンドの熱さと言ったら……!!
もう何度読み返したことか。強烈な闇と光を描いたロリエロ漫画の傑作。読む度に心が震えます。
今後とも勢いを失わずに突っ走っていただきたい作家さんです。
〜もっとレビューらしいレビューを読みたい方のためのいつものリンク〜
バー・ぴぃちぴっと『小中ロック』(ヘドバンしがららエロ漫画!)
2009年05月28日
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