2011年02月08日

戦慄の精神汚染描写「女子攻兵」第1話

 とんでもない化物に遭遇した気持ちです。
 
 新創刊の『@バンチ』で連載が始まった、松本次郎さんの「女子攻兵」が凄い。

 女子高生型巨大兵器「女子攻兵」に乗り込んで戦う兵士たちの話なんですが、その兵器に搭乗していると徐々に精神を汚染され、女子高生的な思考になっていくのです。
 汚染度が5を超えると携帯電話(女子攻兵サイズなので巨大)で存在しない相手と会話したり、ありえないメールを受け取るようになってしまう。
 
 ……説明だけ聞いてるとギャグっぽく感じるかもしれませんが、怖いですよ?

 汚染が進みすぎると暴走するので処分されるのですが、それを担当するのも「女子攻兵」部隊。ここの隊員もかなり汚染が進んでいます。
 上官を「センパイ」呼ばわりしたりケータイで「家族」と会話したり、隊員同士できゃいきゃい盛り上がったり……。
 
 でもそこ、銃弾どころか砲弾飛び交う戦場ですから。
 全員重武装ですから。
 搭乗してるのは、同格の兵器でなければ仕留められない「次元兵器」ですから。
 
 正気を保っている兵士にとっては恐怖の現場です。
 それに、任務中にきゃいきゃい盛り上がってるっていうことは、隊員皆発狂寸前ということで――

 TSモノでは任務のために女性の姿になったり、精神が女性化していくのは珍しくないですしニヤニヤできるご褒美です。
 けど似たような要素でも、料理次第でこんなにゾッとするものになるとは!
 これは面白い。
 TSカテゴリに入れるべきかどうかは悩むところですし、自分自身別のポイントで楽しんでいるような気がするんですが、本気で面白いです。
 昨日立ち読みしてしまったんですが、どうにも語りたくてしかたなくなったので、今日あらためて雑誌を買ってきましたよ。
 この先どんな凄まじいものを見せてくれるのかと期待が高まります。


 ところで公式サイトにプロトタイプが掲載されているっていうので行ってみたんですが、会員限定っすか……。
 微妙に面倒で気分が萎えるなあ。無料ならそんなハードル設けなくてもいいんじゃないかと思うんですけど……。

2011年02月06日

深まる人間関係は嵐を呼ぶのか?『あめのちはれ』4巻

 面白さと不安が同時に高まるのよね! 繊細な描写も健在の群像劇です。

 びっけ『あめのちはれ』4巻(ビーズログコミックス)

 高校生活&性別変化が始まって一ヶ月が過ぎ、葉月たちの「女の子としての」人間関係も徐々に深まってきました。
 背が高くて格好良い雰囲気の円は知名度も高まってきたらしく、後輩の女子からラブレターを。
 葉月(月子)は勉強会の口実で明日美の家にお呼ばれ。こっちはあくまで友達としての関係なんですが、連絡を受けたトーマは「あーーーー今のままじゃ倒錯的すぎだ!!」と一人で騒いでます。
 大丈夫だよ! 君らの場合、男子といい雰囲気になっちゃう方が倒錯的だよ! でも葉月はそっちのルートも進行してるよ!(笑)
 明日美から「月ちゃん お兄ちゃんのこと好き?」と訊かれて「どうしてそうなる……!!!」と愕然としてたりしますが、むしろどうしてそう思われないと思うのか訊きたい! お前寮長と話してる時の表情鏡で見てみろ。あと、たった今明日美に答えてる時の表情もな。

 また五郎丸の方は、これまで嫌な印象を抱いていた桜子と女子状態で接触。
 アクシデントから守ったことがきっかけで桜子の素の言葉に触れたりして、思わぬ接近を。

 性別変化が原因で新たな関係が築けたり、より親しくなったりというのは勿論のこと面白い。
 しかしそれは同時に、抱える事情がバレる危険性と、バレた時のダメージが増していくということにも繋がるんですよな。だからもう読んでて落ち着かない! ハラハラする!
 
