電撃マ王の読み切りで好評を博したTSモノが、めでたく連載&単行本化!
武田すん『世界の果てで愛ましょう』1巻(電撃コミックス)
気弱な男子高校生・矢野涼馬は、命を狙われて生き埋めになりかけた異世界の王子・エミリオを身を挺してかばう。捨て身の行動に運命を感じたエミリオは涼馬に薬を飲ませて女に変え、妻に娶ると宣言。かくして、平凡な日常を望む涼馬の、普通ではない日常が始まってしまうのでした。
女体化させられたうえでプロポーズされる、という序盤の展開だけで拍手喝采したくなるのですが、この作品の真価は第3話から。
口説かれても首を縦に振らず、「おウチに帰りたい」と願う涼馬のため、エミリオは涼馬ともども地球に滞在することを決定。ここで初めて涼馬の家族が登場するのですが――彼(彼女)には、ブラコンの弟・祐二がいることが判明!!
以前にも増して可愛いオーラを放ち、やわらかそーな身体になって帰ってきた兄貴を前に、弟くんの理性は爆発寸前です(笑)
当然、女体化後も同じ家で生活しているので、「脱衣所の扉を開けたら兄貴が着替えててドッキリ」なんてイベントも起こります。
素晴らしいな!
また、兄への思いを抑えきれず、上手く接することができずに家を飛び出してしまった祐二を涼馬が迎えに来るのですが、その時の涼馬の行動というのが。
・手を後ろで組み
・少し前屈みになりながら
・上目遣いで
・「祐くん おウチに帰ろ」
狙ってんのかオイ。
い、いや狙ってないのはわかる。わかるんだが……そりゃあ弟くんも大変だよっ! なんて破壊力ですかこの子は。
そんな具合に、種族や元の性別に加えて、血縁という禁断の要素まで混入された破壊力抜群の三角関係がこの漫画の魅力なのです。2巻以降では王子もさらに掘り下げて描かれることが期待できますし、そうなればもっと面白くなるでしょう。
兄貴の可愛さに悶える弟くんが、元々涼馬よりずっと体格が大きかったっぽいのもポイント高いですねー。
いやほら、可愛いじゃない、でっかい子供(男の子)。
……ん? それはわたしの趣味でしょうか(^^;
学校への復帰後も、変身系TSモノの王道を押さえた内容で見逃せません。
つーか、ここの男子生徒は皆見る目あるな!
まだまだ続く涼馬の無自覚な行動は、弟君の理性を崩壊寸前に追い込みますし。
――って、狙ってんだろこのアマーっ!
い、いや繰り返しになるが狙ってないのはわかる。自分が女だと言う自覚がない、相手を恋愛可能対象と見ていないがゆえの無防備さこそTSっ娘の大事な魅力のひとつ。しかし、わかってはいても動揺は防げんよ……。ふう、TSっ娘の恐ろしさを改めて思い知りました。
TSモノの認知度の上昇は勘違いした愚作の発生を招く可能性もありますが、『世界の果てで愛ましょう』は良作の誕生も間違いなく増加していることを確信させる作品です。
何より、武田すんさんのツボの突きっぷりは半端ではない。
今後も応援していきますよ!
2009年05月27日
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