全年齢向けの憑依モノって、実は少女漫画との相性がかなり良いのですよね。
おおばやしみゆき『純★愛センセーション』2巻(ちゅちゅコミックス)
親友の賀正をかばって死んでしまった男子高校生・木村純一は、自殺寸前の少女・福永愛を止めようとした拍子に、彼女に乗り移ってしまいます。
賀正に対して友情以上の感情を抱いていた純一は、女の身体を手に入れたことを幸いと、賀正の彼女を目指そうとします。
しかし、愛の意識は消えたわけではなく、あくまで彼女の意識が弱っている時だけ純一に主導権があるという状態。
愛に自分の存在を隠しつつ、いじめられていた彼女をフォローし、かつ賀正に近づこうとする純一ですが……
というのがこれまでのお話。
2巻もかなり面白かったので、引き続きオススメですよっ。
以下、2巻ネタバレあり。
いやあ、ものの見事に一筋縄ではいかないったら。
1話あたりに、かなりの出来事・描写が詰め込まれているため、まったく退屈しませんね。
そして先の展開が読めない。
1巻ラストで、愛の変貌を目にしていた能田から「二重人格では?」と疑われ、アプローチをかけられるのですが……
まさか、彼が惹かれていたのが、本来の福永愛ではなく、純一が身体を支配している時の愛だったとは(^^;
見所がありますねえ、彼(爆)
愛本人は能田に好感を抱いているらしく、能田は能田で何か企んでいるようなので、波乱の予感です。
――って、この引き、3巻ではダブルブッキングですかっ?
ということは、可逆変身でありがちな「男の方の付き合いと女の方の付き合いを、それぞれの相手に気付かれずに並立させる」という無茶イベントを、憑依(精神同居)モノで行うということかっ!
おおう、心配ながらも楽しみになってしまいますよ。
2巻では、「記憶の欠落」と「周囲の反応」をフォローし切れないと感じた純一が、自分の存在を愛に伝えるなど、大きな転換もありましたね。
思いの外、早い諦めでした。
しかし、そのことで成立した協力関係もかなり面白いのです。
特に、繕いものをやっている時のバトンタッチが……。ふと「鶴の恩返し」を連想しましたよ。裏技は見せられなーいっ(笑)
他にも、すべてをここに挙げることはしませんが、色々細かいところまで行き届いていて、ほとんど不満が浮かびませんねえ……。
話の密度がかなり高いので、刺激が多くて実に楽しく読めます。
ココ最近では、かなりの期待株ですね(^^)
2009年02月28日
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