 彼らの秘密は女子になってる時のみならず、男子に戻ってる時にも影響を及ぼします。
 デート中の恋人相手に「ブラしてないの?」とぽろっと言っちゃう円には噴きましたね。それは男子が自然に言ったら不自然だ!(笑)
 同性じゃない、同性じゃないんだよ(^^;

 他の皆も、細かいところでぽろっぽろっとヒントをこぼしてしまったりして、周囲の人間に怪しまれ始めています。
 そろそろ大波が来そうな予感……。


 しかし一番深刻なのは不定期の性別変化ゆえに「突然の肉体変化そのもの」が交際の障害となるってことですね。
 1巻では葉月がそれでピンチに陥っていましたけど、今度は真城ちゃんが厄介な事態に。
 人間関係全般に奥手そうな子なのにやたらとディープな事情も明らかになって、これから待ち受ける難事を切り抜けられるのかが気になるところです。
 
 1巻読んだ時には「ハルちゃんのサポート能力チートすぎる……」と思ったものの、日常生活を送るのがこれだけ厄介となると、それなりに強力な支援がなきゃ話が広がらないんですよね、うん。
 


 ふと気付いたんですけど、この作品「性別変化のスイッチ」ははっきりしていますけど、そもそもの「性別変化の原因」は4巻に至っても未だに描かれていないんですよね。ぼやけたまま。
 でも、この作品特有の雰囲気にとっては良い方に作用していると思うので、当分明らかにならなくても良いんじゃないかなと思います。
 繊細な描写と雨に霞む空気感が大きな特色ですので、今の雰囲気を楽しみ続けたいところです。

2011年02月05日

そして、女になったら何がしたい?「男のうちにしたい10のこと」

 先に言っておきますけど、わたしから話聞かずに、何も知らずに漫画を直に読んだ方が絶対に面白いですからね!
 この記事書くべきか迷いましたもん。むしろ作品を楽しむ妨害にならないかって。
 しかしまあ、すぐ読みたい人はだいたい買ってる頃合いだと思うので、ギリギリのラインを守りつつ書いてしまいましょう。

 おりもとみまなさんの「男のうちにしたい10のこと」が素晴らしすぎる!!
 あ、『チェンジH red』に収録されています。
 
 主人公の佐藤ゴン吉は痔が悪化して肛門科にかかったところ、「急性女体化細胞疾患」を発症しており24時間以内に女になってしまうことを告げられます。
 ゴン吉自身は半信半疑だったが、両親から「残された男の時間をまっとうさせたいから早退させてくれ」と頼まれた教師がクラスメイト全員の前でそれを告げてしまい、「明日から女になる」ことが周囲にとって確定事項となってしまう。
「女になったらしたいことのアンケートとっておいてやるよ」
「思いもつかない答えが山ほど返ってくるぜ!!」

 と盛り上がる男子たちに見送られ、ゴン吉は早退。自室で「男のうちにしたい10のこと」を考え始めますが――


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2011年02月04日

魅惑の肉体で周囲を魅了『目覚めると従妹を護る美少女剣士になっていた』

 発売から日が経つとどんどん書きづらくなっていけませんね。まあ、かなりの勢いで売れていたようなのでご容赦願おうということで。

 
 狩野景『目覚めると従妹を護る美少女剣士になっていた』(あとみっく文庫)

 タイトルにすべてが表れていますね! 『ピルグリムメイデン』の狩野景さん、新シリーズもTSモノです。
 『ピルグリムメイデン』と同じ世界観ですので、そちらも読んでいると「おっ」と思うキャラや情報が出てきたり。
 ちなみに、略称は「めると」で!

 あらすじは公式から。
「退魔師の分家筋に生まれた一条遼は、ある夜目覚めると身体が女になっていた!!
 さらに時を同じくして従妹の結女が、鬼への生け贄「鬼慰姫」として狙われ始める。
 遼は結女を守る「鬼斬姫」の役割を果たすため、身体が女体化したらしく!?
 鬼斬姫となって退魔の力を得た遼は、 果たして鬼たちの手から片思い中の従妹を守れるのか!?」

 早速、表紙に美少女――「鬼斬姫」となった遼の姿が描かれているのですが、表紙を捲ってすぐ目に入るカラー口絵1枚目が特に素晴らしくてですね! ブラウスを肌蹴て胸の谷間に太刀を挟んでるんですが扇情的すぎてまったくもう羨まけしからん! こんな身体が欲しいですってば……。

 さて本編感想ですが、ネタバレ度高めで話したいため格納いたしますね。

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posted by nekome at 00:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 感想・小説・TS
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